御簾の透影(源氏物語·若菜上)2/3 もっと深くへ !

 

あらすじ

 その時、小さくかわいい唐猫(からねこ)が、少し大きな猫に追われて御簾(みす)の端(はし)から走り出た。その唐猫には首に綱がついているので、綱が物にからまって猫が引っ張っているうちに、御簾がめくりあがり、中が丸見えなのにそれを直す者もいない。

 御簾がめくりあがりあがったので、そこから中に立っている袿(うちぎ)姿のほっそりと小柄な女性の上品でかわいらしい姿が柏木の目にうつる。女房達は人々の蹴鞠(けまり)を見るのに夢中で、それに少しも気づかず、柏木はその女性を若くてかわいい人だなあと思う。

 夕霧がそれに気づいて咳(せき)払いをしたので、その女性は奥にお入りになった。夕霧も実を言えば、その女性をもっと見ていたいと思ったのであった。そして、柏木がその女性を女三宮であると気づいたに違いないと思って、目に晒(さら)されることとなった女三宮を気の毒に思う。柏木は猫を抱き寄せて女三宮の移り香にその面影を懐かしむのであった。




後の悲劇を暗示?

 猫の出現によって、描写の焦点はぐっと絞られ、柏木の目を通した場面として描かれていく。脇に夕霧がいて、後の悲劇を暗示するかのように、夕霧の不安が語られる。


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御簾の透影 2/3 問題解答(解説)

問1 aみきちょう みす うちぎ きざはし おおんぞ(中世以降は「おんぞ」とも。)


問2 i夕方の光 j気の毒で見てはいられない


問3 c(直前の「」は打消しの助動詞「ず」連体形、「にや」は結び「あらむ」の省略) dける」の「に」は完了の助動詞「ぬ」連用形のパターン。 e(「心あわただしげに」で一語、形容動詞「心あわただしげなり」の活用語尾。)


問4 ①何とも言えず上品で可憐な感じである。

   女房とは間違うはずもない雰囲気など


問5 女三宮が姿が見えていると気づくよう、夕霧が咳払いをしたこと


問6 平安 紫式部 彰子 藤原道長


advanced Q. 解答例


A⇒ 父の正室である女三宮が、若い男に垣間見されているのが気の毒でそっと合図をしてあげたのだが、実は、自分も垣間見をしていた一人で、もっと見ていたいと思う心理。

B⇒ 女三宮を、不注意でよその男である柏木に垣間見されているので、気の毒だと思った。

C⇒ 心を寄せていた女三宮の姿を偶然目にすることができたが、それ以上進展することはかなわないことをやりきれないと思う気持ち。

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