A 顔は特殊な部位
後ろ姿を見て知人だ思いこんで声をかけたところ、振り向いたその人の顔を見てまったく別人だと分かり、気まずい思いをしたという経験はありませんか? 顔=その人というように、身体の中で、顔はほかの部位とは違って、私自身とも言える特殊な部位であるという考え方に納得できましたか?
B 独特な論理の展開のしかたを理解しましょう
①【 身体と対照になるのは精神ではなく物体である 】
↓
②【 身体は透明なものであったり、不透明なものになったりする 】⇏a.Q 解答例を参照
↓
③【 わたしは身体を持つともいえるし、わたしは身体であるともいえる 】
↓
④【 身体はその皮膚を超えて伸びたり縮んだりする 】
↓
⑤【 身体は像やイメージとしてしか捉えられない不確かなものだ 】
いったん結論づけたことを敷衍(ふえん)しながら、さらに次の結論へ、さらに次の結論へ…と動的・階層的に論を組み立てていく「脱構築」(仏: deconstruction 英:deconstruction)タイプの文章の読み取りに慣れ親しんでおいて。
C 脱構築とは(こちらを)
※本文は、鷲田清一「普通を誰も教えてくれない」に収められているもの。1999年の東京大学入試(前期)で出題されているんだけど、「現代文最新蛍光LABO 斎藤隆」というブログで解説してありますので、リンクしてみてください。
身体、この遠きもの 問題解答(解説)
問1 自由にすることができない
(次文に、同義となる「随意に使用しうる」が、対義となる「自由にすることができない」とある。)
問2 解答例…ある局面では自分の意のままに使用できるが、ある局面ではじぶんの自由にならないという不思議なあり方。
問3 解答例…身体は変化したり記憶したりする時間的な現象であり、かつ、その皮膚を超えて伸びたり縮んだりするものである。(43字)
問4 解答例…他人がわたしと認めてくれるそのじぶんの顔をじぶんでじかに見ることはできず、他人の反応を介して想像ないしは解釈するしかないものだから。
(直前の2文をまとめることになります。)
問5 解答例…じぶんの身体のプロポーションが基準にかなっているか、顔がおかしくないか、色はどうか、髪は薄くないかなどと、わたしたちは容貌に悩むことがよくあること。
(あるいは、「身体の外見を過剰なくらいに飾ることもあること」。あるいは、「ある固定観念に金縛りになって、なかなか抜けだせないこともあること」でも可、字数による。「ぎくしゃくと」とは、スムーズにいかないさま。ここでは、直前の段落に「わたしと身体との関係が、わたしが抱く身体のイメージや観念を通して、「もつれたりかたよったり、硬直したりする」ともあり、この段落に着目して、具体例を見るのが適当。)
a.Q
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