古今の草子を
(枕草子/二十段)
exercise
古今の草子を(枕草子/二十段)exercise 解答/解説
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解答
問1(1)これが~いかに・さやは~すべき・これは~あるぞ
(2)これは
問2a オ c イ
問3b オ d オ e オ
問4(1)イ・オ (2)啓す
(3)尊敬の助動詞「せ」「させ」と尊敬の補助動詞「給ふ」の二重敬語を用いている点。
問5② 『古今和歌集』の中の歌の上の句。
③ 宰相の君が答えた十首ほどの歌。
⑥ だれも覚えていなかった歌。
問6④ 覚えているうちに入るまい (13字)
⑦ なぜこんなにできが悪いのかしら (15字)
問7(1)歌 (2)そのまま (4字)
問8 をかし
問9 随筆・清少納言・平安(時代)中期・定子
解説
問1(1) 会話文・心中語の直後には引用の「と」が続く場合が多い。また、その「と」の後、言フ・思フに関連する表現が続くことから、会話文・心中語の終わりが分かる。文意から会話文・心中語の始まりを考える。ここでは、『これが末、いかにと問はせ給ふに・さやは、けにくく、仰せ言を映えなうもてなすべきと、わび、くちをしがるも・これは、知りたることぞかし。などかう、つたなうはあるぞと言ひ嘆く』、青字箇所に留意。
(2) 二人の会話だとも解釈可能な箇所。
問2a…「けぎやう」は、形容詞「け清し」の連用形「け清く」のウ音便、きっぱりと・残るところがないの意で、オが正解。
c…「けにくく」は、形容詞「け憎し」の連用形、小憎らしい・無愛想だ・そっけないの意。正解はイ。
問3b…~ノガヨイの文意になるので適当。 d…~デキルの文意となるので可能。 e…ノガ当然ダの文意になるので当然と考える。
問4(1) 《略》
(2)「啓す」は、皇太子・皇后・皇太后(天皇に次ぐ地位の方となる)に申し上げるの意の謙譲語の知識が問われている問です。。天皇・上皇の場合は「奏す」という。
(3) 尊敬の助動詞「す」「さす」+尊敬の補助動詞「給ふ」→「せ給ふ」「させ給ふ」は二重尊敬、または、最高敬語とよび、帝・中宮・最高位の貴族へ敬意を表すために使われました。ただし、会話文ではもっと気軽に使われていました。現代語にはない敬語用法です。「せ」「させ」が使役の場合があるので注意してください。
該当する述語は、「置かせ給ひて」、「仰せられて」、「問はせ給ふに」、「夾算せさせ給ふを」。青字箇所が二重尊敬・最高敬語の箇所。
問5 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。
②…直前「古今の草子置かせ給ひて、歌どもの本」に着目してまとめる。
③…直前の「宰相の君ぞ十ばかり」に着目してまとめる。
⑥…前にある「知ると申す人なき」に着目、知っているとお答えすることがない(歌)といことになる。
問6④…「おぼゆ」は、(自然と)思われる・感じられる→思い出される・思い浮かぶ、面影がある・似るの意。また、他動詞として使われて、思い出す・記憶する・思いだして語るの意となる。
⑦…など(副詞 ナゼの意)/かう(副詞「かく」のウ音便 コンナニの意)/、つたなう(形「拙し」の用「拙く」のウ音便 劣っている・未熟だの意)。/は(係助詞 強意)/ある(ラ変動 「ある」体)/ぞ(終助 念押し)。単語の意味から外れないように字数制限を頭に入れてまとめる。
問7(1)中宮が仰る上の句に続く下の句が答えられないという文脈。直後の「やがてみな読み続けて(中宮様はそのまま下の句まで読み続けて)」の目的語となる。「歌」が正解となる。
(2) 《略》
問8 問題本文は中宮定子が、女房たちが「古今集」の暗誦をどれくらいできるか試している、知的でみやびな遊びのようすを描いている。「をかし」は、知的で明るいものに感心したり心惹かれた時の感情をあらわす語、趣がある・美しい・かわいい・おもしろい・おかしいの意。
