兼通と兼家の不和
(大鏡)
exercise
兼通と兼家の不和(大鏡)exercise 解答/解説
【1】
解答
問一 a かぶり(こうぶり/かうぶり)
問二(1) エ (2) ことわり
問三(1) 堀河殿(兼通) (2) 長年奉公していた者。 (3) エ
問四(1) 危篤の状態(臨終の状態) (2) 病気見舞い (3) イ
問五 弟兼家が見舞いに来たのかと期待をかけた兼通の人のよさ(おめでたさ)。
問六(1) つれ (2)薄情だ [別解] 不人情だ
(3)官位の劣りまさり
問七 あさまし・心憂し
問八 「候ひ」は、「侍」が帝に敬意を表す「伺候する」という意の謙譲語。「給ひ」は、「侍」が東三条殿に敬意を表す尊敬の補助動詞。
解説
問一a…「冠(冠)」のこと。b…「公達」とも書きます。親王・摂家・公卿の息子や娘の意。ここでは勿論「むすこ」たち。
問二(1)「ひがこと」とは、まちがい・あやまち。ここでは、理屈が通らないことで、エが正解。
(2)「侍」は、堀河殿が本来は関白職を東三条殿に譲るつもりであった、と理解していたことが3段落冒頭にある。死に瀕しているのに見舞いにも来ない弟東三条殿に立腹して、いとこの頼忠に譲ったことはもっともなことだとしている。正解は、2段落冒頭にある「ことわり(道理が通っている・もっとものことだ)」。
問三(1)この後、堀河殿の事情が詳しく語られる。「侍」の「祖父親」は、堀河殿に仕えていた。
(1) 「年ころ」は数年・長年の意。「年ごろの者」とは、具体的には堀河殿に長年仕えた者。
(3)「承り」は聞くの謙譲語。「承り」の受け手「祖父親」に敬意を表すととらえる。正解はエ。
問四(1)「今は」=「今は限り」とは、今となってはおしまい、つまり、臨終・危篤・死に際のこと。
(2)「とぶらふ」は、訪れる/見舞う/探すの意。ここでは、文脈から「病気見舞い」。
(3)「にか/にや/にぞ」・「にこそ」の結びの省略。「あら+め(推量の助動詞・む・已然)」
問五 「をこがまし」は、ばからしい・まがぬけているの意。「堀河殿」が、「年ごろ仲らひよからずして過ぎつるに、今は限りになりたると聞きて、とぶらひにおはするにこそは。」と理解したことを、家臣たちは「をこがまし」と思っているだろうという文脈。解答欄のスペースを見て求められているボリュームの解答にまとめます。
問六(1)「こんな性格だからこそ、年来不仲で通してきたのだ」とい文脈から、完了の「つ」、「こそ」の結びになるので「つれ」が正解。
(2)兄弟が危篤の状態になっても見舞いにも来ない兼通の薄情な性格。← HP Advance Q
(3)前段に「年ごろの官位の劣りまさりのほどに、御仲あしくて過ぎさせ給ひし」とある。
問七 「形容詞…二つ」から、二段落結末あたりの「あさましく心憂くて」に着目、終止形にする。
問八 次の敬語の用法【①敬語の種類と②敬意の方向(誰から誰に)】を理解しましょう。
①敬語の種類…尊敬・謙譲・丁寧。教科書などででてきたものから憶えていきましょう。
②敬意の方向(誰から誰に)
誰から 地の文→作者から
会話文・手紙文→話し手から・書き手から
誰へ 尊敬語→動作主へ
謙譲語→行為の受け手へ
丁寧語→読み手・聞き手へ
【2】
解答
問1 a じもく b くろうどのとう
問2(1) 東三条殿を断じて関白にはさせないぞという決意と憤り。
(2) 堀河殿はすでに亡くなったと聞いていたから。
問3 エ
問4(1)心意地・心強く
(2) 関白は次第のままに
関白の職は兄弟の順序に従って就こう
(3) 奉る
問5(1) 出でさせ給ひて、ほどなく失せ給ひしぞかし
(2) お顔の色もたいそう悪い様子で
問6 堀河殿(兼通)が東三条殿(兼家)の官職をお取りあげになったこと
解説
問1 《略》
問2 「堀河殿〔兼通〕が、目をかっと見開いてお出でになったので、帝も大将〔兼家〕も、びっくり仰天なさる。」という文脈。
(1)「最後の除目行ひに参りて」…「東三条殿、官取り給ふ」とあるのは、「東三条殿」のあまりの薄情さへの憤りからである。
(2) 前半に「堀河殿(兼通)すでに失せさせ給ひぬと聞かせ給ひて」とある。
問3 「この大将殿(=東三条殿・兼家)は、堀河殿(兼通)すでに失せさせ給ひぬと聞かせ給ひて、内に関白のこと申さむと思ひ給ひて、この殿の門を通りて、参りて申し奉るほどに」とある。堀河殿(兼通)は亡くなっているものとして、この大将殿(=東三条殿・兼家)は自分を関白職にとお願い申し上げていたのである。正解はエとなる。
問4(1)臨終の際に自分の遂行したいことを果たした堀河殿の性格、意地っ張りで意志強固。
(2)二段落に「東三条殿、官取り給ふことも、ひたぶるに堀河殿の非常の御心にも侍らず。ことのゆゑは、かくなり。『関白は次第のままに。』」と堀河殿の真意が明かされている。
(3)「聞こゆ」「申す」「奉る」は謙譲の補助動詞として頻用される。
問5(1)「さばかり」は直後の「限りにおはせしに」を修飾。宮中から退出して間もなく亡くなったことをうける。
(2)臨終間際であったということから考える。
問6 文意がとりにくい箇所。
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