『徒然草』とは
兼好法師によって鎌倉時代終わりころに書かれた。『枕草子』(清少納言)・『方丈記』(鴨長明)と併せて日本三大随筆と言われている。
自然、社会、人間のありように対する思いを述べた随筆で、さまざまな角度から斬新(ざんしん)な感覚で切り込んだ作品。王朝文化へのあこがれ、有職故実(ユウソクコジツ。礼式・官職・制度などの由来など)に関する心構え、処世訓、自然美の新しい見方など、素材・対象は多彩を極めている。
仏教的無常観・老荘的虚無思想・儒教的倫理観が基盤にあるとされ、また、作者兼好法師は和歌四天王の一人に数えらたように、美的感受性にも優れている。

あやしうこそものぐるほしけれ
有名な序文ですが、もちろん謙遜の辞です。謙遜が自信の裏返し…ということもよくあることです。
ここで随筆文学の特筆が簡潔に語られているとも読めます。心に思い浮かぶさまを筆に任せて、①論理的な叙述や、②技巧を尽くした文章を排して語りかけるもの。そして、はしばしから筆者の美意識や価値観や人生観がうかがえるものでもあります。
あらためて、《古典の勉強》は次の三つの観点から取り組んで。
① 語彙力→ 現代語でも使われるが現代語とは違う意味を持つ語、現代では使われていない語、そのなかでよく使われる語です。同じ日本語であり、500~700語程度なので、英単語を覚えるのよりはるかに楽だ。小テストと定期考査の際、少しずつインプットしておくと後に楽。
② 文法力→ 単語と単語を結びつける法則。まずは、動詞・形容詞・形容動詞を確実にインプット。逃げない!
③ 古典教養→ 古い時代の政治・文化・制度・行事・宗教や価値観・美意識・嗜好など。古人の生きるベースになっていること。各作品の背景やバックグランドになっていることを、そのつど興味を持って。
※ 授業で現代語訳をノートすることを勉強だと思ったり、現代語訳を覚えることをテスト勉強と思う、そんな勉強はしないでね。①②③の観点から着実に勉強。古典を得意で好きな科目にしてください !!!
問1 (ア)(「つれづれなる」で一語ととらえる。ナリ活用の形容動詞の語。)
問2 心(という鏡)に次から次へと浮かんでは消えてゆくつまらないこと
(「うつりゆく」は「…にうつる」の形から「心」を鏡に見立て「映る」と表現していると解釈した。「移る」と解釈する立場もあり両者の解釈を問う問題も出題されます。)
問3 妙に 不思議に 変に(理屈では説明しかねる、不審なさま)
問4 こそ(文末の「ものぐほしけれ」=已然形の係りとなる係助詞)
問5 書きつくれ(「書きつければ」の表現で、「ば」は前後の「…書き付けていると」というコンテクストから確定条件となり、直前の語は「書き付く」(カ行下ニ)の已然形となる。)
問6 兼好法師(吉田兼好) 随筆 鎌倉時代
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