清岡卓行
失われた両腕/ミロのヴィーナス/手の変幻
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失われた両腕/ミロのヴィーナス/手の変幻 解答/解説
解答
問1 a 隠 b 合致 c 羞恥 d 媒介 e 述懐
問2 ① イ ② 存在すべき無数の美しい腕への暗示
③ 腕が失われた ④ 解答例 = 急がば回れ (負けるが勝ち)
⑤ 解答例 = 高雅と豊満の驚くべき合致を示している美
⑥ 倒置(法) ⑦ 特殊 ⑧ エ ⑨ 手 (腕) ⑩ ア
問3 解答例 = A 現存するミロのヴィーナスが両腕を欠く不完全な美術作品でありながら、なぜか、その不完全さゆえに魅惑的であるから。
解答例 = B 美術作品は制作者の手を離れると、制作者の意図とは無関係に解釈され鑑賞されること。
解説
問1 漢字をないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルだよ。漢字の平常テストは地道にやること。高校を卒業したら漢字テストなど誰もやってくれません。これから一生の漢字力になります。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しなが進めてね。。
問2① 「生臭い」には、「欲望・利害などがからんでいるさま」という意味がある。ここでは世俗的な現実を想定されることを否定的に表現。「美=聖」と「俗」の二項対立が背景にあるととらえてもいい。この像が制作された事情や目的など(世俗的な現実)が確定できないことで、「普遍」を手に入れているという論理。後の、「全体性への偶然の肉薄」、「生命の多様な可能性を…たたえている」、「存在すべき無数の美しい腕への暗示」、「微妙な全体性への羽ばたき」を導くことになっている。両腕が失われていることを、偶然だが幸運なことと考えている。
② 同じような内容を別表現で言い換えていくのが、この文章の論理の組み立ての特徴。しかも、二項対立させて。
「特殊」 対 「普遍」
≒ ≒
「部分的な具象」 対 「ある全体性」
≒ ≒
「二本の美しい腕」 対 「存在すべき無数の美しい腕への暗示=微妙な全体性」
≒ ≒
「限定されてあるところのなんらかの有」 対「おびただしい夢をはらんでいる無」
HPの問3も参考にしてね。
③ HPの問3の解答解説を見てね。
④ 「逆説」とは、一見、真理にそむいているようにみえて、実は一面の真理を言い表している表現。外来語でパラドックス。例解の「急がば回れ。」とは、急ぐからといって慣れない近道を通れば、道に迷うなどして、かえって遅くなるもの。それよりも、多少の手間や時間がかかる回り道であっても本道を行くほうが、結局は早く目的地に着くということ。このことわざから「逆説」の意味をよく理解してね。
⑤ 「均整」とは釣り合いがとれて整っていること。「魔」には不思議な力とか、神秘的なものとか、恐るべきものという意味があり、「魔の海域」「魔術」「詩魔」のような熟語がある。その辞書上の意味から、ここでは「魅了してとりこにしてしまうもの」という意味(文脈上の意味)で使われている。「どういう美を言うのか」という問の解答になりうる箇所はないかを、20字以内という字数制限を頭に入れて、同段落を丁寧に読み込む。同文に「高雅と豊満の驚くべき合致を示しているところの、いわば美というものの一つの典型」とあるけど…。
⑥ 倒置法という用語を知らないと答えられない。文などにおいてその成分をなす語や文節を、普通の順序とは逆にする表現法。語勢を強めたり、語調をととのえたりするために用いられる。「どこに行くのか、君は」「起きろよ、早く」など。
⑦ 問2の②と同じ。
⑧ 「芸術」を筆者はどういう性格のものと考えているのか。前段落に、「失われていることにひとたび心から感動した場合、もはや、それ以前の失われていない昔に感動することは、ほとんどできない」とある。そこから…
⑨ ここは捉えにくい。「実態と象徴」は前前文の「手というものの、人間存在における象徴的な意味について、注目しておきたい」に着目して。
⑩ 「アイロニー」とは、皮肉、反語の意。肯定と否定を逆にして言い、皮肉や風刺をこめたり、真に言いたいことをほのめかしたりすること。遅刻した人に「今日は早起きですね。」など。ここは、「手」という「人間的」(2度繰り返されているよ)なものという捉え方、さらに、直後の「ほかならぬその欠落によって、逆に、可能なあらゆる手への夢を奏でるのである」に着目して考える。
問3A 「魅惑的であるために」と「両腕を失っていなければならなかった」の関係をよく考えてみる。ふつう、完成した美術品(文学や音楽でもいいんだけど)の一部が欠損していたらどういう結果になると考えられるかな…?でも、ミロのヴィーナスの場合は特別で…と思考していく。
B 冒頭にも「美術作品の運命という、制作者のあずかり知らぬ何物かも、微妙な協力をしているように思われてならなかった」とあった。冒頭では「制作者のあずかり知らぬ(製作者が関与することができない)」に、ここでは「可能なあらゆる手への夢を奏でる(無限の美しい腕を暗示する)」に着目して、美術作品はどういう運命を持っていると筆者は考えているのか、と思考してまとめる。
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