森鷗外
「舞姫」1/5・ 2/5
exercise
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問1a 任 c 浮 d 憂 e いと
b 無責任な発言 f 昔を懐かしむ心
問2 ウ
b 無責任な発言 f 昔を懐かしむ心
問2 ウ
問3 五年前の洋行の際の好奇心のままに見るもの聞くものすべてを珍しげに新聞に書き送っていた我が身を振り返り、その若気の至りを思慮ある人たちにどのように見られていたかを気にする内向的な心境である。 (94字)
問4 「昔の我」は見聞するものみな珍しく、筆にまかせて紀行文を書いたが、「今の我」は買った日記帳も白紙のままである。
問5 腸日ごとに九回すともいふべき惨痛 (一六字)
問6⑤ エ ⑥ イ
問7(1)サイゴンの港の船の中で、五年ぶりの帰国途上の夜。
(2)この恨みを銷せん (八字)
舞姫 1/5 exercise 解説
問2 直接には蒸気船の燃料をすでに積み終えたという意味。簡潔な一文。消去法でもウが残る。
問3 「心ある人」は思慮・教養のある人。「いかにか見けむ」は、(私の紀行文を)どう見たであろうか、の意。「筆に任せて書き記しつる紀行文日ごとに幾千言をかなしけん、当時の新聞に載せられて、世の人にもてはやされしかど、今日になりて思へば、幼き思想、身のほど知らぬ放言、さらぬも尋常の動植金石、さては風俗などをさへ珍しげに記しし」に着目して、当時の拙さを省みる「心境」をまとめる。
問4 「第一段落中の言葉を用いて」に注意。「昔の我」は「耳に聞くもの、一つとして新たならぬはなく、筆に任せて書き記しつる紀行文」、「今の我」は「日記ものせんとて買ひし冊子もまだ白紙のままなる」とある。
問5 「腸日ごとに九回す」とは、心の悩みもだえることの比喩。「一五字程度」もヒント。
問6「この恨み」が、発生→成長→凝固のプロセスで書かれている。
「一炊の夢」は人の人生が儚いことのたとえ。「一輪の名月」「一掬の涙」「一味の清風」は誤表現。
問7(1) 第一段落の「五年前のことなりしが、…洋行の官命をかうむり、このセイゴンの港まで来しころは…こたびは途に上りしとき、」とある。
(2) 「この恨み」は容易に消し去ることができるとは思わないが、「その概略」を書いてみよう、ということである。
一
問1a ほ b 怠 c 励 d 穏 e 覆
問2①洋行の官命(政府からの命令)である「一課の事務を取り調べ」として、人と多く会って交渉し、報告書を作っていくという公的な仕事から解放された余暇のこと。
②昨日までの我ならぬ我・生きたる辞書・生きたる法律・心のままに用ゐるべき器械
④我が母は余 ~ ぶべからず
⑤(解答例) 西欧の知識を可能な限り吸収して身につけることは無意味ではないが、法律とその運用について熟知するだけでは無味乾燥だと思ったから。
⑥論じ ・ 広言
⑦おもしろみがわかる境地
問3A 自由なる大学の風
B まことの我 C 独立の思想
二
問1a 避 b 欺 c 顧 d 縛 e 豪傑 問2f ウ g ア
問3① 活発なる同郷の人々 (九字)
② 豊太郎が留学生仲間との遊びにつきあおうとしなかった理由。 (28字)
③ 自己を欺き、外界に関心を持たず、大人に言われたとおりに励んできた。 (三三字)
④ ・生まれながら ・早く父を失ひて母の手に育てられしによりて
⑤ 豊太郎は心が弱く勇気がないために交際したがらないので、妬むに値するようなものではないから。
⑥ 暫時の間に無量の難関 (一〇字))
問2 ①…「いとま」とは用事のない時間。「官事」は次段に「取り調べもしだいにはかどりゆけば、急ぐことをば報告書に作りて送り、さらぬをば写しとどめて」とある。
②…「所動」とは「動く所となる」と訓読でき(漢文の受身の句法「為A所B」=AノBスル所ト為ル=AにBされるを思い出して)、受身の意。ここで否定的に挙げられている「我」、最終段の「人並みならぬ面もちしたる男」と対照的な「我」となる。
③…「所動的、器械的の人物」とは対照的な生き方をする人物、最終段「人並みならぬ面もちしたる」
④…《略》
⑤…前文の「母は余を生きたる辞書となさんとし、我が官長は余を生きたる法律となさんとやしけん」に対応。「辞書たらん」とは、知識を多く身に着けること。「法律たらん」は「法典をよくそらんじ」「法の細目」に通じていること。「解答例」を参照。
⑥… 「いらふ」とは、訊かれたことに答えること、「所動的、器械的」に通じる。「まことの我」に覚醒した豊太郎がとった行動。「広言」とは、無責任なことを言い散らすの意。
⑦… 漢文の故事成語。「蔗」は甘蔗・サトウキビ。
問3 A→B→C。字数はヒントでもあり。「まことの我」の覚醒が問題文全体のキー・ワード。
二
問1 cの「顧みる」は“振り返って考える。気遣うの意。「歴史を顧みる」「家庭を顧みない」のように使う。 「省みる」は“反省するの意。「省みて恥じるところがない」「わが身を省みる」のように使う。
問2 fは古語としての意味。gはザンジと詠む漢語、「漸」(ゼン 次第にの意)ではない。
