檸檬(梶井基次郎)1/2 exercise

梶井基次郎

檸檬 1/2

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檸檬(梶井基次郎)1/2 exercise 解答/解説

解答

問1各2点 a 焦燥  b 辛抱  c 浮浪  d 趣  e 費  f 凝 g 

   h 街路  i 隣家  j 誘惑  k 往来

    
問2問2~問5は各4点
  ① 贅沢
  ② 裏通り

問3問2~問5は各4点   


問4問2~問5は各4点 果物屋


問5問2~問5は各4点  刺し込んでくる (7字)


問6 DとF2は8点 その他は6点
  A6点 厳しく返済を迫られ、その処理に苦慮するような借金。

  B16点 街の裏通りが好きであった。

  B26点 やがて土に帰ってしまいそうな街のみすぼらしさと対照的に、街のみすぼらしい美しさを際立たせる効果をあげている。


  C6点 現実の私自身を見失うのを楽しむため。

  D8点 えたいの知れない不吉な塊から開放されたいという心情と同時に、その奥で肺尖カタルや神経衰弱をも治したいという心が潜在的に作用していたから。


  E6点 想像力を働かせて美しい世界を築くこと。

  F16点 花火の色や形や弾ける音は後回しにして

  F28点 花火そのものの美しさは華麗であり、むしろよそよそしい美しさに属するものが多いから

  6点 以前「私」を喜ばせた美しい音楽や詩。 (18字)


【おまけ問題】
 1衰弱  2壊  3錯覚  4享楽  5塗
 6誘惑  7奪  8装束  9疲労  10奇怪


解説

問1 漢字をないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルです。漢字の平常テストは地道にやること。高校を卒業したら漢字テストなど誰もやってくれません。これから一生の漢字筋力になります。定期考査の勉強はまず漢字から始めましょう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しなが進めましょう。

問2 ①… 「背を焼く借金」「私にはまるで金がなかった」のに、「一等いい鉛筆を一本買う」のはどういうことといえるか、2字の語。前段にあります。「鉛筆」そのものが貧しい時代・国では貴重なもの、舶来の鉛筆は格別なもの。

   ②… 直前の「先に言ったような…を歩いたり」から、2段落目の「街」の「表通り」と「裏通り」の二項対立に着目「表通り」=「よそよそしい」vs「裏通り」=「好きであった」

問3 「もともと」は副詞、「なっているので」の連用修飾語としてかかっている。

問4 「その家」は同段に「そこの家」「この店」とも書かれている。前段にある「果物屋」。

問5 文意が取りにくい箇所。「裸の電燈が、細長い螺旋棒をきりきり眼の中へ刺し込んでくる(かのように、長く強烈な光線を放射している…暗喩)」。文の構造上は、「刺し込んでくる」が述語

問6 A… 「背を焼くような」は直喩。背中にやけどするような痛みを覚える、それに似た苦痛をもたらす借金。厳しく返済を迫られる、けど、返済する当てがない、ますます厳しく迫られる、そのスパイラルに苦しむような借金。簡潔にまとめる工夫を。

   B1…「私」が「強くひきつけられた」「裏通り」についての叙述。前文の結末に着目。
    2… 「裏通り」=「崩れかかった」「土に帰ってしまう」「崩れていたり」「傾きかかって」VS「びっくりさせるような向日葵があったりカンナが咲いていたり」=華やか・生命力二項対立ととらえ、その効果を考えます。

   C…、「錯覚」はこの段に3箇所あり、キーワード。同段落結末に「私はその中に現実の私自身を見失うのを楽しんだ」と書かれています。「現実の私自身」を「えたいの知れない不吉な塊に苦しめられている私自身」と具体的に書いてもよいでしょう。えたいの知れない不吉な塊に苦しめられている現実の私を忘れるための楽しみ。(HPの答え。36字)

   D… 「私」の精神状態を含めた境遇が1段落から読み取れます。「安静」とは、病気療養のため静かにしていること。「清浄な布団」「横になりたい」をふくめて、「えたいの知れない不吉な塊」から逃れるため裏通りを放浪しているのだが、同時に病気への不安と治したいという潜在的願望を表すもの。

   E… 京都の町にいるのだが、そこが仙台とか長崎の町であるかのように想像すること。その想像が「みすぼらしくて美しいもの」として「私」を慰める

   F1… 「花火」と言うと多くの人が思い浮かべるものを否定し、「私」の美意識が語られていくというコンテクストになります。

    2 花火の「安っぽい」パッケージが「私の心を唆った」と語られていますが、これは何の具体例なのか…そしてそれと対立するものは何か…?と考えていきます。「花火そのもの」は「以前私を喜ばせた…美しい音楽…美しい詩」と同種のもの。2段落の、「表通り」=「よそよそしい」VS.「裏通り」=「親しみのある」のアナロジーと考えればいいでしょう。

   G… 同段落に「重苦しい」「借金取りの亡霊のように私には見えるのだった」とある。1段落の「辛抱ならな」い、「居堪まらずさせる」と同じ性格ととらえられる。


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