小柴垣のもと/日もいと長きに(源氏物語/若紫) exercise

「源氏物語」

  小柴垣のもと/日もいと長きに 

 1/2 2/2  

 exercise 



小柴垣のもと/日もいと長きに(若紫巻)1/2 原文/現代語訳はこちら

小柴垣のもと/日もいと長きに(若紫巻)2/2 原文/現代語訳はこちら

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小柴垣のもと/日もいと長きに 1/2 exercise解答例

問1(1)霞む (2) (3)

問2ア 腹立つ  イ 大人  ウ 行ふ  エ さいなむ  オ あてなり   カ 後見

問3a にしおもて  c よそじよ  i めのと

問4 据う

問5e に  f るる  h ぬる  j める  m 

問6d イ・ヌ・チ    ハ・ヘ・ホ)  k ロ・ニ・ホ  l ロ・チ・ト

問7① とても将来美しくなるであろうと想像されて、かわいらしい容貌だ  

  ⑤ 成長していく先の様子を見届けたい人だなあ

問8 光源氏が「女子」を「尼」の顔に似ているところがあるので

問9③(1)見つくれ

   (2)烏なんかが見つけたら大変だわ

  ④(1)なんとまあ、幼稚なことよ

   (2)飼っていた雀が逃げたと言って泣いているから。


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小柴垣のもと/日もいと長きに 1/2 exercise 解説

問1(1) 同じものを、春には「」、秋には「」と呼びます。ここでは動詞の「霞む」の連用形が使われている。

 (2) 「尼君」は「のうつくしげにそがれたる」、「女子」は「は、扇を広げたるやうに」、「大人」は「ゆるるかにいと長く」と注目されています。

 (3) 「尼そぎ」の髪型。

問2 「腹立つ」は、立腹する・けんかするの意。「大人」は年配の女房の意で、若い女房は「若人(わかうど)」と言った。「行ふ」「勤む」には、勤行する・仏道修行するの意がある。「さいなむ」は、責める・叱るの意。「あてなり」は、高貴だ・上品だの意。「後見」は、後見人・お世話をする人の意。この機会にインプットしてください。

問3 基本知識、点取り問題として出題される。

問4 ワ行下二は「飢う」「植う」「据う」の三語、必暗記。文意から「据う」。

問5 文意と接続から考えます。
   まず、あげられている助動詞の意味・接続を頭に入れて起きます。
     ⬇ ⬇ ⬇
    なり=断定・体言など/伝聞 推定・終止形  む=推量 意志など・未然
    り=完了 存続・四の已かサ変の未  ぬ=完了 強意・連用  る=受身 可能 尊敬 自発・未
     ⬇ ⬇ ⬇
 文意に沿って、どの助動詞が適当か、下に続く語にも注意して確定します。

   … 「十歳くらいであろうか」という文意、「にや(か)~あらむ」の対応から断定「なり」の連用形「に」と確定。「ばかり」に接続していることにも矛盾しない。
   … 「叱られる」とい文意から、受身「る」、「こそ」に接続するため連体形「るる」と確定。「さいなむ」の未然形に接続していることにも矛盾しない。
   … 「すずめはどこへ逃げって行ってしまったのか」という文意から完了「ぬ」、「か」の結びとなり、連体形「ぬる」と確定。「まかる」の連用形に接続していることにも矛盾しない。
   … 「小柴垣のもと」から見ていると、直前の会話文は「乳母」が言っているように見えるという文意から推量「めり(視覚的推量に用いられることが多い)」、「は」に接続するため連体形「める」と確定。「言ふ」と終止形に接続していることにも矛盾しない。
   … 「似申し上げている」という文意から存続「り」。「奉る」の已然形に接続していることにも矛盾しない。

