💥解読💥
鈴木孝夫「ものとことば」
★本格的に取り組もうと思う人向けです。
★プリントアウトするか、解答のみを紙に書くなどして取り組んでみてください🙂
全体を五つの段落でとらえます。さらに、それぞれの段落は以下の形式段落からなります。教科書やコピー本文に書き入れましょう。
第1段落… 考えてみると…
1~11の形式段落
第2段落… このものがあれば必ず…
1.2の形式段落
第3段落… ところが、ことばとものの…
1~8の形式段落
第4段落… 抽象的な議論は…
1~7の形式段落
第5段落… このようにことばというものは、…
1つの形式段落
( a.b)→ aは段落、b は段落内の形式段落。
第1段落
💥設問💥
① (1.7)「名前がついているのは、ものだけではない。物体の動き、人間の動作に始まって、心の動きなどという、微妙なことにも、いちいちそれを表すことばがある。」とあるが、「物体の動き、人間の動作に始まって、心の動き」の具体例(「ことば」の例)をそれぞれ3つずつあげなさい。
物体の動き⇒
人間の動作⇒
心の動き⇒
②(1.11)「ものとことばは、互いに対応しながら人間を、その細かい網目の中に押し込んでいる。」とはどういうことか、わかりやすく説明しなさい。
💥解読💥
① (1.7)「名前がついているのは、ものだけではない。物体の動き、人間の動作に始まって、心の動きなどという、微妙なことにも、いちいちそれを表すことばがある。」とあるが、「物体の動き、人間の動作に始まって、心の動き」の具体例(「ことば」の例)をそれぞれ3つずつあげなさい。
物体の動き⇒解答例:おそい(こと) はげしい(こと) 移動
人間の動作⇒解答例:歩く(こと) 泣く(こと) 起床
心の動き⇒解答例:かなしい(こと) 動揺する(こと) 感動
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用言(動詞・形容・形容動詞)の語は、「こと」に続くことができることば。
② (1.11)「ものとことばは、互いに対応しながら人間を、その細かい網目の中に押し込んでいる。」とはどういうことか、わかりやすく説明しなさい。
われわれ人間がおびただしい数のものやことを言い表すことばに囲まれて生活していること。
↑ ↑ ↑
「網目」とは、(5.1)「連続的で切れ目のない」対象(もの+こと)世界に、ことば(名)を与えることで生じる諸関係の文節の体系のこと。
第2段落
💥設問💥
(2.2)「同じものが、言語が違えば別のことばで呼ばれる」とは、具体的にはどういうことか、例をあげ70字を越えないようにして一文で説明しなさい。
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💥解読💥
(2.2)「同じものが、言語が違えば別のことばで呼ばれる」とは、具体的にはどういうことか、例をあげ70字を越えないようにして一文で説明しなさい。
日本語で「犬(イヌ)」と呼ばれる動物は、英語ではdogと呼ばれているが、その指す対象は同一のものであるということ。(57字)
↑ ↑ ↑
直前の形式段落にも述べられている例。しかし、次の段落に述べられるように、犬=dogであるとも言えるし、犬=dogではないともいえる。すなわち、「犬」と「dog」は同一対象を指すとは言えないことになる。どういうこと…?😂と思う人は、更に読み進んでみて😄
第一段落のものがあるからそれを指すことばがあるという点と、第二段落のある言語で呼ばれているおなじものが他言語では違った言葉で呼ばれているという二点を押さえておく。その常識が覆(くつがえ)されるのです。
第3段落
💥設問💥
①(3.4)「この第一の問題」とは、何についての問題なのか。本文中から10字以内で抜き出して示しなさい。
②(3.4)「哲学では唯名論と実念論の対立として、古くから議論されてきているものである。」とあるが、ここでは「唯名論」「実念論」はどういう考え方か、本文の主張にそって説明しなさい。
