森鷗外
「舞姫」4/5・ 5/5
exercise 解答/解説
「舞姫」(森鷗外)4/5 問題/exerciceへ
「舞姫」(森鷗外)4/5 exercise 解答例/解説
【一】解答例
問一(ア) 郵便 (イ) 消印 (ウ) 報酬 (エ) 丁寧 (オ) 凍
問二 a ア b イ
問三 生計(生活費を稼ぐこと)に追われ、学問に費用やす時間が失われていく現実の中で将来への不安が募るのに加えて、エリス懐妊がその不安をいや増して、胸の中はいそう塞がれていたから。
問四 よしや富貴になったまふ日はありとも、我をば見捨てたまはじ。
問五 豊太郎が大臣の前で恥をかいてはならないという気配りと、自分たちの前途が開けるのではという期待感。
問六 大臣は見たくもなし。ただ年久しく別れたりし友にこそ会には行け。
【一】解説
問一 漢字、ないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルだよ。漢字の平常テストは地道にやること。高校を卒業したら漢字テストなど誰もやってくれない。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。 それもただ漢字を無駄のではなく、前後の考慮(配慮)・内容を把握しなが進めてね。 高校を卒業したら漢字の書き取りなど誰もしてくれません。IT・AIの時代だから必要ない…ほんと ?
問三 ①「これまでの内容も思い出して」とある。「わが官を免じ、我が職を解いたり」(「その名を…」の段)、「学成らずして…学資を得べき手立てなし」(「公使に約せし…」の段)、「あるかなきかの収入」(「社の報酬は…」の段)、「我が学問は荒みぬ」(2か所)、エリスの妊娠を「もしまことなりせばいかにせまし」としている(「明治二十一年の冬…)」の段と辿ると、解答例のようになる。〔見通しのない生活+エリスの懐妊=いやまさる不安〕というパターンでまとめてある。
問四 「大臣」から呼ばれる正装姿の豊太郎を見て、「なにとなく我が豊太郎の君とは見えず」とエリスは出自の違いを思い知られることとなり、自分は見捨てられることになるのではという不安がよぎることとなる。
問五 直後の「大臣にまみえもやせんと思へばならん、エリスは病をつとめて起ち、上襦袢もきはめて白きを選び、丁寧にしまひ置きしゲエロツクといふ二列ぼたんの服を出だして着せ、襟飾りさへ余がために手づから結びつ。」から読み取れるエリスの心中。大臣に拝謁する豊太郎への気遣いと、大臣に拝謁することによってもたらせられる二人の将来への期待の2点をまとめている。
問六 「なに、富貴。」とは「富貴(金持で地位・身分が高いこと)など考えない。」の意。豊太郎が外出しながら、大臣に同行した相沢に会いに行く目的がそのあと語られている。
【二】解答例
問一(ア) 学識 (イ) シ (ウ) 損 (エ) いな (オ) 貧
問二 Aウ Bオ Cア
問三A 豊太郎の独逸語の能力。
問四・語学の才能を示して大臣の信用を求めること。
・エリスとの関係を断つこと。
問五 余は守ると
問六 慣習といふ一種の惰性より生じた交はり (一九字)
問七 心のうちに一種の寒さを覚えき(一四字)
【二】解説
問二 Aは「容易には」の意の古語、Bは「今となっては」の意の古語、Cは逆接の古語。
問三 直接には直前の「その能」を指す。、「その能」とは「天方伯もただ独逸語を利用せんの心のみなり」から、「豊太郎の独逸語の能力」のこと。
問六 「またかの少女との関係は、よしや彼に誠ありとも、よしや情交は深くなるぬとも、人材を知りての恋にならず、慣れといふ一種の惰性より生じたる交はりなり」とある。 男女の関係や結婚は、家柄・社会的地位など相応であるべきという考え方。 当時では常識中の常識。 相沢は、エリスとは成り行き任せの仲だとしている。
【三】解答例
問一(ア)ホンヤク (イ) 不意(ウ) 覆(エ) 籍(オ) 悩み
問二 a イ b ア
問三 近ごろ故郷にてありしことなどをあげて余が意見を問ひ、折に触れては道中にて人々の失策ありしことどもを告げてうち笑ひたまひき
問四 自分が信頼している人からものを言われると、よく考えても承諾して、なかなか困難にもかかわらず無理に実行してしまうこと。
問五 ウ
問六 来週朝早くエリスをば母につけて知る人がり出だしやりつ。
問七 (1)森(※オウ)外 (2)オ (※オウ)は教科書などで確認を
【三】解説
問三 「初めは伯の言葉も用事のみなりしが、後には近ごろ故郷にてありしことなどをあげて余が意見を問ひ、折に触れては道中にて人々の失策ありしことどもを告げてうち笑ひたまひき」と
「用事」=公務に関することのみから、次第に世間話に類することを口にして、豊太郎への信頼をみせ打ち解けるようになったとしている。
問四 直後「この答へはいち早く決断して言ひしにあらず。余は己が信じて頼む心を生じたる人に、卒然ものを問はれたるときは、咄嗟の間、その答への範囲をよくも量らず、直ちにうべなふことあり。さてうべなひしうへにて、そのなし難きに心づきても、強ひて当時の心虚なりしを覆ひ隠し、耐忍してこれを実行することしばしばなり。」をまとめる。
問五 エリスと会ったばかりのころ、「我が恥なき人とならん」ことから救ってくれ(『「我を救ひたまへ、君。』の段)、また、座頭の「身勝手なる言いひかけ」に従わなかった(「かれは優れて美…」の段)とあった。
