城の崎にて 1/2 2/2
問題
exercise
解答例・解説
城の崎にて(志賀直哉)本文 朗読はこちらへ。
城の崎にて2/2 問題 解答/解説
問1 ①…サ ②…キ ③…ウ ④…エ ⑤…シ
問2 その気が全くないのに殺してしまった(17字)
(「いもり」を殺す気持ちはぜんぜんなかったのに、まったくの偶然で石が「いもり」を直撃してしまった! 字数制限はヒントでもある。 問3の「生死は偶然に支配されている」ということにつながっていきます。)
問3 生きているのは偶然死なずにすんでいるのであり、何かのはずみで死んでいることもある。
(「生死」に特別な意味づけをすることは無意味という認識に至っているわけです。生き物の生死は偶然に支配されている、そういった宿命に支配されていることを「生き物の寂しさ」と述べています。生と死を二項対立〈両極〉ではなく、連続するもの〈それほどに差がない〉と独特な感受性でとらえられています。)
問4 白樺派 暗夜行路
a.Q
1 その気が全くないのに殺してしまった (17字)
2(1)解答例…「生死」をめぐって修正を迫るような体験が次々に起こって心身ともに不安定になり、それ(三週間)以上滞在することに堪えられなかったこと。
(2)解答例1… 脊椎カリエスは発症しないですんだが、今は、生き物の生死が偶然に支配されている以上、いつどんな事態が降りかかってくるか分からないという認識を積極的に受け止めているということ。
解答例2…三年が経過して脊椎カリエスに罹(かか)り死ぬようなことは逃れられた。しかし、いつなん時死ぬような事態が訪れてもおかしくないのだと今は思っていること。
城の崎にて2/2 exercise 解答例
問1あ ホ い ハ う ハ え ロ お ヘ
問2Aその気が全くないのに殺してしまった (17字)
Bイ
Cいもりにもし生まれ変わったら自分はどうするだろうと考えたこと
E偶然に死んだ
Fエ
G生きていることと死んでしまっていることには、それほどに差はないような気がしたから。
問3(1)「生死」をめぐって修正を迫るような体験が次々に起こって心身ともに不安定になり、それ(三週間)以上滞在することに堪えられなかったこと。
(2)例解1… 脊椎カリエスは発症しないですんだが、今は、生き物の生死が偶然に支配されている以上、いつどんな事態が降りかかってくるか分からないという認識を積極的に受け止めているということ。
例解2… 三年が経過して脊椎カリエスに罹り死ぬようなことは逃れられた。しかし、いつ何時死ぬような事態が訪れてもおかしくないのだと今は思っていること。
城の崎にて2/2 exercise 解説
問1 「ヒラヒラヒラヒラ」「ヒラヒラヒラヒラと」が、事物の状態や身ぶりなどの感じをいかにもそれらしく音声にたとえて表した擬態語。擬態語とは、「つるつる」「じろじろ」「こっそり」など。事物の状態や身ぶりなどの感じをいかにもそれらしく音声にたとえて表した語を言います。また、「もの静かさがかえってなんとなく自分をそわそわとさせた。」「不思議に思った」に着目。
問3A 「自分は先ほどいもりは嫌いでなくなった…いもりは好きでも嫌いでもない…そんなことを考えなくなっていた」と、同じような内容が繰り返されているのは、「いもり」についてどういう結末を際立たせるため…?と字数制限も含めて読み取ります。「いもり」を殺す気持ちはぜんぜんなかったのに、まったくの偶然で石が「いもり」を直撃してしまった! 字数制限はヒントでもあるのです。
B 「いもりが宿屋の流し水の出る所に集まっているのを見て、自分がいもりだったらたまらないという気をよく起こした」が、今は「しかしもうそんなことを考えなくなっていた」と述べ、「不器用に体を振りながら歩く形」を思い浮かべるなど、いもりの動きを注目することになる。石が直撃後の様子も細かく観察される。
C 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。ここでは、直前の「いもりにもし生まれ変わったら自分はどうするだろう、そんなことを考えた」+こと。
E 「不意」とは、思いもよらない、突然、出し抜けという意味。6字の指定から、「偶然に死んだ」に確定できます。
F 「自分は偶然に死ななかった。いもりは偶然に死んだ…生きていることと死んでしまっていることと、それは両極ではなかった。それほどに差はないような気がした」に着目して確定する。オは「生きたいと思っていても」が外れている。
G 死んだ「いもり」「はち」「ねずみ」と「死ななかった自分」とには「それほど差がない」なら、特別の感慨がわくことはない、という理屈です。
問4(1)冒頭に「三週間以上――我慢できたら五週間くらいいたいものだと考えて来た。」とありました。結果的には「三週間以上」は「我慢でき」なかったことになります。それはなぜ…? 前段落末「足の踏む感覚も視覚を離れて、いかにも不確かだった。ただ頭だけが勝手にはたらく。それがいっそうそういう気分に自分を誘っていった。」に着目して考えることになります。この小説全体の内容把握、テーマに関わる問です。
(2)「だけ」は限定の助詞。ここでは、脊椎カリエスに罹ることに限定することとなる。一方、この小説の冒頭に「背中の傷が脊椎カリエスになれば致命傷になりかねない(脊椎カリエスが死に至る病気だと語られています)…二、三年で出なければ後は心配はいらない」とありました。そして「それから、もう三年以上になる。自分は脊椎カリエスになるだけは助かった」が結末となっています。脊椎カリエスに罹り死ぬことは免れられた、でも…のパターンと考える。「…」の内容を生と死をめぐる「自分」の認識は結局どういうものだったかをまとめることになります。難しいですが、この小説の結論となります。
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