城の崎にて 1/2 exercise 解答例・解説
2/2 問題 exercise 解答例・解説
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① 解答例…あひるの頓狂な顔やユーモラスな動きが、致命傷を負っているのにどうにか助かろうとしているねずみの悲劇的な状況をより際立たせる効果。
(「あひる」は「首を伸ばしてきょろきょろ…頓狂な顔をして」とあり、「ねずね」は、「死ぬに決まった運命を担いながら、全力を尽くして逃げ回っている」と対照させて書かれている。)
② 死を目前にして、願望するように静かに死んで行けるかもしれないし、それとは逆になんとか助かろうと無益な努力をするかもしれないが、どちらもありえること。
(「城の崎にて」1/2 ヒントを見てください。)
💝城の崎にて1/2 exercise 解答例💝
問1
A 小さい流れ
B 直喩法
D 死の到来 (4字)
E いっこうに冷淡だった (10字)
H ニ
I はちの屍骸
K ロ
L 死後の静寂
M 死ぬに決まった運命を担いながら、死ぬまいともがくこと。
N ニ
O フェータルなもの (9字)
問2
① 時間的にも空間的にも、寂しい状況の中にいること。(秋という季節、夕方という時間帯、山峡という場所が寂しい気分を誘うこと。)
② 致命傷を負っている状態。
③ あひるの頓狂な顔やユーモラスな動きが、致命傷を負っているのにどうにか助かろうとしているねずみの悲劇的な状況をより際立たせる効果。
④ 死を目前にして、願望するように静かに死んで行けるかもしれないし、それとは逆になんとか助かろうと無益な努力をするかもしれないが、どちらもありえること。
💚城の崎にて1/2 exercise 解説💚
問1
A 文節相互の関係、【①主語・述語の関係、②修飾・被修飾の関係、③補助・被補助の関係、④対等の関係、⑤独立の関係、⑥接続・被接続の関係】が曖昧な人、文法テキストか国語便覧で確認。
B 「石のように」が直喩法。「ように」「ごとし」「みたいな」などが使われる比喩法です。それに対して、「氷の心」というような言い方を隠喩(暗喩)法と言います。インプット。
D 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。ここでは、「自分」が「一つ間違えば…交渉もなく」なること。5字以内に要約する。
E 「拘泥」とは、かかわるという意味。「冷淡」とは興味や関心を示さないこと。
H 直後「ほかのはちがみんな巣へ入ってしまった日暮れ、冷たい瓦の上に一つ残った死骸を見ることは寂しかった。しかし、それはいかにも静かだった。」と、生きているはちとは別世界の存在となり、それが肯定的に感じ取られている。
I 2つ前の文に「死骸」とあるが、字数指定から、その前にある「はちの死骸」と確定する。
K 直後、死に至るまでに「苦しみ」もがくことを「恐ろしいことだ」ととらえている。
L 基本問題。直後の文にある。
M 4つ前の文、「死ぬに決まった運命を担いながら、全力を尽くして逃げ回っている様子」に着目してまとめる。「全力を尽くして逃げ回っている」を「死ぬまいともがく」としているのが解答例。
N 「フェタールな傷じぁないそうだ」と言われたから。それで「ほっ」としたということです。
O 指示語のとらえ方、Dと同じ。Nの逆の場合を想像している場面。
問2
① 「やはり」とは、他と比べて違いがないさまの意。ここでは直前の「冷え冷えとした夕方、寂しい秋の山峡を小さい清い流れについていくとき考えること」と、「沈んだことが多かった。寂しい考えだった」の関係をとらえて考える。ある時間帯・季節・場所がウェットな気分にさせるというパターンです。
② 映像を思い浮かべてください。典型的な致命傷を負ったねずみの映像がイメージできるよう的確かつ鮮明に表現されています。
③ 「頓狂な顔をして首を伸ばしたまま、鳴きながら、せわしく足を動かして上流のほうへ泳いでいった」 間抜けた感じでユーモラスなあひるを登場させることによって、「死ぬに決まった運命を担いながら、全力を尽くして逃げ回っている」ねずみの悲劇性をより効果的に際立たせています。
④ 「気分で願うところが、そう実際にすぐは影響はしないものに相違ない、しかも両方が本当で、影響した場合は、それでよく、しない場合でも、それでいいのだと思った。それはしかたのないことだ。」の箇所、読み取りにくいので、しっかり考えながら読み取りましょう。まず、「気分で願うところ」が「影響した場合」は、静かに死んでいくことになります。それとは逆に、「気分で願うところ」が影響「しない場合」、ねずみのように、死にたくない!助かりたい!と無益な努力をすることとなります。結論は、どちらでもよいと両方を肯定することになります。
2/2 解答/解説
問1 ①…サ ②…キ ③…ウ ④…エ ⑤…シ
問2 その気が全くないのに殺してしまった(17字)
(「いもり」を殺す気持ちはぜんぜんなかったのに、まったくの偶然で石が「いもり」を直撃してしまった! 字数制限はヒントでもある。 問3の「生死は偶然に支配されている」ということにつながっていきます。)
問3 生きているのは偶然死なずにすんでいるのであり、何かのはずみで死んでいることもある。
