ゆく川の流れ(方丈記)もっと深くへ !

ゆく川の流れ

「方丈記」

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方丈記とは

 鎌倉時代前期鴨長明(かものちょうめい)によって著わされた随筆。平安時代は女房文学の時代とされ、中世は隠者文学(いんじゃぶんがく。こちらを)の時代とされるが、その隠者文学の代表的作品とされる。清少納言の「枕草子」兼好法師の「徒然草」とともに三大随筆とされている

 仏教的無常観こちらを)を基調に、大風・飢饉(ききん)などの不安な世情(せじょう)や、日野山(ひのさん)に閑居(かんきょ。世俗を離れ、心静かに暮らすこと)した方丈(ほうじょう。一丈=約3m四方)の庵(いおり。質素な小屋のこと)での閑寂(かんじゃく)な生活を、簡明な和漢混交文こちらを)で描いています。


独特な文体の創出

 和漢混交文体こちらを)で書かれているといわれますが、この「ゆく川の流れ」では、漢語は「無常」だけ。しかし、「ずして」「あらず」「かくのごとし」のような漢文訓読的な言い方と、「ゆく川の流れ」「よどみに浮かぶうたかた」「たましきの都」のような和歌的表現とが混在する独自の文体で書かれています。また、和語を用いた対句表現こちらを)を多用したり、五音・七音を散りばめたりして独創的な文体で書かれています。


 この世の「人とすみか」の常住(変化したり消滅したりせずに永遠に存在すること)の相と無常の相を問題にしながら、個々人の人生の一回性の自覚へと目を向けさせるともいえる作品です。

ゆく川の流れ(方丈記)原文/現代語訳はこちらへ。


【三大随筆】方丈記|鴨長明 
~災いと欲望とストレスが渦巻く世界を、どう生きるか~



ゆく川の流れ  問題解答/解説   

問1①川の流れ  うたかた

問2(1)のき  いらか

  (2)作れり  残れり(2段2文目と最後から3文目にある。)

問3③同じ家がずっとある(直前の内容を簡潔にまとめる。)  ④

問4⑤かつ消えかつ結びて(9字。1文目。)

問5(1)生まれ死ぬる人

  (2)

問6 擬人法

問7 無常。すべての物は変化し続けて、不変ではないこと。(説明は22字)

問8 随筆 鎌倉時代 鴨長明




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