💥解読💥
中村雄二郎「目に見える制度と見えない制度」
★本格的に取り組もうと思う人向けです。
★プリントアウトするか、解答のみを紙に書くなどして取り組んでみてください😄
全体を6段落でとらえます。あらかじめ、教科書本文(コピーでも)に書き込みましょう。
段落
1 「健康な人間が…」
2 「そこでまず、…」
3 「ところで、このように…」
4 「さて、これまで…」
5 「すなわち、目に見える…」
6 「このように、私たち人間は…」
教科書の本文を見ながら進めましょう😊。
※(a.b.c)→ aは段落、b は形式段落、 c は何文目
1
💥設問💥
1を二項対立でとらえましょう。
① 「法律や制度」をどのような二項対立でとらえていますか。AにならってBの空欄〔 〕に本文から抜き出しなさい。・意識しない(1.1.1)
・透明で気にならなかった(1.1.3)
・透明で気にならないもの(1.1.5)
・気にならないいわば透明なもの(1.2.4)
⇳ 二項対立 ⇳
B 〔 〕とき(← 〔 〕は25字以内で)
・強く意識する(1.1.2)
・〔 〕
・〔 〕
・〔 〕
・〔 〕
② C「法律や制度」(1.2.5)と二項対立になる語句を空欄〔 〕に書き入れなさい。
●C「法律や制度」(1.2.5)
⇳ 二項対立 ⇳
〔 〕
💥解読💥
① 「法律や制度」をどのような二項対立でとらえていますか。AにならってBの空欄〔 〕に本文から抜き出しなさい。
・意識しない(1.1.1)
・透明で気にならなかった(1.1.3)
・透明で気にならないもの(1.1.5)
・気にならないいわば透明なもの(1.2.4)
⇳ 二項対立 ⇳
B 〔法律的に問題を解決しなければならなくなった (21字)(1.1.2)〕とき
・強く意識する(1.1.2)
・〔不透明な抵抗物(となって)(1.1.3)〕
・〔社会的な、さらには物理的な拘束力を持ったもの(1.1.4)〕
・〔独自の存在性を持った抵抗物へ、そしてさらに社会的・物理的な拘束力を持ったもの(1.1.5)〕
・〔無視しがたい不透明な抵抗物へ、さらに社会的・物理的な拘束力を持ったもの(1.2.4)〕
② C「法律や制度」(1.2.5)と二項対立になる語句を空欄〔 〕に書き入れなさい。
〔自然にある物や物質的な製作物(1.2.5)〕
2
💥設問💥
①「両者が結びついている」(2.1.4)の「両者」とは、何と何か。
②「個々人のうちにも社会は内面化されている」(2.1.5 )とは、わかりやすく言うとどういうことか、自分の言い方で説明してみよう。
③「それらの仲立ちなしには社会生活が円滑に営めなくなる」(2.2.10 )の「それら」とは何をさしているのか、説明してみよう。
④「所有地」(2.3.3 )とは、ここではどういうものの例としてあげてあるのかまとめとみよう。
💥解読💥
①「両者が結びついている」(2.1.4)の「両者」とは、何と何か。
個人と社会(←2.1.2・3)
②「個々人のうちにも社会は内面化されている」(2.1.5 )とは、わかりやすく言うとどういうことか、自分の言い方で説明しなさい。
解答例…私たち人間は、自覚していなくても、社会の一員としてふるまおう、社会に関与しよう、社会を作り上げていこうする属性が、内面に存在していること。
↑ ↑ ↑ ↑
人間は「社会的存在である」と言われますが、その内実になるようなことをまとめています。
③「それらの仲立ちなしには社会生活が円滑に営めなくなる」(2.2.10 )の「それら」とは何をさしているのか、説明してみよう。
人間が労働によって自然の物体にはたらきかけて作りだしたさまざまなもの(← 2.2.6 )
④「所有地」(2.3.3 )とは、ここではどういうものの例としてあげてあるのかまとめとみよう。
人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなもの(← 2.3.1 )
3
💥設問💥
①「第一の自然」(3.1.6)、「第二の自然」(3.1.2)とは、ここではそれぞれ具体的にはどういうものでどういう性格のものか。わかりやすく説明しなさい。
②「仮構的なものでありながら、それでいて現実的な力と意味を持っている」(3.3.1)について、
(1)「仮構的なものでありながら、それでいて現実的な力と意味を持っている」とはどういうことをいうものか。本文の語句を使って詳しく説明してみよう。
