御前にて人々とも
(枕草子)
exercise
御前にて人々とも(枕草子)exercise 解答/解説
解答
問1 a 強意(確述)の助動詞「ぬ」の未然形。 c 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の撥音便(「ん」の無表記)。
問2 b 推定 f 強意 d 賜はする e あらめ g 言ふ i 遣る
g ロ ニ → ホ h イ ニ → ヘ i ハ ニ → ホ
問3① 生きていくことができそうだ。
② 思い捨てることはできそうもない。
③ 作者が紙や莚などで簡単に長生きできる気分になること。 (26字)
④ 作者が宮中に帰参すること。
問4(1)かしこし
(2)自分でも忘れてしまったことを中宮様が覚えていてくださったのは、並一通りのことではないので。(45字)
問5 かみ。「神」と「紙」が掛けられている。
問6 姨捨山の月
姨捨山の月は、いったいどんな人が見たのだろうか。
問7 わろかめれ
(この紙は)上等ではなさそうなので、寿命経も書けそうもないようだが。
解説
問1a…終助詞「ばや」に接続しているので、「な」は未然形、未然が「な」となるのは完了・強意の「ぬ」、「ぬ」は連用接続で直前の「し」はサ変動の連用形で矛盾しない。
c…「祈り」という体言に続き、断定の助動詞「なり」(体・体言接続)に接続するので、推定の助動詞「なり」、連体の撥音便の「ん」の無表記。
b…「慰む」はマ行四段動の連体か終止、「なる」は、連体なら断定の助動詞、終止なら伝聞推定の「なり」。文脈から、~ヨウダ 推定と識別。 f…「べき」(終止接続)にしているので、「ぬ」は完了強意の助動詞「ぬ」の終止、「ぬべし」「つべし」の「ぬ」「つ」は強意になることが多い。
d… 難しい問。この手紙は「仰せ書き」といって、中宮がおっしゃったことをお付の女房がその内容を書き取ったもの。よって「きこしめしおき」のように中宮自身に敬意を表す敬語が使われている。解答は「本文中の語」とあるので「賜はす」(お与えになる・サ行下ニ)、「なむ」の結びとなるので「賜はする」が正解となる。 e…「にぞ」「にこそ」では結び(が省略されることが多い。理解していない人は、文法テキスト「結びの省略」のページで確認してください。
g「啓す」…東宮あるいは中宮に言フの謙譲語、後に「啓上する」と一般的に使われるようになった
i「参らす」…遣ルの謙譲語、差し上げるの意。
問2 敬語の用法【①敬語の種類と②敬意の方向(誰から誰に敬意を表すのか)】を理解しましょう。
① 敬語の種類…尊敬・謙譲・丁寧。教科書などででてきたものから憶えていきましょう。
② 敬意の方向(誰から誰に敬意を表すのか)
誰から 地の文→作者から
会話文・手紙文→話し手から・書き手から
誰へ 尊敬語→動作主へ
謙譲語→行為の受け手へ
丁寧語→読み手・聞き手へ
g「啓す」は、東宮・中宮へ申し上げる、「言ふ」の謙譲語。h「給ふ」は、尊敬の補助動詞。i「参らす」は、「遣る」の謙譲語。
問3①「生き(動カ上ニ生く用)/て(接助)あり(動ラあり用)/ぬ(助動詞ぬ終)べか(助動詞可能べし体撥)/めり(助動詞めり推量)」
②…「え(副詞。下に打ち消しの言葉を伴って不可能~デキナイの意になる。)/思ひ捨つ(動タ下ニ終)/まじ(助動詞打消意志まじ終)。
③…「とても手軽な災難よけの祈りのようですね」の意。作者が紙や莚などで長生きできる気分になることへの他の女房の批評的なことば。
④…「参る」は参上する、参内するの意。ここは命令形。中宮のいる宮中に早くもどれと促している。
問4⑤「いみじうをかし」について、
(1)
たいそうおもしろいとも解釈されるが、直後の「思ひ忘れたりつることを、思しおかせたまへりけるは、なほ、ただ人にてだにをかしかべし。まいて、おろかなるべきことにぞあらぬや。」から興趣を越えた受け取り方をしているととらえた。すなわち、畏れ多いの意。
(2)
(3)を参照。
問5 《略》
問6 「姨捨山の月は、いかなる人の見けるにか」の一文。「姥捨山の月は、いったいどんな人が見たのだろうか」の意。
「我が心慰めかねつ更級や姥捨て山に照る月を見て(私の心をどうしてもなぐさめることができないでいる。更級のその名も姥捨て山の月を見ていて。)」という古今歌を念頭に、「姥捨て山の月を見ても慰められない人ほどの悩みではないのかしら」と「からかい気味に優雅な言い方をして、周りを和やかな雰囲気にしようとしている」と考えます。
問7 「わろかめれば寿命経もえ書くまじげにこそ」の一文。「この紙は上等ではなさそうなので、寿命経(延命を祈るお経)も書けそうもないようだが。」の意。
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