道長と隆家
(大鏡)
exercise
道長と隆家(大鏡)exercise 解答/解説
解答
問1 a 尊敬・る b 完了・り c 受身・らる
d 歓待する (手厚くもてなす)
問2① やはり物足りないなあ
② きちんとなって (居ずまいをただして)
③ 興がさめてしまいそうです
問3 エ
問4 ⑤は、強意(完了)の助動詞「ぬ」の未然形「な」に、推量の助動詞「むず」の終止形「むず」がつづくもの。⑥は、強意(完了)の助動詞「ぬ」の未然形「な」に、勧誘(適当)の助動詞「む」の終止形「む」がつづくもの。
問5 ⑤「奉ら」は謙譲の補助動詞で、語り手が隆家に敬意を表す。「せ」は尊敬の助動詞「す」の連用形、「給ふ」は尊敬の補助動詞、「せ給う」で最高敬語と呼ばれ語り手が道長に敬意を表す。
問6 道長が直々に隆家の衣服の紐を解くこと。(一九字)
問7 自尊心の強い人(七字) 〔別解〕誇り高い人(五字)
解説
問1a…「候は」はハ行四段の未然形、未然形に続く「るる」は受身・尊敬・可能・自発の(「るる」は連体形)、ここでは文意から尊敬。
b…「給へ」はハ行四段の已然か命令、已然か命令に接続する助動詞は「り」(「る」は連体形)、文意から完了。「給へ」は已然ということになる。
c…「むず」では推量・意志の助動詞ととらえられる。「な」は「むず」に続くので未然形、完了の助動詞「ぬ」となる、ここでは強意の意味。
d…「もてはやす」は、もてなす、饗応する、厚遇するの意の動詞の語。
問2①…「なほ」は副詞で、やはりの意。「さうざうし」はシク活用の形容詞で、「寂寂し」が語源の語、「飽き足らずさびしい」が原義。「こそ」の結びで「さうさうしけれ」(已然形)。
②…「うるはし」は形容詞で、きちんと整っているさま、ここでは、居ずまいを正してまじめな態度になるの意。
③…「こと」は事件。ここでは、望ましくない事態を言う。「なむず」は、強意(完了)の助動詞「ぬ」の未然形「な」に、推量の助動詞「むず」の終止形が続いたもの。推量のカテゴリーの助動詞に続く、完了の「ぬ」「つ」は強意・確述の意となることが多いことも知っておく。「むず」は「んず」とも表記され、「む(助動詞)」+「と」+「す(サ変動詞)」が約まったもので、「む」と同じ意味で使われた。
問3 格下の人間に帯を解かれることを侮辱と思い、天下人の道長に直接解いてもらうとご満悦になっている。「身分」がキーとなり、エが正解。
問4⑤…直前の「来」は、未然形なら「こ」か、連用形なら「き」と読むことになるが、(ひと騒動)起こるだろうという文意から連用形。強意の助動詞「ぬ」の未然形「な」+推量の助動詞「む」
⑥…直前の「あり」はラ変動の連用形、よって、強意(完了)の助動詞「ぬ」の未然形「な」に、勧誘(適当)の助動詞「む」の終止形「む」がつづくもの。
問5 敬語の用法【①敬語の種類と②敬意の方向(誰から誰に)】を理解しましょう。
① 敬語の種類…尊敬・謙譲・丁寧。教科書などででてきたものから憶えていきましょう。
②誰から誰に(敬意の方向)
誰から 地の文→作者から
会話文・手紙文→話し手から・書き手から
誰へ 尊敬語→動作主へ
謙譲語→行為の受け手へ
丁寧語→読み手・聞き手へ
「奉ら」は謙譲語、帯を解くの受け手「隆家」に敬意を表す語。「せ給ふ」は二重尊敬(最高敬語)で、帯を解くその動作手「道長」に敬意を表す語。
問6 『入道殿、うち笑はせ給ひて、「…道長解き奉らむ。」とて、寄らせ給ひて、はらはらと解き奉らせ給ふに、「 ⑧これらこそあるべきことよ。」とて、御けしき直り給ひて』から考え、制限字数でまとめる。
問7 「隆家は不運(=不遇)なることこそあれ、そこたちにかやうにせらる(=公信ごときに帯を解いてもらう)べき身にもあらず。」と不機嫌になったが、天下人の道長に直接解いてもらうとご満悦になっていることから考える。七字以内。プライドの高い人。
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