唯名論⇒
実念論⇒
③(3.8)「ことばは人間が世界を認識する窓口だ」という比喩を35字以内でわかりやすく説明しなさい。
④(3.7)「ことばの構造やしくみが違えば、認識される対象も当然ある程度変化せざるを得ない」とあるが、筆者がそう考える根拠を本文中から指摘しなさい。また、その具体例になることをあげて説明してみなさい。
💥解読💥
①(3.4)「この第一の問題」とは、何についての問題なのか。本文中から10字以内で抜き出して示しなさい。
ことばと事物の関係(9字)
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(3.1)の2文目にある語句。(3.2)で、ものがあるのでことばがあるのか、逆に、ことばがものをあらしめているかのかについて書かれている。そして、(3.3)は、「また」で始めて、「異なった名称は…かなり違ったものを…提示している」とされている。この2点は、①の解答となっている「ことばと事物の関係」を具体的に述べていることになる。
②(3.4)「哲学では唯名論と実念論の対立として、古くから議論されてきているものである。」とあるが、ここでは「唯名論」「実念論」はどういう考え方か、本文の主張にそって説明しなさい。
唯名論⇒ことばがものをあらしめる(3.2、3.6に2か所)、すなわち、ものはあらかじめ存在しているのではなく、ことばで名づけられることによって存在させられていると考える考え方。
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筆者の立場。
「ことばがものをあらしめる」の「あらしめる」の「あら」は存在を表す動詞の「ある」の未然形+使役の助動詞「しめる」(口語)の終止形。ことばがものをあるようにさせるという意。
同じ意味で(3.5)「初めにことばありき」とも言われている。はじめは飲みこみにくい考え方です。「もっと深くへ ! 」(こちらを)でも解説したように、お肉のバラ・ロース・ヒレも名付けられないならバラ・ロース・ヒレはそれらを目にしていても存在せず、赤い肉と脂肪の肉の塊であり、そもそも肉も名付けられなければそれが肉だとは私たちに認識されることもないわけです。また、日本の文化ではサカサバシ・マヨイバシ・ヨセバシ・サシバシ・カキバシ・ネブリバシは無作法な箸使い(こちらを)とされていますが、そのことばを知らない人にはそれらは存在しないことになるわけです。
「世界の断片を、私たちが、ものとか性質として認識できるのは、ことばによってであり、ことばがなければ、犬も猫も区別できない」(3.6.3文目)と納得されましたか ?😄
実念論⇒ものという存在がまずあって、それにあたかもレッテルを貼るような具合にことばがつけられる(3.1)と考える考え方。
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唯物論。常識的な考え方。
③(3.8)「ことばは人間が世界を認識する窓口だ」という比喩を35字以内でわかりやすく説明しなさい。
私たち人間は、ことばを通して世界を認識しているのだということ。(31字)
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(3.6)「ことばがものをあらしめる」、(3.6)「世界の断片を、私たちが、ものとか性質として認識できるのは、ことばによってであり」、(3.7)「ことばが、このように、私たちの世界認識の手がかりであり、唯一の窓口である」、(3.7)「ことばの構造やしくみが違えば、認識される対象も当然ある程度変化せざるを得ない」とたどると、「私たち」がことばによって「世界」を認識しているという主張が理解できます。
第二段落の解説で「その常識が覆される」としたことは理解出来ましたか ?