問6 敬語の用法=誰から誰へをとらえる← 重要

   〇 誰から 地の文作者から

           会話文・手紙文話し手から・書き手から

     〇 誰へ  尊敬語動作主

         謙譲語行為の受け手

         丁寧語読み手・聞き手

   d… 「給ふ」は尊敬語、地の文だから作者から、「見」の動作主=光源氏へ敬意を表す。

   g… 「まかる」は本来は行ク・来の謙譲だが、ここのように丁寧の用法もあり、「大人の」の会話文だから「大人」から、聞き手=「少女」(さらに、「尼君」。ここは「大人」の特に誰に向かっていうではない愚痴の一種で、この目の前の「少女」、また、主人格の「尼君」へととらえました。)へ敬意を表す。

   k… 「聞こゆ」は言フの謙譲語、「尼君」の会話文だから「尼君」から、聞き手=「少女」へ敬意を表す。

   l… 「奉る」は謙譲語、光源氏の心中語だから光源氏から、「似」の受けて=藤壺へ敬意を表す(「少女」が藤壷に似ているという文意)。

問7①「生ひ先」は、成長していく先・将来の意で、ここでは成人してさぞ美人になるであろうということ。「見ゆ」は、見える・想像されるの意。「うつくしげなる」はかわいい、「かたち」は容貌の意。

  ⑤「ねびゆく」は年をとる・成長するの意。「ゆかし」は現代語と意味が異なり、見たい・聞きたい・知りたいの意の重要古語。

問8②直前「尼君の見上げたる(その顔に)に、(「女子」の顔が)少しおぼえたる(似ている)ところあれば」とある。「おぼゆ」は、思われる・思い出される・似るの意の重要古語。ここは光源氏の垣間見の場面、将来正妻となる人紫上を初めて見出す。少女は尼君の子であるようだと推測しているが、後に、孫であることがわかる。

問9③(1)「見つける」の古語は「見つく」、たとえば「落ちる」の古語は「落つ」であるように、上ニ・下ニの活用には注意。「見つく」「落つ」の活用スラスラ言えますか?

   (2)「もぞ」「もこそ」は危惧・懸念の気持ちを表す。~スルトイケナイ・シタラ大変ダ

  ④(1)「をさな」は「幼し」の語幹。〈いで〉+形・形動の語幹+〈や〉=感動・詠嘆表現 

(2)直後にも「雀慕ひ給ふほどよ」とある。

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 小柴垣のもと/日もいと長きに 2/2 exercise 解答例 

問1(1)をさなし  (2)見捨て奉らば

問2a 膝をついて座る  b かわいい  c 子供っぽい  f 他愛もない

  g 心配だ  h 先立たれる o 見苦しい  p 盛んに評判が立つ 

問3d   e るる  i 

  j おはしまし  k 給ひ  l はべり  m まうで  n のたまへ q 聞こえ 

問4① あなたの年頃くらいになると、ほんとうにこんなに子供じみていない人もあるものですのに

② 「若草」と「露」(と「生ひ立た」)、「露」と「消ゆ」が縁語になっている。さらに、「若草」は「少女」の、「露」は「尼」の比喩である。

③ どうしてあなたは死ぬなんて気弱なことをおっしゃるのですか。

問5(1) 拝見なさったらいかがですか

  (2) 「奉り」は「僧都」から「源氏の中将」へ敬意を表す謙譲語であり、「給は」は「僧都」から「尼」へ敬意を表す尊敬語である。

問6 平安時代 紫式部 彰子


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 小柴垣のもと/日もいと長きに 2/2 exercise 解説 