問六 「さすがに心細きことのみ多きこのほど、出で行く後に残らんも物憂かるために、また停車場にて涙こぼしなどしたらんには後ろめたかるべればとて、翌朝早くエリスをば母につけ「て知る人がり出だしし。」とある。
【四】解答例
問一(ア) 鈍(イ) 誓(ウ) 除夜(エ) せきぜん(じゃくねん)(オ) ひげ
問二 イ
問三① これに未来の希望をつなぐこと ② 大臣の信用
問四 冷然たりしか (六字)
問五 帰国して立身出世の道を選ぶか、このままエリスとの生活を続けるかに。
問六 イ
【四】解説
問二 「されど」は逆接の接続助詞、シカシ、「ああ」は感動詞、「さて」は話題転換の接続詞、「まことに」…本当に意の副詞。イかエが候補。問三 指示語の指示内容は、直前、その直前…と受け止め、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。なければいけないとか、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも覚えておいてください 問五 直後の「故郷を思ふ念と栄達を求めるむる心とは、時として愛情を圧せんとせし」から相対選択を考える。
問六 「恥ずかしづかしきは我がニブキ心なり」 「頼みし胸中の鏡は曇りたり」 「こは足を縛って放たれし鳥のしばし羽を動かして自由を得て誇りに」 「はにあらずや」「心の心はこのときまでも定まらない」とある。内面の弱点・脆さが語られている。
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「舞姫」(森鷗外) 5/5 演習 解答例/解説
【一】解答例
問一(ア) 滞(イ) 滞留(ウ) 偽(エ) 歩道(オ) 凍
問二 ドイツでできたしがらみや(面倒見なければ妻や子などの)人間関係。
問三 エリスとの関係は何も言わず、自分の栄達・保身のため帰国を承知した点。
問四 エ
問五 恥を恥とも感じないこと。
問六 黒がねの額
問七 激しき寒さ骨に徹す (九字)
問八 我が脳中に
【一】解説
問一 漢字を使わないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルだよ。漢字の平常テストは地道にやること。高校を卒業したら漢字テストなど誰もやってくれません。これから一生の漢字力になります。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。 それもただ漢字を足りないのではなく、適宜の配慮(手間)・内容を把握しなが進めてね。 高校を卒業したら漢字の書き取りなど誰もやってくれませんん。今の訓練が一生の漢字筋力となります。
問二 「係累」とは、妻子など面倒を見なくてはならない一族の意。
問三 「特操」とは、常に正義を守る堅い節操。
ドイツでの女性関係は清算したと考えている大臣の「私たちと一緒に東に帰る心なきか」という誘いに、「承知はべり。」と答えたこと。
問四 直前に「その気色いなむべくもあらず。あなやと思ひしが、さすがに相沢の言を偽りなりとも言ひ難きに、もしこの手にしもすがらずば、本国をも失ひ、名誉を引き返さん道をも絶ち、身はこの広漠たる欧州大都の人の海に葬られんかと思ふ念、心頭を衝いて起これり」とある。選択肢と一致しないのは、エリスとのことに思い至らなかったこととなる。
問五 「鉄面皮」に類する、「特操なき心」。道義・考えを固く守ることができない心。
問六 直前。エリスとの関係は清算したこととして進行している事実を、説明・弁解・申し開きなどできるはずがない!
問七 「激しき寒さ」は生理面のそれだけではない。
問八 エリスへの罪の意識に関するカ所はいくつかあるが、最終的には、結末の一文。
【二】解答例
問一(ア)繕 (イ) 窮 (ウ) 欺 (エ) 心労 (オ) いく
問二 エリスが妊娠していること。
問三 「我が豊太
問四③ エリスとの関係を断つという約束。
④ 大臣に付いて帰国するという承諾。
問五 心の障害におちいってもなお生まれてくる子供への愛だけは消えないでいる精神状態。
問六 ただ折々思
問七(1)解答例1…相沢が豊太郎の知らない間にエリスに帰国の事実を告げ、彼女を精神的に混乱させて発狂させたこと。
解答例2…相沢が友情からすすめてくれたことが、心ならずもエリスを見捨てる事態を導くものであったこと。
(2)解答例…主体的に自分の運命を選び得なかった自分の弱さ、優柔不断さを。
【二】解説
問二 「顛末」とは、一部の意。相沢がエリスと直接会って知ったことは終結する。
問三 エリスが直太朗を恨む言葉となる。
問四 ③④ いずれもこれまでの筋を
思い出し
てまとめます。
問五 「目は直視しているままで傍らの人をも見知らず、我が名を呼んでいく警戒し、髪をむしり、布団を噛んだりなど、またかに心づきたるさま」 「にて物を探り求めたり。「母の取って与えふる物をばことごとくなげうちし」と異常な精神の状態に置かれた。
問七(1)エリスが発狂したのは、相沢が豊太郎の意図を確認せずに、エリスと縁を切り大臣とともに帰国することエリスを伝えたからである。
(2)エリスへの裏切りを心の罪として受け止め、発狂させて見捨てて帰るという悲劇的な結末を招いたことへの自責の念。「まことの我」に目覚めた自覚はあったが、真に決断する生き方を育みえなかった深い挫折感、癒すことのできない悔恨ともいえる。
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