④(3.7)「ことばの構造やしくみが違えば、認識される対象も当然ある程度変化せざるを得ない」とあるが、筆者がそう考える根拠を本文中から指摘しなさい。また、その具体例になることをあげて説明してみなさい。
ことばは、私たちが素材としての世界を整理して把握するときに、どの部分、どの性質に認識の焦点を置くべきかを決定するしかけにほかならないから(3.8)。
たとえば、日本語の「机」は英語ではdeskだが、deskには受付とか編集部とか事務職などの意味があり、英語で「あのdeskが気にくわない」と言われても英語にそれほど通じていない人には何が言われているのかわからないことがあるようなこと。
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「根拠」は次段「なぜならば」として書かれています。冒頭の日本語の「すみません」が多義的で、日本語学習をする外国人には理解が難しいのと同じです。
第4段落
💥設問💥
①「机」を(4.3)「外見的具体的な特徴から定義することは、ほとんど不可能である」と言えるのはなぜか。「定義」の意味をふまえて説明しなさい。
②(4.7)「人間に特有な観点」とは、具体的には何か。
💥解読💥
①「机」を(4.3)「外見的具体的な特徴から定義することは、ほとんど不可能である」と言えるのはなぜか。「定義」の意味をふまえて説明しなさい。
「定義」とは他と区別できるように言葉で正確に示すことである。したがって、「形態、素材、色彩、大きさ」(4.3)のどれ一つとっても画一的ではない机の外形上の特徴を用いて、これが机であると、他と区別して言葉で示すことは困難であるから。
↑ ↑ ↑
前段に、机は素材、脚の数、形、高さ、どの点からもいろいろあることが述べてある。
②(4.7)「人間に特有な観点」とは、具体的には何か。
机を机として、その存在を認識可能なものにしている、「人間側の要素」、すなわち、机に対する利用目的とか、人との位置関係といったもの。
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「机というものをあらしめているのは、全く人間に特有な観点であり、そこに机というものがあるように私たちが思うのは、ことばの力によるのである。」にある語句についての問。(2.4)と(2.5)で具体的に述べられ、(4.6)に「利用目的とか、人との相対的位置」とまとめられている。
机とかテーブルとか飯台(はんだい)とか棚と呼び分けているのは、それらは私たちが何の目的で使用するか=人間に特有な観点からであるということ理解できましたか?😉
第5段落
💥設問💥
(5.1)「ことばというものは、渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界に、人間の見地から、人間にとって有意義と思われるしかたで、虚構の分節を与え、そして分類する働きを担っている」とは具体例にはどういうことを言うものか。例をあげてわかりやすく説明しなさい。
💥解読💥
(5.1)「ことばというものは、渾沌とした、連続的で切れ目のない素材の世界に、人間の見地から、人間にとって有意義と思われるしかたで、虚構の分節を与え、そして分類する働きを担っている」とは具体例にはどういうことを言うものか。例をあげてわかりやすく説明しなさい。
解答例1 ある哺乳類の生き物を、おおかみ・山犬・野犬(ノラ犬)・犬(ウチで飼っている「犬」などという)のように、私たち人間の生活圏との距離の遠近にもとづいて分類して名付けている。
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これらの生き物は本来区別された形で実在するのではなく、人間にとって意義あるように恣意的に言葉で区別や分類を行っている。よって、ある山犬を保護してきて自宅で飼うようになると、ウチの「イヌ」となるようなことも起こるのです。
解答例2 ある魚をツバス・ハマチ・メジロ・ブリのように、本来別の生き物ではないのに、私たちはその成長段階・大きさによって区別し分類して名付けている。
解答例3 地上に立ちこめる水蒸気を、日本語では、春のそれをカスミ、秋のそれをキリ、季節を問わないでモヤと区別し分類して名付けている。
解答例4 地上に立ちこめる水蒸気を、英語ではその濃さによって、haze <mist< fogと区別し分類して名付けている。
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これも、同じ大気中に立ち込める水蒸気を、本来そのような区別ある実在ではないものを、濃いか薄いかとか、季節の違いという人間の感覚にもとづいて、あたかも別のもののように分類し区別して名付けている例になる。
「連続的で切れ目のない素材の世界に…虚構の文節を与え、そして分類する」(5.1)ことで、逆に、ことばによって素材の世界が違って見えるということもある。たとえば、日本では虹は七色に分類してますが、中国やロシアでは六色、アフリカのある先住民の文化では2.3色とされているという。ということは、同じ虹を見ても、日本語、中国語、ロシア語、あるアフリカ先住民の言語のそれぞれの文化圏によっては別の色合いとして認識されていることとなるのです。ことばや文化が違っていても真実はひとつ、話せば分かる、とケースによっては必ずしも言えないことになるわけです。ことば=言語はあらゆる観点からも重要であり、かつ、困難さもかかえているものともいえます。😟
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