高校国語入門期で取り上げられる評論。『現代文評論の筋トレ国語勉強法』(こちらです)を参考にしてください。
フランスのヴェルサイユ宮殿には、左右対称の典型的なフランス式庭園のど真ん中に噴水が設けられていて、盛んに水を噴き上げています。その広大華麗な庭園は、いつまで観ていても飽きることがありません。山崎正和さんの「噴き上げる水」「空間的な水」という捉え方を納得させます。
ベルサイユ宮殿 庭園・噴水ショー (Versailles - water fountain show)
さらに、実は、私自身は「鹿おどし」の音を耳にして、「流れるものを間接に心で味わ」ったという実感はないかな。私はその音を聞いて、庭園の静寂の深さに気づかされたことが記憶にあります。この場合、「鹿おどし」は静寂を強調し、際立たせ、実感させる聴覚的装置といえるのではないか。そんな観点を持っててもいいと思います。
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水の東西 問題解答(解説)
問1 解答例…単純で緩やかなリズムがいつまでも繰り返され、その上何事も起こらないから。
(「単純な、緩やかなリズムが、無限にいつまでも繰り返される。緊張が高まり、それが一気にほどけ、しかし何事も起こらない徒労がまた一から始められる」に着目できましたか…「徒労」とは、結果が伴わないむだな働きということ。「人生の気だるさのようなもの」の要因として語られているんだけど。)
問2 解答例…日本の庭園では樹木や草花が中心で、「鹿おどし」は添え物である。
(欧米と日本の庭園が二項対立で考察されていると整理しながら読み取っていくとすっきり理解できます。)
問3 日本人は、水の、【 自然に流れる姿 】を美しいと感じ、さらには【 見えない 】水を【 間接 】的に味わおうとする【 感性 】を持つが、「鹿おどし」は音と音との間に【 流れる水 】を【 間接 】的に味わわせる仕掛けで、日本人の【 感性 】と合っているから。
(先入観を排除して、そして、上っ面だけではなく、深く正確に読み取ること、できましたか…?)
a.Q1. 解答例…「行雲流水」で表されている思想
(15字。具体的には、前段末の「水は自然に流れる姿が美しい」とすることということになる。)
2. 解答例…日本人固有の感性により、断続する水の響きを聞くことで、間隙に流れるものを感じ取ることができるから。(49字。直後にある。)
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