折節の移り変はるこそ
(徒然草 第19段)
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折節の移り変はるこそ(徒然草 第19段) exercise 解答/解説
解答
問1 イ こと古りにたれど ロ みえねど ハ 心ぼそから
問2 a かんぶつ c くいな d みなづきばらえ j ついな
b 加茂神社の祭礼(葵祭) e 秋の初めの台風
問3 f ハ g ロ h ハ i ロ
問4 ① それもなるほどもっともであるが
② 桜の花もしだいに咲きだそうとする、その大事な良い時に
③ 橘の花は、昔から懐旧の情を誘うものとして有名であるが
④ 言い古されてしまっているけれど
⑤ 今さらこと新しく言うまいと思うのでもない
⑥ 一体何事であろうか、ぎょうぎようしくわめきたてて
問5 夢中で走っている様子。
問6 前日までのあわただしいようすがぴったりと止んで、ひっそりと静まりかえっているから。
問7 春の景色を良いとしている。その理由は、秋の景色が静的・内省的なのに対して、春の景色は人の心を浮き立たせ、生き生きとした生の喜びを人間的に肯定する兼好の態度にかなうからである。(67字)
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解説
問1 イ…二段傍線④になる。 ロ…最終段にある。打消しの助動詞「ず」の活用、まだの人はinput。 ハ…二段2文目にある。形容詞の活用、まだの人はinput。問2 《略》
問3 重要古語です。古文の単語には、現代語と意味の変わらないもの、現代語にはないもの、現代語とは意味だけが異なるものがあります。現代語にはない、または意味だけ異なるものはやはりなじみ深いものではないため、なかなか覚えづらいものです。しかし、試験で問われることが多いのは、現代語にない単語(古文特有の語)や現代語とは異なる意味を持つ単語(古今異義語)です。大学入試では500~700語程度必要。定期考査や平常テストでそのつどインプットしていけば、後で楽。
問4 ①…「それ(代名)も(係助)さる(ラ変・連体形)もの(名)に(断・なり・用)て(接続助詞)」。「さるもの」は、もっともこと・そのとおりであることの意。
②…「けしきだつ」は、兆しが見えるの意、ここでは、咲きそうになるの意。「こそあれ」で係り結びに注意。
③…「花橘」は柑子(こうじ)のことで、特にその花を賞美するので花橘と言う。「名に負ふ」は「名を持つ・有名である」の意。「こそ~已然」の逆接用法にも注意。「さ月待つ花たちばなの香をかげば昔の人のそでの香ぞする」は、橘の花の香りをかぐと、昔親しくしていた人(恋人)が袖にたきしめていた香の香りがして懐かしいことだの意。
④…「こと古る」は、言い古されているの意。「に(断 なり 連用形)/たれ(存続 たり 已然)/ど(接続助詞 逆)」。
⑤…「いまさらに(副)/言は(ハ 未然形)/じ(打消意志 終)/と(格助詞)/に(断 なり 連用形)/も(係助)/あら(ラ 未然形)/ず(打消 終)」。この表現は二重否定の一種で、肯定の意となり、言ってもいいだろうという程度の意。
⑥…「ののしる」は、声高にものを言う・噂するの意。大晦日に忙しく駆け回っている様子。
問5 「足を空に惑ふ」は、足が空を向いているような状態を言い、非常に慌てふためくさまの意の慣用表現。
問6 「ひきかへ」は、今日、すなわち、元旦の空の様子が、昨日の空の様子にひきかえ」の意。「ひきかへ」は、すっかり変えるの意で、「昨日とすっかり様子を変えて、うって変わって」の意。「めづらしき」は「新鮮な、清新な」の意で、単に「珍しい、まれだ」の意ではない。
問7 内容を把握して、設問の趣旨に沿って七十字以内の制限で答える、記述式の難しい問いとなる。『徒然草』のなかには、『枕草子』とは違って、純粋な叙景文はまれ。そのわずかな叙景文に近いのが「折節の移り変はる」気色を描いたところである。春と秋の比較は、いうまでもなく「『もののあはれは秋こそまされ』と人ごとに言ふめれど、それもさるものにて、今一きは心も浮き立つものは、春のけしきにこそあんめれ。」というところである。ここで兼好は、春の気色の美しさを「心の浮き立つもの」として、秋の「もののあはれ(しみじみとした、静的で内省的な美しさ)」と対照的に強調し、生き生きとした生の喜びを人間的に肯定しているのである。
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