無文字言語から有文字言語へ
「竹取物語」は今から1100年以上前に書かれました。この物語、「源氏物語」の中で「物語のいできはじめの祖(おや)」と書かれていますが、私たちが読むことのできる、かな文で書かれた我が国最古の物語です。文学史上エポックメーキングとなるものです。
そのころは、現在みたいに評論や小説などが自在に書かれていたわけでないことは言うまでもないでしょう。
そもそも日本語は文字を持たない無文字言語(unwritten language こちらへ)でした。もっとも、文字はなくても、神話や伝説や歌は口承(こうしょう)されていました。そういうものを語り伝える語り部(こちらへ)という専門職もありました。
さまざまな経緯を経て、日本語をひらがな・カタカナ・漢字(=文字)で表記できるようになっていったのです(より詳しくは、コチラへ)。
平安時代の初期(1200年ほど前)に、漢字を元にしてひらがな・カタカナが発明され、そうして初めて、私たちが日常使っている言葉で、リアルな心情や情景の文章表現ができるようになっていきました(万葉仮名の時代は除きます)。
このようにして、かな文字で書かれる物語が書かれるようになり、新しい文学に発展していきました。文学史的には、こうして、架空の人物や事件を題材にした〈作り物語〉(「竹取物語」など)と、歌の詠まれた背景についての事情を文字化した〈歌物語〉(「伊勢物語」など)の二つが成立したとされています。
「竹取物語」はそんな黎明期の作品なんです。
かぐや姫の生い立ち(竹取物語) 原文/現代語訳はこちらから
竹の中から得た女の子が大きくなったので、三室戸斎部(みむろべのいんべ)に名をつけてもらい、「なよ竹のかぐや姫」という名にしました。これは、裳着(もぎ。「髪あげ」ともいわれる。)の儀式をして成人したことを世に知ってもらうということです。女性が成人の儀式をあげるということは、結婚有資格者となったことを世に知らしめることでした。かぐや姫の場合、三日間盛大に管弦の祝宴(しゅくえん)が持たれと書かれていますね。
かぐや姫の生い立ち(竹取物語) 原文/現代語訳はこちらから
東宝映画「竹取物語」予告編
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