清涼殿の丑寅のすみの(枕草子 23段)exercise

 清涼殿の丑寅のすみの 

 枕草子 23段 

 exercise 


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清涼殿の丑寅のすみの(枕草子 23段)exercise解答/解説

解答

問1 a みつぼね  c さしぬき  d おおんぞ  e こはじとみ

   f みす   h みきちょう  i なげし

問2 b 据ゑ  g さっきの(4字)さきほどの(5字)  

問3 j ロ  k 

問4 「申し」は「言ふ」の謙譲語「申す」の連用形で、作者が一条帝に敬意を表すもの。「たまふ」は尊敬の補助動詞「たまふ」の終止形で、作者が伊周に敬意を表すもの。

問5 ② 伊周  ③ 作者  ⑤ 円融院  ⑦ 中宮

   ④ 知らじ

問6 「しほのみついつもの浦の」は「いつもいつも」を導き出す序詞。

問7 ヘ ト

問8Ⅰ 定子中宮を信頼し尊敬する思い。

  Ⅱ 古歌の中からその場にふさわしい歌を選び出して活用する機転を見せた作者に対して、中宮が(あらためて)感心する(賞賛する)気持ち。

  Ⅲ 「思ふ」は愛情をいだくの意だが、「頼む」は主君を頼みとする意になる。


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解説 

問1 何れも頻出の漢字。

問2… ワ行下二段活用は「植う・飢う・据う」の3語のみ。「(かめ)」に「桜」がさしてあるという文意から「据う」、連用形「据ゑ」が解となる。

  … 「ありつる」は連体詞の語、「先刻の・さっきの」の意。「ありつる花」とは、2段で述べた「桜」のこと。

問3… 「そらに」は形動そらなり」の連用形、(うわ)の空のさま。「目もそらにて」で、「視線は上の空で」ととれる。ロが解。

  … 「すまふ」は、「争う・抵抗する・ことわる」の意。ここでは「辞退する」。ハが解。

問4 二方面への敬語の用法。地の文は作者が誰かに敬意を表すこと、謙譲語は行為の受け手に尊敬語は行為の動作主に敬意を表すことから考える。ここは、伊周が一条帝に申し上げなさった、という文意。

問5…作者が、中宮から渡された色紙を伊周に御簾から出して見せ、どうすればよいかと指示を承ると、「早く書いてさしあげなさい。」と言って、その色紙を御簾の中(作者や中宮がいるエリア)へ戻している場面。「給へ」と、伊周へ敬意を表す尊敬語が使われている。

  …「花をし見れば」を「君をし見れば」と書き換えた(「書きなしたる」)のは作者。

…円融院のセリフの一節。「歌が季節にあっていなくても問題にするまい」の主語は円融院。

  …直前「円融院の御時に…いみじうめでさせ給ひける」は中宮が作者を誉めた後語ったエピソード。よって中宮が解。「おほせらるる」と「言ふ」の最高敬語に準ずる尊敬語を使って、中宮への敬意が表されている。

 …「さらに」は後に打消しの表現と呼応して、「けっして・まったく」の意となる呼応・陳述の副詞の語。「知らじ」に連用修飾語としてかかっている。

問6 枕詞→例えば、「足引きの」が「山」や「峰」の直前に読まれるように、それ自体は直接の意味を持たず、ある特定の言葉を修飾し、短歌の調子を整える。5音のものが多い。

   序詞→ある語句を導くためにその前に詠まれる。枕詞のように固定しているのではなく、そのつど作者によって創作される。6音以上。この歌のように、「しほのみついつもの浦の」と「いつもいつも」は歌意上の関係はなく、「いつもの浦」と同音「いつもいつも」が導かれている。

問7 中宮がよりによって関白道隆の例まであげて作者を誉めたので、作者は冷や汗をかいたと述べている。「はずかし」も「晴れがまし」も照れくさい・面映い気持ちを表す語。

問8 桜を讃える歌を、君=中宮を讃え、敬愛する歌にしていることになる。元歌は、藤原良房が娘である后明子の栄華を花に託して詠んだ歌。

  「この心」とは、こういう、時に応じて機転のきく心のこと。「ゆかしかり」は、形「ゆかし」の連用、見たい・聞きたい・知りたい、ここでは、期待するの意。

   元歌の「思ふ」は愛する・恋しく思うの意で、元歌は恋歌。「頼む」とすることで、円融院を信頼し頼りにしているという意となる。

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