(2)具体的な例をあげて説明してみよう。
③ 法律や制度が「私たち人間を支配してくるようになるのである」(3.4.3)というのは、どういうことを述べようとしているのか、ことばを補いながら説明してみよう。
💥解読💥
①「第一の自然」(3.1.6)、「第二の自然」(3.1.2)とは、ここではそれぞれ具体的にはどういうものでどういう性格のものか。わかりやすく説明しなさい。
解答例…「第一の自然」とは、「自然・物質的な環境のことで、私たちの意志のはたらきの有無にかかわらず存在している」(3.1.6)もの。「第二の自然」とは、法や制度のことで、「わたしたち人間の意志のはたらきによって作りだされたもの」(3.1.1)でありながら、「人間から独立した客観的な実在として私たちに対して一つの環境を形作る」(3.1.2)もの。
②「仮構的なものでありながら、それでいて現実的な力と意味を持っている」(3.3.1)について、
(1)「仮構的なものでありながら、それでいて現実的な力と意味を持っている」とは、ここではどういうことをいうものか。本文の語句を使って詳しく説明してみよう。
解答例…法律や制度は、「人間の意志」(3.1.1)といういうような観念的で抽象的なものを、「文字化し文書化」(3.2.2)するなどして「客観化したもの」(3.2.1)であるから、「自然や物質的環境」(3.1.3)とは異質な仮構的(フィクショナル)なものである。そうでありながら、法律や制度は、「社会的な現実を自己の観点から組織して、一つの現実的な力となるのである」(3.2.2)。法律の場合は「違反者を逮捕したり身柄を拘禁」(3.2.4)することもあるように「物質的な性格」(3.2.4)を持つ。
(2)具体的な例をあげて説明してみよう。
解答例… たとえば、法律の例で、信号機がなく明確に優先関係が決まっていない十字路交差点では、左側から十字路交差点に進入する車両が優先となり(道路交通法36条1項)、これに違反したら罰金や行政的な処分をうけなければならないことになっている。この決まりは、安全でスムースな車の通行を可能にするために便宜的に決めたルールです。したがって、例えば、零下になったら水は凍結して個体となり、100度を越えたら蒸気となって気体となるというような自然や物質の性質やあり方とは異質なものです。
↑ ↑ ↑ ↑
そのほか、車両の右側走行を決めている国があったり、飲酒のできる年齢が国によって異なっていたり、結婚制度で一夫多妻制を認めている国があったりして、法や制度は、それぞれの国の歴史や宗教や習俗などというきわめて人間の要素の強いものによって立法されていて、違法になったり合法になったりしますよね。水が固体になったり気体になったりする性質が国によっては異なることはないのとは対照的。自分で思いつく例を文章にまとめてみましょう。書くと必ず筋力つきますよ 😉
③ 法律や制度が「私たち人間を支配してくるようになるのである」(3.4.3)というのは、どういうことを述べようとしているのか、ことばを補いながら説明しなさい。
解答例… 法律や制度は、「惰性的・慣性的な性格」(3.4.1)が強まると、それを作った人間の「共同の意志」(3.4.1)を離れて、固有の力をふるうこととなり、私たちに不便で窮屈な生活を強いたり、管理的懲罰的な社会となったりすること。
↑ ↑ ↑ ↑
「私たちに不便で窮屈な生活を強いたり、管理的懲罰的な社会となったりする」を補った解答例です。
社会の安定のためとして言論や集会の自由を極度に制限している国があり、そこで私たちにとってはごく普通で正当だなあと思われる言動をする人たちを拘束し懲罰しているニュースが伝えられていますね。😖
「制度による…人間の疎外」(3.4.5)が、この段落でのキーフレーズとなります。
4
💥設問💥
「歴史の内で私たち人間によって無意識に作られた、目に見えない制度」(4.1.5)の具体例としてあげてあるものをすべて記してみよう。
💥解読💥
「歴史の内で私たち人間によって無意識に作られた、目に見えない制度」(4.1.5)の具体例としてあげてあるものをすべて記してみよう。
慣習 習俗 共通の言語体系 共通のものの感じ方のシステムつまり感性構造
