初冠（伊勢物語）exercise

 初冠（伊勢物語）

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exercise 解答例／解説

解答例

問１ａ　ういこうぶり  ｄ　かりぎぬ  ｅ　すそ  ｆ　むかしびと

問２ｂ　領有する縁で  　ｃ　若々しく美しい姉妹  ｇ　熱烈な風雅なふるまい

問３①　旧都にいかにも不似合いなさまで住んでいたので

　　③　折にあった風流なこととでも思ったのであろうか　

問４・「春日野の若紫のすり衣」が「しのぶの乱れ」をひきだす序詞。

・ 「春日野の若紫」が「女はらから」の比喩。

　　・「しのぶの乱れ」が「しのぶずりの乱れ模様」と「恋いしのび乱れる心」との掛詞として使われている。

問５１　「そめ」が「染め」と「初め」の両意で使われている掛詞であり、「しのぶもぢずり」と「染め」が縁語。

　　２　私の心が乱れたのはもっぱらあなたのせいです。

問６・  場面にふさわしい古歌を踏まえた歌を送ったこと。

 　・  歌を送る際の手段が気が利いていたこと。

 　・　時をおかず機敏に歌を送ったこと。　

解説

問１　ａ…「ういかぶり・ういかむり・ういこうむり」とも読みますので、それも正解。男子の成人式、１２から１６歳にかけて行われていた。元服と同じ。女性の場合、「裳着(もぎ)」「髪上げ」と言います。

ｄ…「かりごろも」とも読みますので、それも正解。もと狩り用の衣服だったが、貴族の常用服となる。

ｅｆ…（略）

問２　ｂ…「知る・領る・治る」などと書き、治める・統治するの意があります。「して」は手段を表す格助詞。

ｃ…「なまめく」は、若々しく美しい、優美だ、上品だの意。「なまめいたる」は、「なまめい（カ四・動・「なまめく」の連用「なまめき」のイ音便）＋完了・助動「たり」の連体」。「はらから」は兄弟姉妹の意。

ｇ…「いち早し」は、激しく熱烈であるの意。「みやび」は、上品で優雅なこと、風雅、風流。

問３　①…「ふるさと（＝旧都）」、「はしたなし（＝中途半端だ）」は現代語とは意味が異なること、「けれ（過去の助動詞・けり・已然形）＋ば（接続助詞）」は確定条件であることに注意してください。魅力的な女性は都に存在するという思い込み（前提と言ってもいい）を裏切って、寂れた旧都に見出したことがいっそう「男」の心を掻き立てたのです。

③…ついで（名）＋おもしろき（形・体）＋こと（名）＋と（格助詞・引用）＋も（係助）＋や（係助・疑問）＋思ひ（ハ四動・用）＋けむ（助動・過去推量・体・「や」の結び）。「ついで」は、折・機会の意、成人したこと、狩猟先の寂れた昔の都で美しい姉妹を見出したこと。「おもしろし」は、興味深い、趣深いの意。

問４　枕詞は、五音が普通。「あかねさす」は「日・昼・紫・君」にかかるように、枕詞とかかる言葉決まっています。一方、「序詞」は「枕詞」のようにかかる言葉は一定せず、自由に修飾します。

問５　１　縁語とは、一首中のある語と密接な関係がある語を、互いに縁語と言います。掛詞の技巧と共に使われることが多い。

　　　２　「乱れそめ（マ下ニ・連用）＋に（助動・完了・ぬ・連用）＋し（助動・過去・き・連体）＋我（名詞）＋なら（助動・断定・なり・未然）＋なく（助動・打消・ず・ク語法）＋に（接続助詞・逆・確定）」。「なくに」で、～ナイコトダナア、ナイコトダノニ、ナイノニ、ナイコトダカラの意。

問６　・　場面にふさわしい古歌を踏まえた歌を送ったこと。（２３字。「しのぶもぢずり」にことよせて、恋心を詠んでいる古歌の趣向と同じ。）　

・　歌を送る際の手段が気が利いていたこと。（１９字。「着たりける狩衣の裾を切りて、歌を書きてやる」とある。）

 　　・　時をおかず機敏に歌を送ったこと。（１７字。「追ひつきて」とある。）

★　「いちはやきみやび」とは、「はげしくも優雅なふるまい」の意。成人するとは、結婚有資格者となること。うらさびれた古都で若く魅力的な姉妹を発見するというシチュエーション。着用していた「しのぶずり」の狩衣を切り取り、それに「しのぶずり」にことよせた恋歌を書き付けて贈る。成人したばかりの男性が成人らしく振舞おうと背伸びしたとも言える行為。「春日野の」という歌の力が喚起した物語となっている。

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