問1(1)「をさな」は「幼し」の語幹。〈いで〉+形・形動の語幹+〈や〉=感動・詠嘆表現

  (2) 奉ら(ラ行四段「奉る」の未然形)+仮定条件。~タラ・ナラ。「奉ら」は補助動詞なので、「見捨て奉らば」を一文節とします。

問2 a「ついゐる」…「つい」は「(膝を)つき」のイ音便、「ゐる」は座る。b「らうたげなり」…かれんでかわいい/いとしいの意。c「いはけなし」…あどけない、子供っぽいの意。f「はかなし」…頼りない/なんということはない/他愛もない・幼いの意。g「うしろめたし」…気がかりだ、しんぱいだの意。h「おくる」…後に残される/死に遅れるから、先だ立てるの意。o「あやしき」…不思議だ、変だ/みすぼらしい、見苦しいの意p「ののしり」…大声で言い騒ぐが元の意。盛んに評判される/威勢が盛んになるの意。ピンク文字は頻出する基本古語です。

問3  まず、あげられている助動詞の意味・接続をインプットしておきます。 
  ず(打消・未然形接続)  き(過去・連用形接続)  つ(完了/強意・連用形接続)

  る(受身/尊敬/可能/自発・未然形接続)  り(完了/存続・サ変の未然 四段の已然形接続)

  たり(完了/存続・連用形接続、または、断定・連体形/体言接続)


    接続と前後の文意を合わせて絞っていきます。 
 d… 「奉れ」は四段の已然か命令で「り」を選べる、「存続」で文意が通じる、「が」に続くので連体形の「る」と確定。

 e… 「まもら」は四段の未然で「ず」か「り」となり「自発」で文意が通じ「る」、断定の「なり」に続くので連体形の「るる」と確定。

 i… 「給ひ」は四段の連用で「き」か「つ」か「たり」となり「過去」で文意が通じ「き」、「ほど」に続くので連体形の「し」と確定。


    まず、あげられている敬語の意味・敬語の種類=敬意の方向をインプットしておきます。 

  のたまふ(言フの尊) まうづ(行ク・来の謙)  聞こゆ(言フの謙)

  おはします(有リの尊)  はべり(有リの丁)  給ふ(尊)


    前後の文意と敬語の種類=敬意の方向を合わせて絞っていきます。 

 … 「尼」が「端近くに」いる意、「尼」に敬意を表すため尊の「おはします」となり、「ける」に続くので連用の「おはしまし」と確定。

 … 「源氏の中将」が来たの意、「源氏の中将」に敬意を表すため尊敬の補助動詞「給ふ」となり、「けり」に続くので連用の「給ひ」と確定。

 … 自分=「僧都」がここにいるの意、聞き手「尼」に敬意を表すため丁寧の「はべり」となり、「ながら」に続くので連用の「はべり」と確定。

 … 自分=「僧都」がご機嫌伺いに行くの意、「源氏の中将」に敬意を表すため謙譲の「まうづ」となり、「ざり」に続くので未然の「まうで」と確定。

 … 「僧都」が~と言うの意、作者が「僧都」に敬意を表すため尊の「のたまふ」となり、「~と言うと」と確定条件にするため已然の「のたまへ」と確定。

 … 挨拶を言うの意、「源氏の中将」に敬意を表すため謙の「聞くこゆ」となり、「む」に続くので未然の「聞くこえ」と確定。

   ここであげられている敬語、頻出する重要敬語。必暗記。


問4①…「かばかり」はこれくらいの年頃の意、「女子」の年齢は十歳くらいと述べてある。「かからぬ」は、こんな風ではないの意、直前の「はかなう」、前段の「をさな」「言ふかいなう」ではないさま。
  ②…《略》 できなかった人、解答を見て理解してください。
  ③…《略》 できなかった人、解答を見て理解してください。

問5 (1) 「見(上一動・用)奉り(補動・謙)給は(補動・尊)む(助動・勧誘)や(係助・疑問)」。む(助動・勧誘)は、~タラドウカ・ノガヨイ。

(2) 「僧都」が「源氏の中将」にも「尼」にも敬意を表すため「奉り(謙)+給は(尊)」という言い方をしているのです。二方面に向ける敬語と呼ばれています。

問6 《略》

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源氏物語団扇画帖」第五図『若紫』

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