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(次の段落の「年中行事(祭りを含む)、贈与儀礼、出生儀礼、婚礼、葬制、祖先祭祀、物忌み、社会的差別、それに芸能や文化の諸形態」(5.1.1)「作法や儀式のしかた」(5.1.6)も上げられます。広範囲にわたって私たちが規範としていることになります。)
5
💥設問💥
①男女の結びつきについて、筆者は前近代と近代以降をどうとらえているのか整理してみよう。
(1)筆者は一般的なとらえ方をどのようなものとしているか、抜き出してみよう。
前近代のあり方→
近代以降の在り方→
(2)近代以降の在り方を筆者自身はどうとらえているか、まとめてみよう。
(3)筆者は、結局、前近代と近代以降を比較してどうであるとしているのか、まとめてみよう
②「合目的的な無意識のはたらき」とはどういうことか説明しなさい。
③ 次は、問題本文で述べられている筆者の近代恋愛論を概説した一文である。文意が通るように、空欄に本文中から適切な語、または、一続きの語・語句を抜き出して記しなさい。
ただし、イは13字、ロは2字、ハは3字、ニは21字、ホは8字とします。
近代的な恋愛は、特に[ イ ]によって[ ロ ]を与えられており、それを[ ハ ]することによって、近代的な恋愛が[ ニ ]であると錯覚しているが、これもまた、[ ホ ]の一例である。
💥解読💥
①男女の結びつきについて、筆者は前近代と近代以降をどうとらえているのか整理してみよう。
(1)筆者は一般的なとらえ方をどのようなものとしているか、抜き出してみよう。
前近代のあり方→「古い封建的なもの、束縛された非人間的なもの」(5.2.2)
近代以降の在り方→「個人としての人間を解放する」もの、「近代的で新しいもの、人間的なもの」(5.3.1)
(2)近代以降の在り方を筆者自身はどうとらえているか、まとめてみよう。
「歴史的な近代の産物、つまり作られたもの、制度的なもの」(5.3.4)、「近代的な恋愛において、感情や感受性も秩序立てられ、制度化されている」(5.4.1)
「その時代やその社会に広く読まれた作家の小説や手紙」(5.4.5)などを通じて作られた近代的な恋愛の制度によって、「感情も感受性も秩序立てられ」(5.4.1)ているもの。
(3)筆者は、結局、前近代と近代以降を比較してどうであるとしているのか、まとめてみよう
解答例… 男女の結びつきにおいて、どちらも「感情や感受性も秩序立てられ、制度化されている」(5.4.1)もの。つまり、どちらも「目に見えない制度」に則(のっと)るものだ。
↑ ↑ ↑ ↑
どういうことか、よく理解するのがむずかしい主張だと思いますので、スペインの闘牛の楽しみ方の例をあげます。
牛をもてあそんだあげく、剣で刺殺する競技、あんなに楽しめるものか?とも思います。②「合目的的な無意識のはたらき」とはどういうことか説明しなさい。
解答例… 人間には、自分の所属する集団の一員として、全員の「目的にかなった合理的な秩序の形成」(5.5.7)に、「無意識のうちに」(5.5.4)「協力する」(5.5.7)性質があること。
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「無意識」「目的」「秩序」のキー・ワードに注目して。
③ 次は、問題本文で述べられている筆者の近代恋愛論を概説した一文である。文意が通るように、空欄に本文中から適切な語、または、一続きの語・語句を抜き出して記しなさい。
ただし、イは13字、ロは2字、ハは3字、ニは21字、ホは8字とします。
近代的な恋愛は、特に[ イ ]によって[ ロ ]を与えられており、それを[ ハ ]することによって、近代的な恋愛が[ ニ ]であると錯覚しているが、これもまた、[ ホ ]の一例である。
イ 合目的的な無意識のはたらき(5.5.5)
6
💥設問💥
第1段落から第6段落までの全体を60~80字の一文で要約してみよう。
💥解読💥
解答例… 私たち人間は意識的および無意識的に多くの制度、つまり合目的な秩序を形作り、それらを仲立ちとして互いに結びつき、共同社会を形作っている。(69字)
😄やりきれた人、筋力アップしていますよ😄
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