若宮誕生
(紫式部日記)
exercise
若宮誕生(紫式部日記)exercise 解答/解説
一
解答
問1 b おまし e めのと g みきちょう
問2 a イ c オ d ア f エ
問3 若宮をかわいがるため(一〇字) 〔別解〕若宮を見るため(七字)
問4 エ
問5(1)イ (2)ウ
(3)高くさしあげてかわいがりなさる 〔別解〕高い高いをしてあやしなさる
問6 若宮が道長におしっこをかけて衣服をぬらすこと。 (二三字)
問7 b お思ふやうなる心地する
問8 イ
解説
問1 《略》
問2 まず、彰子出産後一か月後の様子であること、女房たちが控えて仕えていること、父道長が早朝・夜中時間もかまわずやってくるという場面である。また、「させ給は」は最高敬語、「候ふ」は控フの謙譲語、「参り給うひ」はニ方面敬語であることも重要なヒント。付録【古文 主語の判断法】を参照。
問3 「ひき探す」は、探るの意。「ひき」は強めの接頭語。「乳母」とは、かつて、現在のような良質の代用乳が得られない時代には母乳の出の悪さは乳児の成育に直接悪影響を及ぼし、その命にも関わった。そのため、皇族、王族、貴族、武家、あるいは豊かな家の場合、母親に変わって乳を与える女性を召し使った。
問4 「おぼほる」は、ぼんやりして意識がはっきりしないの意。「おどろく」には目を覚ますの意があることに注意。この後、乳母のプライベートな事情を無視して、道長が気の向くままに幼児を抱き上げるので、「いとほし」と同情している。ア「殿がいたので、バツが悪い思いをしている」とは述べていない。イ「寝ぼけていて殿とは気づかず、人違いをして飛び起きる」とは述べていない。ウ「何も気づかず眠っていて、殿に懐を探られてびっくりする」とは述べていない。エが解。
問5(1) 「心もとなき」とは頼りないの意。誕生からやっと一ヶ月ほど、まだ身体もしっかりしていない様子。選択肢ではイが解。
(2) 「心をやる」は、思いを晴らす意であるが、それは心を満足させることでもあり、得意になることでもある。選択肢ではウが解。
(3) 「ささぐ」は「さしあぐ」の熟合したもの、高く上げる。。「うつくしむ」はかわいがる。
問6 あとの道長の言葉に「御しと」とあるのでわかる。ここでは、それを婉曲に言うとともに、「わりなき」、すなわち判断力のない幼児だからどうしょうもないことだが、という意味を添えている。そして、赤ん坊が不意におしっこを飛ばすことを表現している。「紐ひき解きて、御几帳の後ろにてあぶらせ給ふ。…『あはれ、この宮の御しとにぬるる…このぬれたる、あぶるこそ…』」の文意をたどる。
問7 係り結びの知識を問う基本問題。「ぞ」の結びは連体形となるので、「心地す」(サ変動)の連体形「心地する」となる。
問8 道長のようすを作者がどう見ているかを問う問題。作者の道長の様子を見ての気持ちを表す言葉は「ことわりにめでたし」=当然のことながら結構なことだ。ア「苦笑している」とは述べていない。ウ「為政者らしくないとあきれている」とは述べていない。エ「冷ややかな目で」とは述べていない。選択肢ではイが解。
二
解答
問1 ① イ ③ ア ④ ウ
問2(1)エ (2)長寿を得ると伝えられる菊が集められているから。
問3 イ
問4 ア
問5(1)イ (2)水鳥
問6 水面下では懸命に足掻きをしているから。
問7 ア
問8 現世での事柄で悩み、進行や仏への務めがおろそかになるから。
問9 ウ
解説
問1 ①・③・④はいずれも重要古語から成る。古文の単語には、現代語と意味の変わらないもの、現代語にはないもの、現代語とは意味だけが異なるものがあります。現代語にはない、または意味だけ異なるものはやはりなじみ深いものではないため、なかなか覚えづらいものです。しかし、試験で問われることが多いのは、現代語にない単語や現代語とは異なる意味を持つ単語です。大学入試では500~700語程度必要。定期考査や平常テストでそのつどインプットしていけば、後で楽。
問2(1) 「老いもしぞきぬべき」「しぞく」は退くの意。「ぬべき」は、強意の助動詞「ぬ」の終+推の助動詞「べし」の連体形。
(2) 菊には長寿の力があることは、中国の書や、貫之の和歌「みな人の老いをとどむといふ菊はももとせをやる花にざりける」などで知られている。
問3 見事な菊に「げに老いもしぞきぬべき心地する」と言われているが、この後、「もの憂く…嘆かしき…苦しき」と述べられる。逆接の接続詞イが解。
問4 「思ひかく」は、心にとめる/予想する/恋い慕うの意。ここでは「出家したいという心」ととる。「思いつめた気持ち」という解釈もある。あげられた選択肢ではアが解と考える。
問5(1)「浮き世」という熟語がある。仏教的厭世(えんせい)観を背景に現世を「憂し(=つらい)」と見る「憂き世」「つらいこの世」が本来の意。
(2) 「縁語」とは、和歌をはじめとして,主として韻文に用いられた修辞技法の一つ。たとえば「鈴鹿山うき世をよそにふり捨てていかになり行く我が身なるらむ」の和歌で,「ふり」「なり」が「鈴」の縁語となるように,中心の思想とは別に,一首のなかで,ある語と意味上縁のある語を用いて,それを相互に照応させ機知を示すなど,表現効果を増そうとする技法。ここでは「水鳥」が解。
問6 作者は自分のことを、「めでたきこと、おもしろきことを見聞くにつけても、ただ思ひかけたりし心の引く方のみ強くて、もの憂く、思はずに、嘆かしきことのまさるぞ、いと苦しき。」と語っている。それは、水鳥が「思ふことなげに遊び合へる」ように見えながら、実は、「身はいと苦しかなり」と同じことだという。表面と内面の対照と考えてもいい。水鳥は実は水面下で懸命に足掻きをしていることをいう。
問7 問3を参照。アが解となる。
問8 この世の無常を諦観し、勤行に努めるべきという考えから、現実のことに思い悩むのは「罪」ととらえる。a.Q
問9 問3問5問6を参照。ウが解。
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