村上の先帝の御時に
(枕草子)
exercise
村上の先帝の御時に(枕草子)exercise 解答/解説
解答
問1 a べき b 言ひがたき c こそ
問2(1)A ウ B イ (2)イ
問3 (1)(1)だれ=村上の先帝 何=「雪・月・花の時」
(2)最憶君
問4 (1)あれはなんの煙か、見て来い。 (2)奏す
問5 (1)「沖」「漕ぐ」「海人(あま)」「釣り」が「わたつ海の」縁語。
(2)「漕がるる」と「焦がるる」 「帰る」と「蛙」
(3)燠に焦がるる物見れば蛙なりけり
問6 をかしけれ
解説
問1 係り結びの法則の問題です。理解がまだ曖昧の人は文法テキストを開いてインプット。
a 文中に係助詞「ぞ・なむ・や・か」がなくても、疑問・反語の副詞「いかが」「いかに」「いかで」「なに」「など」が用いられる場合、連体形で結ぶ。係り結びの応用編です。ここでは助動詞「べし」の連体形「べき」となる。「べかる」は不可。
b 直前の「こそ」の結びとなる。「言い難し」はク活用の形容詞、已然形は「言ひ難けれ」。
c 直後の文末「をかしけれ」は形容詞「をかし」の已然形なので、係り結びと考える。よってcは係助詞「こそ」。
問2
(1) A 「に」は対象を示す格助詞だが、ここでは「雪・月・花」について歌を詠むことをめぐっての話題に続いていくことから考える。ウが正解。
B 「世の常」は、「ごくふつう」/「平凡すぎる」の意で、否定的な評価に用いられることが多い。ここでは「歌を詠め」と命じられたが、漢詩文の一節を答えたことをほめるコンテクスト。イが正解
(2)(1)と関連。「歌を詠め」と命じられたのに「雪月花の時」と漢詩文の一節を答えたことへ、帝から「いみじうめでさせ給ひけれ」とお褒めの言葉があった。歌よりももっとすばらしい応え方があったら、歌に固執しない柔軟な対応ができる「兵衛の蔵人」の才能に驚き感心している。イが正解。
問3(1)「させたまひ」は最高敬語、ここでは帝へ敬意を表すもの。「何を」は、「兵衛の蔵人」が答えた漢詩の一節を、となる。
(2)「雪月時」の直後の詩句「最憶君」を暗に伝えようとしている。帝への尊崇を婉曲に言うもの。
問4(1)かれ〈名 アレの意〉/は〈係助詞〉/何〈名〉/ぞ〈終助 念押し〉/と〈格助〉/見よ〈動 マ上一 見る 命〉。あれは何の煙か確かめよ、の意。
(2)「仰す」は言フの尊敬語、言フの謙譲語は「申す」「聞こゆ」「奏す」「啓す」、ここでは帝に申し上げるの「奏す」。どちらも作者が最高の身分の方である帝に敬意を示すために用いている語。
問5 和歌の修辞法〈縁語〉〈掛詞〉〈枕詞〉〈序詞〉が曖昧な人は、文法テキストや便覧で確認してインプットしてください。(1)(2)は略。
(3)「あれは何の煙か確かめよ」の回答となるもの。結末に「蛙の飛び入りて焼くるなりけり」とある。歌中の「赤くおこっている炭火の燠に焦げているのを見たら、それは蛙でした」ということになる。正解は「燠に焦がるる物見れば蛙なりけり」。
問6 「歌を詠め」といわれたのに、漢詩の一節で答える柔軟で風雅な対応、さらに、火櫃から立ち上る煙について、縁語・掛詞仕立ての知的で高度な歌で報告している、筆者はその当意即妙さに感心して書きとめているのである。おもしろい、風情があるの意の「をかし」だが、ここでは「こそ」の結びとなっていて「をかしけれ」が正解となる。
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