袴垂、保昌に会ふこと（宇治拾遺物語） exercise

  袴垂、保昌に会ふこと

（宇治拾遺物語）

 exercise 

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袴垂、保昌に会ふこと exercise 解答／解説

解答

問１ａ　かんなづき（かみなづき） ｂ　さしぬき 　ｃ　かりぎぬ  ｆ　こ（こよ）

     ｄ　断定「なり」の連体形「なる」の撥音便「なん」、撥音（ん）の無表記

     ｅ　自発「らる」の連用形

問２Ａ　さっさと歩いていかないでゆるりゆるりと歩いていくので

      Ｂ　襲い掛かることもできそうになかったので

      Ｃ　いろいろやってみるけれど

      Ｄ　こうなってはたとえ逃げても逃がしてはくれないだろう

問３①　追いはぎをして衣類を手に入れるのに適当な場所。

       ②　相手がすごい稀有の人だからといって、このまま何もせずによいものか、いや、そういうわけにはいくまい。

       ③　袴垂が保昌の無言の威厳を察知し、保昌の指示や命令に唯々諾々と従っているのを見て、　人の力量を見抜く能力・直感力の持ち主であると評価したから。

解説

　サ行変格活用の動詞は「す」「おはす」の二語。ただし、「す」の複合語は多数あります。→心す　死す　信ず　存ず　先んず　重んず　など。

問１ａｂｃｆ…（略）

　　ｄｅ…（略）

　　ｇｈ…「き」の活用、「せ・○・き・し・しか・○」、まだの人はインプット。ｇ→「こそ」の結びの已然形。ｈ→直後の「人」は名詞（＝体言）なので連体形と判断します。

問２Ａ…　「～やらず」は、「すらすらと～しないで」の意。「練り行く」は、「ゆっくりと歩く・行列を整えて行く」の意。

　　Ｂ…「取りかかる（動詞・四段・終止）＋べく（助動詞・可能・連用）＋も（係助詞）＋おぼえ（動詞・下二）＋ざり（助動詞・打消・ず・連用）＋けれ（助動詞・過去・已然）＋ば（接続助詞）」。「ければ」は確定条件、「～たので」と訳す。「取りかかる」には、「立ち向かう・打ちかかる」の意味がある。

　　Ｃ…　「とざまかうざま」（副詞）は、「あれやこれや・ああしたりこうしたり」の意。「に」は逆接の接続助詞。

 Ｄ…　「逃ぐ」はガ行下ニ、「逃がす」はサ行四段なので注意。「とも」は接続助詞、「たとえ～ても・でも」の意。

問３①…　「さる」はラ変動詞、「そうである・そのようである」の意。指示内容は、直前の「衣の用ありければ、衣すこしまうけんとて」を受ける。「べき」は適当の助動詞。「さるべき」で、「衣類を手に入れるのに適当な」の意。

　　②…　「さり（動詞・ラ変・終）＋と（格助詞）＋て（接続助詞）＋あら（動詞・ラ変・未然）＋ん（助動詞・推量・終止）＋やは（係助詞・反語）。「さりとて」は「そうかといって」の意、「稀有の人かな」を受ける。「あらん」の前に「かくて」を補う、「このまま何もしなくて」の意。袴垂の「盗人」としての自負心が、このまま引き下がることを許さないのです。

　　③…　袴垂が盗人のかしらであることを知っていながらそうしたのは、袴垂が相手の力量を見抜く直感・能力の持ち主であることを評価したから。それでも、最後には、刀を抜いて襲い掛かったので、「心も知らざらん人にとりかかりて、汝あやまちすな（どんな人か分かりもしない人に襲いかかって、自分のほうが怪我をするなよ）」と注意しているのである。保昌が、その気になっていたらお前は討たれていたのだぞと言外に述べている。保昌の剛毅で太っ腹な人柄が描かれているのです。

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