(「生死」に特別な意味づけをすることは無意味という認識に至っているわけです。生き物の生死は偶然に支配されている、そういった宿命に支配されていることを「生き物の寂しさ」と述べています。生と死を二項対立〈両極〉ではなく、連続するもの〈それほどに差がない〉と独特な感受性でとらえられています。)
問4 白樺派 暗夜行路
a.Q
1 その気が全くないのに殺してしまった (17字)
2(1)解答例…「生死」をめぐって修正を迫るような体験が次々に起こって心身ともに不安定になり、それ(三週間)以上滞在することに堪えられなかったこと。
(2)解答例1… 脊椎カリエスは発症しないですんだが、今は、生き物の生死が偶然に支配されている以上、いつどんな事態が降りかかってくるか分からないという認識を積極的に受け止めているということ。
解答例2…三年が経過して脊椎カリエスに罹(かか)り死ぬようなことは逃れられた。しかし、いつなん時死ぬような事態が訪れてもおかしくないのだと今は思っていること。
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城の崎にて2/2 exercise
解答例
問1あ ホ い ハ う ハ え ロ お ヘ
問2Aその気が全くないのに殺してしまった (17字)
Bイ
Cいもりにもし生まれ変わったら自分はどうするだろうと考えたこと
E偶然に死んだ
Fエ
G生きていることと死んでしまっていることには、それほどに差はないような気がしたから。
問3(1)「生死」をめぐって修正を迫るような体験が次々に起こって心身ともに不安定になり、それ(三週間)以上滞在することに堪えられなかったこと。
(2)例解1… 脊椎カリエスは発症しないですんだが、今は、生き物の生死が偶然に支配されている以上、いつどんな事態が降りかかってくるか分からないという認識を積極的に受け止めているということ。
例解2… 三年が経過して脊椎カリエスに罹り死ぬようなことは逃れられた。しかし、いつ何時死ぬような事態が訪れてもおかしくないのだと今は思っていること。
解説
問1 「ヒラヒラヒラヒラ」「ヒラヒラヒラヒラと」が、事物の状態や身ぶりなどの感じをいかにもそれらしく音声にたとえて表した
擬態語。
擬態語とは、「つるつる」「じろじろ」「こっそり」など。
事物の状態や身ぶりなどの感じをいかにもそれらしく音声にたとえて表した語を言います。また、「もの静かさがかえってなんとなく自分をそわそわとさせた。」「不思議に思った」に着目。
問3A 「自分は先ほどいもりは嫌いでなくなった…いもりは好きでも嫌いでもない…そんなことを考えなくなっていた」と、
同じような内容が繰り返されているのは、「いもり」についてどういう結末を際立たせるため…?と字数制限も含めて読み取ります。「いもり」を殺す気持ちはぜんぜんなかったのに、まったくの偶然で石が「いもり」を直撃してしまった! 字数制限はヒントでもあるのです。
B 「いもりが宿屋の流し水の出る所に集まっているのを見て、自分がいもりだったらたまらないという気をよく起こした」が、今は「しかしもうそんなことを考えなくなっていた」と述べ、「不器用に体を振りながら歩く形」を思い浮かべるなど、いもりの動きを注目することになる。石が直撃後の様子も細かく観察される。
C
指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。ここでは、直前の「いもりにもし生まれ変わったら自分はどうするだろう、そんなことを考えた」+こと。
E 「
不意」とは、思いもよらない、突然、出し抜けという意味。6字の指定から、「偶然に死んだ」に確定できます。
F 「自分は
偶然に死ななかった。いもりは
偶然に死んだ…生きていることと死んでしまっていることと、それは
両極ではなかった。それほどに
差はないような気がした」に着目して確定する。オは「生きたいと思っていても」が外れている。
G 死んだ「いもり」「はち」「ねずみ」と「死ななかった自分」とには「それほど差がない」なら、特別の感慨がわくことはない、という理屈です。
問4(1)冒頭に「三週間以上――我慢できたら五週間くらいいたいものだと考えて来た。」とありました。結果的には「三週間以上」は
「我慢でき」なかったことになります。それはなぜ…? 前段落末「足の踏む感覚も視覚を離れて、いかにも不確かだった。ただ頭だけが勝手にはたらく。それがいっそうそういう気分に自分を誘っていった。」に着目して考えることになります。この小説全体の内容把握、テーマに関わる問です。
(2)「
だけ」は
限定の助詞。ここでは、脊椎カリエスに罹ることに
限定することとなる。一方、この小説の冒頭に「背中の傷が脊椎カリエスになれば致命傷になりかねない(脊椎カリエスが死に至る病気だと語られています)…二、三年で出なければ後は心配はいらない」とありました。そして「それから、もう三年以上になる。自分は脊椎カリエスになるだけは助かった」が結末となっています。脊椎カリエスに罹り死ぬことは免れられた、でも…のパターンと考える。「…」の内容を
生と死をめぐる「自分」の認識は結局どういうものだったかをまとめることになります。難しいですが、この小説の結論となります。
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