全体をごく短く要約すると、
日本漆器の美しさは、薄明かりの中でこそ発揮される。日本料理などでも、薄暗い家の中で発達してきたせいか、「闇」に調和するように出来上がっている。
ということになります。
でも、こんな風に要約すると蝉(せみ)の抜け殻(がら)より空虚。この要約を読んで納得した気になったとしても、谷崎の文章を読んだことにはならないでしょう。
深山(みやま)の中を散策しながら、さまざまの樹木を、草々を、花々を見て、触れて、香りを楽しむように味読してください。
現代は、映像・楽器・身体パフォーマンスなど多くの表現手段が手軽に楽しめる時代。でも、この文章が書かれた80年前までの時代は、表現する側もそれを享受する側も、極端に言うと言葉(文章)だけでした。あらゆる感覚や思考や感性を言葉に凝縮させて表現する、読み手も全神経を集中させて読む―現代の文筆家が書いた文章とは質が違うものと言ってもいいと思います。それゆえ、読むのにすごく抵抗感を感じた人も多かったでしょう。現代では、やさしく分かりやすく書かれた表現が良いものだとされます。しかし、真にしろ、善にしろ、美にしろ、ほんものは迷宮をさまよい出た先にあるとも、迷宮をさまようことそのものでもあるともいえます。より分かりやすくやさしく書かれたものは、よりほんものを簡略化したもので、ほんものから遠いものが多いと考えていいでしょう。
谷崎潤一郎という天才作家(⇒『実はあの作家も!?ノーベル文学賞を「逃した」日本の文豪たち』こちらを)の文章―熟成のすすんだ wine のように濃密で深い輝きをたたえ、芳醇(ほうじゅん)な香りを放つ文章―時間をかけて味読して欲しいと思います。国語筋力が太くなります。
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問1 a いにしえ b けんらん d げんさい g よど
問2 c ヘ e ロ f ト
問3 行灯式の電灯の光と燭台の蝋燭の光を(行灯(あんどん)とは?)
問4 解答例… 漆器に描かれた金や貝などの模様が、蝋燭や灯明の光を反射させて畳の上に幾すじもの小川や池水のような模様を描き出し、そのゆらめくさまが部屋全体に怪しい光の夢の世界を現出させ、夜の闇があたかも蒔絵のように感じられる様子。
(「夜そのものに蒔絵をしたような」という直喩をとらえます。「綾を織り出す」とは、蒔絵に反射した灯火がある模様を(畳の上に)描き出すこと。「綾」とは模様、ここでは、「燈明」や「蝋燭」の「灯のはためきが」金蒔絵の模様を、「畳の上に行く筋すじもの小川が流れ、池水が湛えられている如く」描き出している、そのありさま。「蝋燭(ろうそく)や燈明の醸し出す怪しい光りの夢の世界」ともとらえられています。)
問5 解答例…漆器のやわらかい感触と中身の汁の重みとその温かみを赤ん坊の肉体にたとえ、軽い椀を持った時の汁が揺れる不安定な感じを赤ん坊を抱いた時の不安定な感覚に例えている。
(直前の「漆器は手ざわりが軽く、柔かで…私は、吸い物椀を手に持った時の、掌が受ける汁の重みの感覚と、生あたゝかい温味(ぬくみ)とを何よりも好む」と、①の後にある「汁がゆるやかに動揺するのを手の上に感じ」に着目して、「生まれたての赤ん坊」を手で支え持った時の共通する感覚をまとめます。)問6 解答例…雑念を捨て去った一心不乱の境地 (15字)
問7 解答例… 吸い物椀がたてる微かな音を聞きつつ、これから食べる物の味わいに思いをひそめること。
(41字。「瞑想」とは、目を閉じて静かに考えることが辞書上の意味。前前文の「私は、吸い物椀を前にして、椀が微かに耳の奥へ沁むようにジイと鳴っている、あの遠い虫の音のようなおとを聴きつゝこれから食べる物の味わいに思いをひそめる時、いつも自分が三昧境に惹き入れられるのを覚える。」を受けて、「日本の料理は(主語)…瞑想するものである(述語)」と主張されている。)
問8 ロ
問9 ウ オ キ コ
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