『徒然草』とは
兼好法師によって鎌倉時代終わりころに書かれた。『枕草子』(清少納言)・『方丈記』(鴨長明)と併せて日本三大随筆と言われている。 自然、社会、人間のありように対する思いを述べた随筆で、さまざまな角度から斬新(ざんしん)な感覚で切り込んだ作品。王朝文化へのあこがれ、有職故実(ユウソクコジツ。礼式・官職・制度などの由来など)に関する心構え、処世訓、自然美の新しい見方など、素材・対象は多彩を極めている。
仏教的無常観・老荘的虚無思想・儒教的倫理観が基盤にあるとされ、また、作者兼好法師は和歌四天王の一人に数えらたように、美的感受性にも優れている。
仏教的無常観・老荘的虚無思想・儒教的倫理観が基盤にあるとされ、また、作者兼好法師は和歌四天王の一人に数えらたように、美的感受性にも優れている。
『徒然草』は、「ある人、弓射ること習ふに」や「高名の木のぼり」を読むと人生上の教訓集と見えますが、「神無月のころ」や「花はさかりに」は兼好の趣味論にも見えます。さらに、この「五月五日、賀茂の競べ馬を」や「大事を思ひ立たん人は」は死生観や無常観を論じるものにも見えます。
加藤周一(こちらを)さんの『「心に移りゆくよしなしごと」を次々と書きとめることで、多面的でしばしば相反する思想を一冊の小著にまとめあげた』という見方が、私には最も納得されます。
要約すると
世間の話には嘘が多い。初めの誇張が次第に決定的なものになってゆく。嘘もいろいろで、単純な嘘、たくらみある嘘、受け売りの嘘、好意ある嘘、皆が興じる嘘などがある。こういうふうに嘘の多い世だから、平凡なことを信じるに如(し)くはない。その点下賤(げせん。身分や地位が低いこと)な者より教養のある人の方が信用される。もっとも神仏や権者(ゴンジャ。仏・菩薩が衆生を救うため仮の姿であらわれたもの、権化)に関しては別だ。総じて世間の嘘に対しては要領よく応対するがよい。
論理の組み立ては
① 世に語り伝ふること~かはるものなり。
世間の話の虚妄性・虚構性を衝く。
② かつあらはるる~いとど定まりぬべし。
嘘の分類とその批判。
③ とにもかくにも~信ぜざるべきにもあらず。
嘘に対してとるべき態度。
④ これは、かくは~疑ひ嘲るべからず。
むやみに信じたり、逆に、猜疑したりない方がよい。
問1 仏神の奇特、権者の伝記
問2 5通り
(①「かつあらはるる~」、②「我もまこと~」、③「げにげにしく~」、④「我がため~」、⑤「皆人の~」ととらえる。)
問3 すぐ、根拠のないこととわかるやがて、浮きたることと聞ゆ
問4 自分にとって名誉になるようなうそを言われた人
(23字。直前「我がため面目あるやうに言はれぬる虚言」の「我」。)
問5(1)皆人の興ずる虚言
(2)そのうそがいよいよ事実というように決まってしまう。
1 いかにも本当とだまされるから。
(15字。よく知っていることとよく知らないことを正直に区別しているようにして話すうその例と考えられる。つい本当と信じてしまう。)
2 大体が本当らしく対応し、盲信的でもなく、懐疑的嘲笑的でもなく、程々に冷静に受け取っておいたらよい。
(49字。作者の態度は最後のところに述べられている。)
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