紫式部 VS 清少納言
~同時代に活躍した、
天才的で対照的なキャラクター
この世の女性最高位といえる后に仕え、1000年後の現在にも読みつがれている優れた作品を残した、同時代のライバルに紫式部と清少納言がいます。この二人の出自は中流貴族で中宮に仕えている女房という共通の境遇ですが、それぞれの資質・感受性が対照的なのが興味深い。
例えば、『枕草子』の清少納言は、道隆を祖とする中の関白家の絶頂の時期のひとこまを描いたといえる「清涼殿の丑寅のすみの」(こちらを)では、その兄弟たちを畏敬称賛(いけいしょうさん)のまなざしを持って描き、菩薩様であるかのように尊崇の念を抱いている定子からおほめいただいた幸福を率直に語っています。現状肯定的で、ポジティブ・オプティズムな感性と言ってもいい(こちらを)。
それに対して、紫式部は、『紫式部日記』「若宮誕生」(こちらを)などで見られるように、ネガティブ・ペシミズムにものごとを感受し構成し描く傾向が強い。一方では、紫式部はネガティブ・ペシミズムな資質・感受性ゆえに「源氏物語」という長編(原稿用紙2000枚)の物語を書き得たとも言えるのでしょうか(こちらを)。
清少納言『枕草子』の「清涼殿の丑寅のすみの」の記事はこちらです。
紫式部『紫式部日記』の「若宮誕生」の記事はこちらです。
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