問9 2つ正解で1点としてください。
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解答
問1 a 文字(字) e 変だ i そのまま
d みきちょう m みずきょう h 助詞 添加
問2(1)g (2)尊敬
問3 b ア f イ l ウ
問4 ① イ ④ ア
問5 ② 詞書
③ 女御が本当に「古今集」を暗誦できるか、帝が試問なさること。 (29字)
⑤ 女御が覚えていた歌の数や間違えた歌の数を計算するため。
⑥ 『古今集』の上の十巻の終わり
⑦ 女御が帝の試問に失敗しないことを願う気持ち。 (22字)
問6 清少納言・随筆・平安時代中期・定子
問7
解説
問1a…「手跡=筆跡」の「手」。
e… 怪し→ふしぎだ・変だ。賎し→粗末だ・身分が低い。二つの系列で覚える。
i…前の状態が引き続いていることをいう語。そのまま・すぐに
d m…《略》
h…副助詞「だに」「さへ」は現代語と用法が異なるので注意する。
問2 「せ給ふ」「させ給ふ」は、尊敬+尊敬→二重尊敬・最高敬語の用法となる。ただし「せ」「させ」が使役の場合がある。文意から判断するしかない。正解はgとなる。
問3 bflはいずれも最高敬語に準じる言い方で、その行為の動作主に敬意を表すもの。
b… かねてお聞きになっていて、の意。古今集の歌すべてを暗誦できるようになりなさいと、女御が子どものころ父左大臣に言われていたことを聞き知っていたのは村上帝。
f… あれこれ考えご心配になる、の意。帝の試問に緊張している女御の心理を語る文脈。
l… お心をお乱しになる、の意。女御が帝からの試問を課せられると聞いて動揺したのは、女御の父である「殿」すなわち小一条の左大臣殿
問4①… 「たれ〈代名詞〉/かは〈係助詞 反語〉/知り〈ラ四動 知る 用〉/奉ら〈補助動 謙譲 奉る 未〉/ざら〈助動詞 打消し ず 未〉/む〈助動詞 推 む 体〉」。「誰が存じ上げないだろうか。いや、誰もが存じ上げているであろう」という反語表現。反語表現は強調表現の一種と理解する。イが正解。
④… 女御が正しく答えられるか正確に判断できる女房を、村上帝は準備したという文脈。「おぼめかしから」は、形「おぼめかし」の未然、はっきりしない・ぼんやりしているの意。「ぬ」は打消しの助動詞「ず」の体。「おぼめかしからぬ」で、ここでは教養深い・熟達したの意で使われている。アが正解。
問5②…歌が詠まれた事情について説明されている箇所を「詞書(ことばがき)」という。
③…こうだったのだわ、の意。女御が子どものころ、父親から古今集の歌全てを暗誦しなさいと言われていたことを帝が知っていて、「古今集」の草子を開き、詞書からその歌を答えさせようとしたという文意からまとめる。
⑤…「数」とは、前後の文意から、女御の答えの正誤の得点となる。
⑥…直前「十巻にもなりぬ。『さらに不用なりけり。』とて」に着目してまとめる。
⑦…前前段の女御の心中語「ひがおぼえをもし、忘れたるところもあらば、いみじかるべきこと」と重なる気持ちと考えてよい。
問6 《略》
advanced Q.1 問5の③を参照してください。
advanced Q2 私なら、あなたの教養(古今集の全ての歌を暗誦できるか)を試すために、三巻、四巻でも読み終える根気はないでしょうね。
(この会話文は、村上帝が宣耀殿の女御が本当に「古今集」の全歌を暗誦できるかを試したエピソードを聞いて、一条帝が述べたこと。「え」は後に打消しの表現を伴って、~デキナイの意で、~シヨウト試ンデモデキナイというニュアンスがある。上の解では「根気が無い」とした。「じ」は打消し推量の助動詞。)
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