問3① 「かの人々」は1・2・3段と3回出てくる。日本からの留学生仲間のこと。
② 「この」は指示語、指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。「この故よし」とは、具体的にはどういうことか。30字以内で記しなさい。
ここでは直前の「余がともに麦酒の杯をもあげず、球突きの棒をも取らぬ」をまとめる。
③ 直後の「自ら欺き、人をさへ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、ただ一筋にたどりし」をまとめる。
④ 自分は有能で忍耐強い豪傑だと思っていたが、横浜港を出港する際自然と涙があふれてきた。その時自分の弱い「本性」に気づいたと語られている。そうである原因は、直後「生まれながらにやありけん、また早く父を失ひて母の手に育てられしによりてや生じけん」と語られている。
⑤ 「嫉む」とは、他人の長所・幸福がうらやましくて、憎らしいと思うの意。直後の「弱くふびんなる心」など妬むに値しないものを妬むのは「愚かならずや」ということになる。
⑥ 直後の「かの人々はただ余を嘲り、余を嫉むのみならで、また余を猜疑することとなりぬ。これぞ余が冤罪を身に負ひて、暫時の間に無量の艱難を閲し尽くすなかだちなりける」と追っていく。「無量の艱難を閲し尽くし」とは、計り知れない苦しみを経験するの意。
舞姫 2/5 exercise 解説
一
問1 漢字をないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルだよ。漢字の平常テストは地道にやること。高校を卒業したら漢字テストなど誰もやってくれません。これから一生の漢字力になります。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しなが進めてね。 高校を卒業したら漢字の書き取りなど誰もやってくれません。今のトレーニングが一生の漢字力筋力となります。問2 ①…「いとま」とは用事のない時間。「官事」は次段に「取り調べもしだいにはかどりゆけば、急ぐことをば報告書に作りて送り、さらぬをば写しとどめて」とある。
②…「所動」とは「動く所となる」と訓読でき(漢文の受身の句法「為A所B」=AノBスル所ト為ル=AにBされるを思い出して)、受身の意。ここで否定的に挙げられている「我」、最終段の「人並みならぬ面もちしたる男」と対照的な「我」となる。
③…「所動的、器械的の人物」とは対照的な生き方をする人物、最終段「人並みならぬ面もちしたる」
④…《略》
⑤…前文の「母は余を生きたる辞書となさんとし、我が官長は余を生きたる法律となさんとやしけん」に対応。「辞書たらん」とは、知識を多く身に着けること。「法律たらん」は「法典をよくそらんじ」「法の細目」に通じていること。「解答例」を参照。
⑥… 「いらふ」とは、訊かれたことに答えること、「所動的、器械的」に通じる。「まことの我」に覚醒した豊太郎がとった行動。「広言」とは、無責任なことを言い散らすの意。
⑦… 漢文の故事成語。「蔗」は甘蔗・サトウキビ。
問3 A→B→C。字数はヒントでもあり。「まことの我」の覚醒が問題文全体のキー・ワード。
二
問1 cの「顧みる」は“振り返って考える。気遣うの意。「歴史を顧みる」「家庭を顧みない」のように使う。 「省みる」は“反省するの意。「省みて恥じるところがない」「わが身を省みる」のように使う。
問2 fは古語としての意味。gはザンジと詠む漢語、「漸」(ゼン 次第にの意)ではない。
問3① 「かの人々」は1・2・3段と3回出てくる。日本からの留学生仲間のこと。
② 「この」は指示語、指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。「この故よし」とは、具体的にはどういうことか。30字以内で記しなさい。
ここでは直前の「余がともに麦酒の杯をもあげず、球突きの棒をも取らぬ」をまとめる。
③ 直後の「自ら欺き、人をさへ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、ただ一筋にたどりし」をまとめる。
④ 自分は有能で忍耐強い豪傑だと思っていたが、横浜港を出港する際自然と涙があふれてきた。その時自分の弱い「本性」に気づいたと語られている。そうである原因は、直後「生まれながらにやありけん、また早く父を失ひて母の手に育てられしによりてや生じけん」と語られている。
⑤ 「嫉む」とは、他人の長所・幸福がうらやましくて、憎らしいと思うの意。直後の「弱くふびんなる心」など妬むに値しないものを妬むのは「愚かならずや」ということになる。
⑥ 直後の「かの人々はただ余を嘲り、余を嫉むのみならで、また余を猜疑することとなりぬ。これぞ余が冤罪を身に負ひて、暫時の間に無量の艱難を閲し尽くすなかだちなりける」と追っていく。「無量の艱難を閲し尽くし」とは、計り知れない苦しみを経験するの意。
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