多木 浩二
世界中がハンバーガー
exercise
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世界中がハンバーガー(多木 浩二)exercise 解答/解説
解答
問1a 浸透 b 携 c 示唆 d 煩 e 増殖
f 規格 g 希薄 h 兆候 i 影響 j 破壊
問2① 圧倒的な影響力を与えること (14字)
③ ハ ④ ニ ⑤ イ ⑥ イ ⑦ 宮廷社会でのバンケット
⑧1 徹底した食生活の簡便化を好む ⑧2 家族の絆の希薄化
⑨ 巨大なネットワーク (9字) ⑩ ウ ⑪ エ
⑫ 世界のどの ~ に遭遇する
問3A 世界各地の都市では、やはりその都市固有の施設で、その都市固有の料理の味を味わいたい。
B コンビニでは冬におでんを販売するなど、季節によって商品を変えている。(日本のコンビニでは、おにぎりやすしの弁当など日本特有の商品を販売している。/地域によって品揃えが違っている。)
C 毎日の食事が、公的な饗宴としての意味や、一家がそろって会食する儀礼的な意味を持っていた、ということ。
D コンビニでしばしば買い物をするのと同じように、多くの食事をファースト・フードで済ませるわけではない。
E 多くの人々の考え方や行動に多大な影響を及ぼす点。
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解説
問1 漢字をないがしろにしないで、確実に得点できるジャンルです。高校を卒業したら漢字の書き取りなど誰もやってくれません。今のトレーニングが一生の漢字力筋力となります。
問2① もともとは「席(むしろ)を巻くように、片っ端から土地を収め取る」の意。
② 直前の「ネーションを超えた世界的な力」、後にある「ネーション・ステートを超えて広がる」に着目して考える。「まだ見ぬ自由諸国への憧憬」の「自由諸国」もヒントになる。同段落の「資本が商業の形態をとりながら文化の様式を携えて世界を均質化する」の「資本」となる。「資本」は「国家」を超えてその増殖を目指すもの。「自由諸国」とは資本主義諸国と考えられていた。
③…「二十世紀の歴史を考える際に」と「アメリカナイゼーションという、ネーション・ステートを超えて広がる文化の波及は…無視できない」とを結ぶ接続語。「もはや」とは、今となってはの意。
④…「それは決して味覚の問題ではなく」と「まだ見ぬ自由諸国への憧憬とでもいうべきものが作用した」とを結ぶ接続語。「むしろ」とは、どちらかを選ぶとすればの意。
⑤…「…だけではなく」、その上にというコンテクスト。「さらに」とは、その上にという意。
⑥ア 「以前」が話題にされているのであって、「現代社会」について述べてあるこの文は不適。
ウ 「 毎日の食事の場だけが」は本文と不一致。
エ 「生命を維持するという目的だけではなく、協調性を育てる意味もあった」は不一致。
オ 一文全体が、本文とは無関係。
イ 「公的な饗宴としての意味」「儀礼的な意味」はキー・フレースでもある。
⑦この段落では「宮廷社会」での共食の持つ意味が話題にされている。字数から「宮廷社会でのバンケット」ということになります。
⑧1 「ファースト・フード」が広まった背景として、前前段に「気軽さを好むようになった」、前段に「徹底した食習慣の簡便化を好む」、さらに次段に「食事を簡便に済ませることを望んだ」と類似する主張が繰り返されている。14字の指定に合致する箇所。
2 「ファースト・フード」が広まった背景として、「家族の絆が緩」んだからということは前前段落でいったん否定されているが、この段落で「その絆の希薄化と無関係でない」とされている。
⑨「世界的な規模にまで広がった…網目」→「ネットワーク」と連想できます。
⑩「遊民」の辞書上の意味は「特定の国籍や文化に所属しないような人々」ということ。文脈上の意味は、直前の「かつての食の内容からみると、貧困としか言いようのないメニューに慣れること、あえて社会的関係を破壊しようとしないでも」に着目して理解する。「貧困としか言いようのないメニューに慣れ」とは、食文化の無国籍化ということになり、「あえて社会的関係を破壊しようとしないでも」は、「遊民になっていく」=破壊されていく=バラバラに孤立した個人になっていく、という論理のようです。
ア 「新しい家族関係が誕生しつつある」が不一致。
イ 「食文化を追究する」、「世界各地の都市を旅する」は不一致。
エ 「食生活の都市化」は不一致。
⑪「我々自身をいつのまにか世界化している」とは、自分自身を世界的な規模にまで広がった網目に組み込んでいること。選択肢を考える場合、「感覚的な影響」「…世界のどの都市に行っても、同じ看板、同じ内装、同じメニューのファースト・フードに遭遇する…世界へのくまない分散によって都市の同質性を知覚からしみ込ませている。」という表現で言わんとしていることが何かを考えます。世界の多くの都市にマクドナルドもケンタッキーもサブウエイの店舗があり、ごくふつうにそれを食べる…それを当たり前のように思うようになっている! なぜ当たり前と思うのがおかしいの…? 問3Aと関連します。
⑫ ⑪と同じ、字数に合致する箇所。
問3A「さ(使役の助動詞)+れる(受身の助動詞)」。「味わことができる」(可能)ではなく、「味わされる」(使役+受身)という言い方には、ありがた迷惑の否定的ニュアンスがあることに気づく。「世界中のどの都市に行っても、同じ施設に出会い、同じ味のハンバーガーを味わわされる」の文中の「世界」「都市」「施設」「味」「味わう」を使って説明するのが無難でもあり、正解から外れることも避けられる。
B マックのメニューとコンビニの商品を思い浮かべると明らか。advnced Q.1
C 前段落とこの段落では、「食事」の持つ「意味」とその衰微が論じられている。論旨が読み取りにくい。「ヨーロッパの場合、かつての宮廷社会でのバンケットの豪奢からも、一家族がそろってテーブルについて食事をする市民的儀礼からも完全に脱出している」「公的な饗宴の意味を希薄にしていく」に着目して解答しています。
D 硬質な言い回しで分かりにくい。ファースト・フードとコンビニの利用頻度を述べている。コンビニではよく買い物するけど、それに比べればマックにはそんなに行かない(…ヒトによるのでは…?とは思うんだけど)。
E 「メディア」とは、ここではマス・メディア、すなわち新聞・テレビ・ラジオ・雑誌のこと。人々はこれで楽しんだり、ニュースを知ったり、新しい情報に触れたり、時にはいろいろなことを刷り込まれたりして、判断したり行動したりする時多大な影響を受けている。巨大なネットワーク・帝国となったファースト・フードも同様な影響力を持って店舗に入らせ注文させ食事行動とらせるようにしているという主張です。
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世界中がハンバーガー(多木 浩二)もっと、深くへ ! 問題解答(解説)
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