悲報到来(建礼門院右京大夫集)~平家の公達との悲恋 もっと、深くへ !

 悲報到来 

(建礼門院右京大夫集)


建礼門院右京大夫集とは

 平安末期、高倉天皇の中宮建礼門院(平徳子。こちらを)に仕え右京大夫(うきょうのだいぶ)とよばれた女房の家集。作者の父藤原伊行(これゆき)は、書・(こと)の名手、著書に『源氏物語釈(しゃく)』がある。母夕霧は琴(こと)弾きとして著名だった。

 「建礼門院右京大夫集」は、晩年の作者が、『新勅撰和歌集』撰進のおりに藤原定家(ていか)から、編纂(へんさん)資料として作品の提出を求められたもの。

 内容は平家一門の栄耀(えよう)、源平争乱、平家壊滅という時代的な悲劇を背景とした作者と平資盛(たいらのすけもり こちらを)との恋愛が主軸で、公達(きんだち)との生別死別の悲嘆に耐えて乱世を生きなければならなかった心情の詠出350余首(贈答歌を含む)が、長文の詞書(ことばがき)でつづり合わされ、ここに作者の生涯の軌跡をたどることができる。



なんともことばにできない悲しさ

 資盛様の悲報を耳にして、あらかじめ覚悟していたことだが、茫然自失としているだけだった。涙がとめどどなく流れるので、夜具をひきかぶって、思いのまま泣き暮らした。何とか忘れようと思ったが、面影が身にそい、資盛様のことばが聞こえるような気がして忘れられない。天寿を全うして死ぬことでさえ悲しいことと思われるが、まして資盛様が若くして死を遂げた悲しみは、現実には前例がない「夢」のようなことだ。

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悲報到来(建礼門院右京大夫集)解答(解説)

問1 命にて(最終の文に「限りある命にて…」とある。)

問2 a…茫然と  c…夜具を引き(頭から)かぶる

   b…遠慮される  d…意地が悪い

問3 e…こそ (「こそ~已然形」の逆接用法に気づく。ここでは「思へ」が已然形。 ) f…し・無常

問4 ①…平資盛の死

   ②…気分が悪い

   ③…なんとか(どうにかして)現実を忘れよう

問5 Ⅰ…資盛の面影がちらつき、言葉一言一言が聞こえる気がする

   Ⅱ…最愛の人が若くして非業の死を遂げるような悲しい体験をすること

問6 けんれいもんいん(の)うきょうのだいぶしゅう  鎌倉時代

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