紫の上の死(源氏物語/御法)3/3 exercise

 紫の上の死 

(源氏物語/御法)3/3 

 exercise  



紫の上の死(源氏物語/御法)3/3 問題・exercise へ

紫の上の死(源氏物語/御法)3/3 exercise解答例

問1 おぼし忘るる

問2a聞こゆ b行ふ c眺む dのたまひおきつ

問3(1) (2)

問4(1)侍り(なむ)  (2)紫の上が秋を好まなかった理由 (14字)

問5(1)宮中

  (2)「あき」が「秋」と「飽き」の掛詞となっており、倒置法が使われている。         


問6(1)暮らさむ(4字) 〔別解〕過ごさむ(4字)
  (2)死別

問7 極楽往生の願い

問8(1) (2)つまらないことであったよ (3)けむ・ぬる・けれ・おはします・ける

問9平安 紫式部 彰子 藤原道長


紫の上の死(源氏物語/御法)3/3 exercise解説

問1 最後尾の文にある「おぼし忘れる」が誤用。現代語の「忘れる」は古語では「忘る」、ラ行下二段活用をする。下二段活用は、〔エ・エ・ウ・ウる・ウれ・エよ〕のパターン。ここでは「おぼし忘る」の連体形「忘るる」。上二段活用の〔イ・イ・ウ・ウる・ウれ・イよ〕とともに再確認してください。「おぼし忘る」はお忘れになるの意。

問2 古文の単語には、現代語と意味の変わらないもの、現代語にはないもの、現代語とは意味だけが異なるものがあります。現代語にはない、または意味だけ異なるものはやはりなじみ深いものではないため、なかなか覚えづらいものです。しかし、試験で問われることが多いのは、現代語にない単語や現代語とは異なる意味を持つ単語です。大学入試では500~700語程度必要。定期考査や平常テストでそのつどインプットしていけば、後で楽。

問3(1)「枯れ果つる野辺」は、秋の物寂しい実景であり、同時にまた、紫の上を失った源氏の胸中と秋好中宮の悲しみの心を象徴する表現。アが解。

  (2)「憂し」は、情けなくつらいと思うの意。そう思うのは、「秋に心をとどめ」なかった「亡き人」=紫の上。イが解。

問4(1) 「消息」は手紙・便りの意。「知られぬる」を、「消息」の読み手の源氏に敬意を表すため丁寧語の「侍り」を使い「知られ侍りぬる」としている。また、「なむ」は中古では会話文・手紙文に用いられた。

  (2) 道理・理由の意。「亡き人の秋に心をとどめざりけむ」理由となる。

問5(1)「雲居」は、「大空・雲・宮中・遠く離れた場所」の意。「大空」を取ると「空のかなたにいる紫の上」の意となり、「宮中」をとると「宮中にいる秋好中宮」の意となる。「枯れ果つる」の返歌としては、後者とするのが自然ともいえる。

  (2)掛詞は、「遭ふ/逢(あふ)坂」・「憂き/浮き」・「起く/置く」・「離(か)る/枯る」・「眺め/長雨」・「波/無み(無イノデ)」・「春/張る」/「日/火/思ひ」・「待つ/松」・「夜/寄る」などがよくつかわれるので頭に入れておくとよい。

     倒置法とは、ことばの順番を、普通とは逆のものにすることです。つまり、一般的な語順(正格)に逆らって、ことばの場所を変えるものです。言いかえれば、通常の語順をひっくり返すレトリックです。倒置により後ろに来た部分を強調したり、意外性をねらうためにあえてコトバの順序を入れかえたり、感情の起伏をありのままに表現することが、結果として倒置になったり、調子を整えて余情を出し、味わいを生むということもあります。

問6(1)「千年をももろともに」=願望と「限りある別れ(命には限りがあり死別は逃れられないこと)」=現実二項対立、それへの感慨が「いとくちをしきわざなりける」と整理できる。千年をも一緒に暮らそう(過ごそう)と思っていたことになる。

  (2)「限りある別れ」とは、命には限りがあり死別は逃れられないこと。「限りの道」「限りある道」など「限り」が死・寿命との関連で使われる

問7 「蓮」はその実が蜂(ハチ)の巣(ス)に似ていることからハチスと詠み、蓮華・蓮台(蓮華の形に作った仏像の台座)の意で使われ、浄土の象徴とされる。「蓮の露」はここでは「蓮の露となる願い」の省略、極楽往生の願い。

問8(1)「蓮の露」「後の世」のため「ひたみちにおぼし立つことたゆみな」いが、「紫の上を失って気弱になったから出家したと言われること」を嫌がった。

  (2)「あぢきなし」とは、道理にはずれている・まともでない/無益だ・つまらないの意。ここでは、出家を決意しながらも世間体を顧慮していることへの評言。情けない・つまらない・おもしろくない。

  (3)冷泉院の后の宮よりも、あはれなる御消息絶えず、尽きせぬことども聞こえ給ひて、

      枯れ果つる野辺を憂しとや亡き人の秋に心をとどめざりけむ

今なむことわり知られ侍りぬる。」とありけるを、ものおぼえぬ御心にも、うち返し、置きがたく見給ふ。言ふかひあり、をかしからむ方の慰めには、この宮ばかりこそおはしけれと、いささかのもの紛るるやうにおぼし続くるにも、涙のこぼるるを、袖のいとまなく、え書きやり給はず。

     上りにし雲居ながらもかへりみよ我あき果てぬ常ならぬ世に

おし包み給ひても、とばかりうちながめておはす。

          すくよかにもおぼされず、我ながら、ことのほかにほれぼれしくおぼし知らるること多かる紛らはしに、女方にぞおはします。仏の御前に、人しげからずもてなして、のどやかに行ひ給ふ。 千年をももろともにとおぼししかど、限りある別れぞ、いとくちをしきわざなりける。今は、 蓮の露もことごとに紛るまじく、のちの世をと、ひたみちにおぼし立つことたゆみなし。されど、 人聞きをはばかり給ふなむ、あぢきなかりける。(以後には該当する箇所はない)

問9 《略》


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