後の頼み/さすがに命は憂きにも絶えず(更級日記)exercise

 後の頼み/さすがに命は憂きにも絶えず 

 (更級日記) 

 exercise 


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後の頼み/さすがに命は憂きにも絶えず exercise 解答/解説

解答

問1 a 気がかりだ不安だ)  b 座る  h ふと目が覚める  g すだれ

問2 c ヘ  d ヘ  e ト  f ロ  i イ  j チ  k 

問3① 現世で思うにまかせない状態なのだから、来世でも

     ② 自分だけに阿弥陀仏が姿を現したこと

     ③ 拝見することができないでいると

     ④ 以前の夢に阿弥陀仏が現れ、後ほどに迎えに来ると仰ったので、極楽に往生できること。

問4(1) 月が出ていて、あたりを明るく照らしている風景。

    (2) 夫を失って悲嘆にくれている人物。

    (3) 夫を亡くし寂しい思いをしている私を思いやって、闇夜にもかかわらず尋ねてくれてくれた甥への感謝の気持ち。


解説

問1a、b、h…現代語と意味が異なり、よく使われていた基本重要古語。

  g…「御簾」はミスと読む。

問2c…「定かに」で一語ととらえる。形容動詞「定かなり」の連用形の活用語尾。

  d… 「ばかり」=形式名詞に接続、「にて」をデ・デアッテと訳せる。よって、「に」は断定の助動詞「なり」の連用形。

  e… 「金色」=名詞に続き、「に」は様態の格助詞ととらえられる。

  f… 「」は未然形か已然形に接続する接続助詞。「けおそろしけれ」が一語、「けれ」は形容詞「けおそろし」の已然形「けおそろしけれ」の活用語尾「しけれ」の一部ととらえる 

  i… 「たる」=完了の助動詞「たり」の連体形に続き、~ノデという意味で下に接続する。

  j… ハ行四段動「言ふ」の未然形「いは」に接続しているので、「れ」は受身・可能・尊敬・自発の助動詞「る」の未か用、文意から自発(~ラレル・ズニハイラレナイ)。

  k… 「に・ける(けり)」の「に」は、多くは完了の助動詞「ぬ」の連用形

問3①… 「のちの世」は、将来・後世/死後・来世の意。ここでは来世。「」は添加の係助。来世も現世同様に、という文意。直後の「思ふにかなはず(思うに任せない)」をふまえる。

  ②… 「さすがに」は、(そうはいうものの)やはりの意の形動の語で、指示語に準ずる語ととらえる。このフレーズは、阿弥陀仏がお迎えにいらっしゃったのは喜ばしいという感情とともに、それとは裏腹な感情が述べられている。HPも確認。「阿弥陀仏様が極楽浄土にお迎えくださるとはありがたいと思うものの、やはり」。

  ③… 呼応(陳述)の副詞「え」は後に打消しの語を伴って、(~シヨウトシテモ)デキナイの意。「たてまつる」は謙譲の補助動詞、「見たてまつる」で拝見スルの意。「ね」は打消しの助動詞「ず」の已然形で、「ねば」は確定条件となっていて、~ト、トコロの意となる。

  ④… 「のちの頼みとしける」とは、「来世の頼みとした」の意。「この夢」で阿弥陀仏が語ったこと「さは、このたびは帰りて、のちに迎へに来む」=阿弥陀仏がまた後でお迎えに来る→極楽往生できる、ということ。

問4(1) 古今集の「我が心慰めかねつ更級やをば捨て山を見て」=姨捨山に出ている美しい月を見ても慰められない、という歌を踏まえたもの。この古今集歌とは対照的に月も出ていない闇夜の風景が詠まれている。

  (2) 「闇にくる」は、日が暮れて真っ暗になる、さらに、悲しみや嘆きのため分別を失うの意。ここではその両意で使われている、掛詞に準じる表現。「をばすて」に「叔母」掛けている。

  (3) 直前の、「をひ」たちなども、夫亡き後は別々に住むようになって、「誰も見ゆることかたうある」と筆者の寂しい近況が語られている。この暗闇の中をよくまあ訪ねてくれたねえと感謝の気持ちを詠んだ歌になる。

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