光源氏の誕生と母更衣の死 exercise 解答例・解説 つづき
光源氏の誕生 exercise A 解答(解説)
解答例
問1 ありけむ問2b ロ・ニ l イ・ヘ n ロ・ヌ
問3c げろう h かんだちめ(べ) i もろこし
m うしろみ e 病気がちだ k 不都合だ
問4d ロ f ハ g ニ
問5 白 居易(楽天)
問1~5 各2点 計28点
問6①それほど高貴な身分でない方で
③帝は人々の非難をも気兼ねすることがおできにならず
⑥帝は早く見たいと待ちくお思いなさって
①③⑥は各5点計15点
②時めくべし 5点
④一人の妃への偏愛 (8字) 6点
④一人の妃への偏愛 (8字) 6点
⑤副助詞で、帝から格別の寵愛を戴いたことに、男皇子を授かったことを添加する用法(現代語の「マデモに該当する」)。 6点
⑦ よせ重 ~ けの君 5点
⑧「一の皇子」は「この君」の美しさにお並びになりようになかったから。(32字) 5点
解説
問1 「にや/にか」 → 結び=「ある/あらむ/ありけむ」が省略されることがある。(「に」は断定の助動詞「なり」の連用形。結びは正確には「ある」「む」「けむ」。)ここでは初めから4文目にある「ありけむ」。 問2 敬語は誰かが誰かに敬意を表すものです。次の 誰から誰へ は確実にインプットしてください。
誰から 地の文→作者から
会話文・手紙文→話し手から・書き手から
誰へ 尊敬語→動作主へ
謙譲語→行為の受け手へ
丁寧語→読み手・聞き手へ
問3 ekfは重要古語。
問4 d…問1と同様。「にやありけむ」の「に」は、断定の助動詞「なり」連用形。
f…「心細げに」で一語ととらえる。
g…体言に接続、引用の用法。ニと訳す。
問5 《 略 》
問6①…「いと~ぬ(打消し)」で、ソレホド~ナイの意。「やむごとなし」=高貴だ、「きは」=身分、いずれも基本古語。「が」は同格の用法の格助詞、デと訳す。
③…え〈副詞〉…打消し→不可能、デキナイ。基本知識です。「せ給ふ」は最高敬語、現代語には該当する敬語はない、オ~ナサル・アソバスと訳すことになります。「はばかる」は、遠慮する・気兼ねするの意。
⑥…「いつしか」は、早く早くの意の副使。「心もとながる」は、じれったがる・待ち遠しく思うの意。「せ給ひ」は最高敬語。
②…桐壺更衣より身分の高い「女御・更衣」の心中語、自分こそは寵愛を戴くはずだと自負してたということ。一文目の「時めき」、4文目の「べき」(=当然)を使う。
④…女御・更衣たちの反発、それに続く、上達部・上人の困惑や不快感をひきおこしたものは、と考える。
⑤「さへ」=添加(マデモ)、「だに」=類推(サエ)/最小限の願望(セメテ~ダケデモ) → まだの人はインプット。
⑦…帝が「一の皇子」を本音とは違って大切な子だ思わざるを得ない理由になります。
⑧…「この御にほひには並び給ふべくもあらざりければ」と述べてあります。最愛の妃が産んだこともあるでしょうが、ここでは実際に作者が語っていることを正解としています。
光源氏の誕生 exercise B 解答例・解説は下にスクロールしてください。
⇩ ⇩ ⇩ ⇩ ⇩
問3 イ
問4②早く(見てみたい)と待ち遠しく思い
③世間でも大切にお仕え申し上げているが、
④大切なお方というご寵愛であって
⑤世間での評価もたいへん重々しく
問5(1)おのづから (2)げす
問7かえって帝のご寵愛をいただかないほうがよいという気苦労。
問8(1)右大臣 ~ けの君 (2)私物
解説
問1「せ給ふ」「させ給ふ」は二重尊敬=最高敬語。最高級の身分の人への敬意を表す時に使用される。ただし、会話文では気軽に使われた。「せ」「させ」が使役のばあいがあるので注意。
(1)fは尊敬の助動詞「させ」の一部の「せ」。 (2)文脈から判断します。「わりなくまつはせ給ふ」の「まつはす」は、「絶えずそばにつきそわせる」の意。
問2(ア)・(オ)…《略》
(イ)・(ウ)…《略》
エ…過去の助動詞は、「けり」と「き」のニ語。「一字」から「き」、直後が「ほど」=体言なので連体形「し」が正解となる。
問3「さへ」は添加の副助詞。AダケデハナクBマデモと、Aに加えてBを添え加える用法。桐壺更衣にとって幸運なこと、すなわち、帝からの寵愛だけではなく男皇子の誕生ととらえられる。
問4②「いつしか」は、早く早く(~タイ)の意。「心もとながる」は、じれったがる・待ち遠しく思うの意。
③「世」は、ここでは世間の意。「(もて)かしづく」は、仕える・大切に育てるの意。「聞こゆれ」は謙譲の補助動詞、~申し上げると訳す。
④「やむごとなき」は、この上もない・格段の意。「御思ひ」は、帝の一の皇子へのお気持ち、ここでは「ご寵愛」と言い換えられるもの。「にて」は、断定の助動詞「なり」連用形の「に」+接続助詞「て」→デ・デアッテと訳せる。
⑤「おぼえ」は、ここでは世間からの評判・世評の意。「やむごとなく」は、この上もない・格段の意。
問5⑥「上衆めかしけれ」は形容詞「上衆めかし」の已然形で、上流らしく見えるの意。
(1)…「上衆めかしけれど」は「おのづから軽き方にも見えしを」に連用修飾語でかかる。
(2)…漢字では「下衆」と書く。
問6⑦…「おぼし疑へり」とは、お疑いになっていたの意。直前の「ようせずは、この皇子のゐ給ふべきなめり」を口語訳することになります。
問7⑧…「なかなかなり」は形容動詞の語で、生半可だ・中途半端だ・どっちつかずだの意。直前にもあるよう、帝から格別の寵愛を受けるという女性として最高の幸福に恵まれたことと裏表のように、人々から白眼視されたことへのアンビバレントな心持を理解できましたか。
問8(1)…第一皇子は右大臣が外祖父であり、世間でも皇太子になる方だと認めていたことを、帝も心におかなければならなかったが述べられています。
(2)…「私物」とは、私有物として大切にするもの、秘蔵っ子(大切に思う子供)の意。
コメント
コメントを投稿