赤い繭(安部公房) exercise

 赤い繭 

(安部公房)

 exercise



赤い繭 exercise 解答例/解説

解答例

問1a 偶然  b 会釈  c 納得 d 錯覚 

問2A ニ  B イ  C 

問3A ロ  B イ  C ロ  D イ  E 

問4① 路地
  ② (解答例)「おれ」には、休むために必要な家というものがないから。
  ③ (解答例)(ほかの家に比べて、)特に「おれ」の家かもしれないという可能性をにおわせる特徴があるわけではないこと。
  ④ (解答例)「おれ」の家を手に入れること。そして、目の前の家が「おれ」の家かどうかを確かめること。

問5 

解説

問1 漢字をないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルです。漢字の平常テストは地道にやるにして。高校を卒業したら漢字テストなど誰もやってくれません。これから一生の漢字力になります。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しながら進めてね。高校を卒業したら漢字の書き取りなど誰もやってくれません。今のトレーニングが一生の漢字筋力となります。

問2 解答を考える前に選択肢を見て頭に入れておく。はじめは「笑顔」で対応していた「女」だったが、ここは私の家ではなかったでしょうか?」という異様な質問に、「女」は不安・恐れを抱き表情を「こわば」らせる。さらに「こちらが私の家でないとお考えなら、それを証明していただきたい。」と詰め寄られて、「女」は不安・恐怖を一層つのらせ、「おびえ」から「おれ」を拒絶することとなる。

問3 「だれかのもの」だということから、「おれ」のものではないという。ならば、せめて「だれのものでもない」がどこかにないものか〜という論旨をおさえます。所有をめぐって語られる。「おれ」の論理は理解しがたいと思いますが、「共産社会」では、すべてのものはみんなのものであり、特定の誰かのものはないという考え方で、「おれ」の論理に似ているといえます。

問4 ① 「家」に強い執着を持つ「おれ」には、そこにある道は道というより「家と家との間」にできた「裂け目」に映るということでしょう。

   ② 「おれ」にとって「休む」ことと「家」とは切り離しがたいものなのです。その点を押さえます。

   ③ 「それ」が指しているのは、「ほかの家と比べて、特にそういう可能性をにおわせる特徴があるわけではない」という部分である。「そういう特徴」の「そういう」を具体的に言い換えます。すると、「おれの家かもしれない、という可能性」になる。

   ④ 「おれ」にとっての「問題」とは、「家」に関したことに他ならない。つまり、家がないから家を見つけなければならない。さし当たって、目の前にある家が、「おれ」の家かどうかを確かめなければならないということになります。

問5 「女」にとっては、それが自分の家であるなら、それは「おれ」のものではないという、現代日本の常識的な論理にもとづく反応。


解答例

問1幅  端  事態  途方

問2 変形

問3B ニ C ホ D 

問4 イ ホ

問5② 地下室
  ③(解答例)家と休息を失い、永遠に地上をさ迷い続けなければならない、ということ。    家と休息を奪われ、永遠に歩き続ける運命にあること。
  ④(解答例)家で休むべき「おれ」自身が消滅してしまったということ。
  ⑤(解答例)繭の中がいつまでも夕暮れであるなら、そこには夜という休むための時間が訪れることはなく、したがって「おれ」は永遠に休むことができないことになる。

  ⑥(解答例)夕焼けの色に赤く光っているという特徴。

問6

解説

問1 《略》

問2 「おれ」の家にしていた「ヒューム管(下水道管)」がどこかに運ばれてどこかに設置されたことを「おれ」の論理で語られている。「変形」は文中に「変形もせず」「絹糸に変形した足が」と二カ所ある。

問3 「道」が「刷毛のようにけば立つ」のは、「雨の日」。「道」が「車の轍の幅だけになる」のは、「雪の日」。そして、「道」が「ベルトのように流れる」のは、木の葉などが吹き流される「風の日」となる。

問4 「こら、起きろ…おまえは罪を犯したことになるのだ。」という「彼」の言葉を手掛かりにして考える。

問5② 地上には「おれ」が足を止めてよい場所がない。「おれ」が足を止められる場所、それは「地下室」だけなのである。

 ③ 「さまよえるユダヤ人」が「故郷と安息」を失ったように、「おれ」には帰るべき「家」がなく、「休む」こともできない。また、「さまよえるユダヤ人」が「永遠に地上をさまよいつづけなければならない」ように、「おれ」も「この地上では足を止めることが許されない(永遠に歩き続けなければならない)」。

 ④ 体が繭に変身したことで、「おれ」は「繭」という「家」を手に入れたが、その代わりに「家」で休むべき「おれ」自身を失ってしまったといことになる。

  ⑤ 「いつまでも夕暮れ」であるということは、永遠に「夜」が訪れないことを意味する。そして「夜」とは「おれ」にとって「家」で「休む」ための時間であるなら、「夜」が来ない以上「おれ」は永遠に「休む」ことができないこととなる。

⑥ 直前の文「繭の中はいつまでも夕暮れで、内側から照らす夕焼けの色に赤く光っていた」という部分を受けている。

問6 「公園のベンチ」に関する部分を参照して考えればよい。「おれ」は「みんなのもの」であるベンチを使うことさえ許されない、特別な存在であった(「おれ」は「みんな」とは異質の存在なのである)。そんな「おれ」が「踏切とレールの間」で足を止めていたから、「彼」は「腹を立てた」と解釈して、ニを解とします。


赤い繭  問題 exercise 


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