清少納言~平安女流 世界の文学史上に輝く綺羅星たち ! 

 清少納言 

 平安女流 

 世界の文学史上に輝く綺羅星たち ! 

  春はあけぼの !

    
【動画】水野ぷりんさん「枕草子」


 今から1000年以上前清少納言(せいしょうなごん)によって書かれた、「春はあけぼの。」ではじまる「枕草子」は我が国で誰でも知っている古典随筆です。現代語訳です。

 春は明け方がよい。だんだんと東の空が白くなる、その山際(やまぎわ)が少し明るくなって、紫がかっている雲が長くたなびいているのがよい。

 夏は夜がよい。それは必ずしも月があるからではない…闇であっても夏は夜がよい…それは「昼間のひどい暑さ」から開放されるから、なんかじゃない!…漆黒(しっこく)の闇の中を彷徨(さまよ)うように点滅しながら舞う蛍の光が!…雨がザアザアと降っているのもいいなあ…。

 秋は夕暮れがよい。夕日が山の端(は)にとても近くなっているときに、「烏(からす)なんて…?」と思われているけど、それが寝床(ねどこ)へ帰ろうとして、秋の夕暮れの茜(あかね)色に染まる空を、三々五々ねぐらへ急ぐのなんかを見ているとしみじみとした気持ちになる。ましてや雁(かり)などが隊列を組んで飛んでいるのが、ごく小さく見えるのは、とてもおもむきがあってよい。日が落ちてから聞こえてくる、風の音(おと)や虫の鳴く音(ね)などは、言いようもなくなくすばらしい。

 冬は早朝がよい。雪が降っている朝は言うまでもなくいいし、霜が降りてあたり一面が白くなっているときも、またそうでなくてもとても寒いときに、火などを急いでおこして、(部屋の)炭びつまで持っていくようすも、とても冬らしくてよい。昼になって暖かくなると、火桶(ひおけ)に入った炭火が白く目だってきてよくない。

枕草子』の第一段「春はあけぼの」の全文原文+逐語訳はこちらから。


  清少納言があげた光景は、現在、近代化や都市化によって失われたものも多いのですが、この「春はあけぼの」の章段を読むと、それぞれの光景が鮮やかに思い浮かび、また、不思議となつかしい気持ちにもなります。

 作者独自の観点、風景と時間の切り取り方、着目の仕方が、読む者に新しい発見をさせ、感性をリフレッシュしてくれるように思わせます。日本人独自の感受性やものの見方の原型になっているといえるでしょう。
 1000年以上前、一人の女流に書かれた随筆!

  平安女流は世界史上も特筆すべき文学現象

『ブルタニカ国際大百科事典』(こちらを)で、界史上女流の文学者は、ギリシャ時代にサッフォーという詩人が知られるが、以降「古代・中世を通してみるべき女流作家は出現せず」、19世紀になって、イギリスでブロンテ姉妹や G.エリオットらの小説家が登場することになるとされています。また、同事典で日本の平安時代に『源氏物語』の紫式部をはじめ,清少納言,和泉式部そのほかの偉大な才女が輩出したことは特筆すべき文学現象である。とされています。世界史上、古代に女性が本格的な文学作品を書き残しているのはこの日本だけであるということ、当の日本人もよく知らないのでは !!!


「春はあけぼの」をもっと深く知りたい方はこちらへ。


冲方丁 
『はなとゆめ』

  清少納言と紫式部の関係は?

   


【動画】「清少納言と紫式部・ベストセラー誕生の秘密」
動画「清少納言と紫式部・ベストセラー誕生の秘密」は45分と長く、音声が途切れる部分がありますが、最新の説を含む楽しいコンテンツになっています。
↓ ↓ 
 



💚💚💚こちらも、おすすめデス💖💖💖
 ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
小式部内侍「大江山いくのの道の」~才媛の娘は才媛?(古今著聞集)こちら

帰京(土佐日記)~無責任な隣人😖 & 亡き娘😭 はこちら

雪のいと降りたるを(枕草子)~「少納言よ、香炉峰の雪、いかならむ。」こちら

東下り(伊勢物語) もっと、深くへ ! こちら

梓弓(伊勢物語)~すれ違いによる悲しい結末こちら

 光源氏の誕生(源氏物語)~四代の帝、七十四年間、登場人物五百人の物語のはじまりこちら

檸檬(梶井基次郎)~みすぼらしくて美しいものを ! こちら

こころ(夏目漱石)1/2~他人が持っているものをほしくなる?こちら

羅生門(芥川龍之介)~情緒・感覚から合理・理性へこちら

山月記(中島敦)~虎になってしまった男こちら

城の崎にて(志賀直哉)~生と死の境界線はどうなっているの?こちら

鞄(かばん)(安部公房)~自由でなければならない😕、という不自由?こちら

舞姫(森鷗外)~救いの手を差しのべてくれた相澤謙吉は良友か?こちら

エッセーお豆の煮方 how to boil beans in Japan.こちら

レビュー👩平安女流👩~世界史上特筆される存在 ! こちら

 レビュー木曾の最期(平家物語)~日本人がそうふるまうのは なぜ ? こちら

レビュー「楊貴妃=長恨歌(白氏文集)」~中華と日本、美女の描き方こちら

レビュー花は盛りに(徒然草)~新しい美意識、わび・さびへこちら

パフォーマンス[小池博史ブリッジプロジェクト/世界会議]こちら

映画「HOKUSAI」~浮世絵師葛飾北斎の鮮烈な生きざま、田中 泯の存在感、目が離せないこちら

パフォーマンス「すこやかクラブ~パラダイスの朝に」こちら

映画「日日是好日」~樹木希林、最後の出演作、世の中にはすぐわかるものと、わからないものがあるこちら

ドラマ「ごちそうさん ! 」~食べ物についてこちら

臥薪嘗胆~すさまじい怨恨の連鎖(十八史略)こちら

荊軻~始皇帝暗殺(史記)こちら

韓信~国史無双、劉邦の覇権を決定づけた戦略家 (史記)こちら

鴻門の会~九死に一生を得る(史記)こちら

 項王の最期~天の我を亡ぼすにして(史記)こちら


【日本語教室会報用原稿より



コメント