目に見える制度と見えない制度
中村雄二郎 1/2
exercise 解答例/解説
目に見える制度と見えない制度1/2 exercise 解答例/解説
1
〈解答例〉
問1a外面に現れた様子 (8字)g全体をまとめて支配すること (13字)
b居住地 c営む d必需品 e施設 f開墾
問2 エ
③集団が大きくなり複雑になることと集団の成員の数が多くなること。
④加工
⑤〈解答例〉自然物へのはたらきかけによってさまざまなものを生み出し、人間にとって役立つものとして使うこと。
⑧〈解答例〉人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれるから。
④ ある内容の別表現、別の観点からの表現、発展的にとらえた表現、まとめ的に短くした表現に注意。「自然物を人間化して自己の所有とする」とは、前文の「人間は社会の中で集団生活を営みながら、労働によって周囲に存在する自然の物体にはたらきかけ、さまざまなものを作り出してきた(こと)」の言い換えであり、直後に「自然物を人間化して自己の所有とする(こと)」と言い換えられている。さらに。次段冒頭に「人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれる」と言い換えられている。「ほぼ同意義となる漢字2字の熟語」に該当するのは「加工」と考える。
⑤ ④と同様前文の「人間は社会の中で集団生活をイトナみながら、労働によって周囲に存在する自然の物体にはたらきかけ、さまざまなものを作り出してきた。それは衣食住のヒツジュヒンからそれを超えたいろいろな技術的製作物や文化的な諸シセツにも及ぶ。」に着目します。「人間化して自己の所有とする」とは、「自然のまま」のものを、「衣食住のヒツジュヒンからそれを超えたいろいろな技術的製作物や文化的な諸シセツ」のような人間にとって役立つものに「加工」することを言っているととらえられる。「自然物へのはたらきかけによってさまざまなものを生み出し、人間にとって役立つものとして使うこと。」を例解とした。(マルクス主義的な独特な世界観です。)
⑧ 前前段の後半部・前段に述べられていること。前段冒頭の「人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれるとき、私たち人間相互の関係は直接的なコミュニケーションではなくなって間接的なものになり」に着目できる。「人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれるから。」を解答例とした。
問4⑥… 抽象的な主張についての具体例を述べようとする接続語。「たとえば」が解。
問三 「私たち人間の意志」「私たち」が繰り返し使われていることに気づく。本文のキーワード。〈制度〉や〈法〉は、自然の法則とは違い、不都合なら改変できるし、するべきと主張しようとしていることは気づくだろう。
問四 《指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。》のセオリー通り。
問五 同文の中の語句でまとめられる。
問六 「私たち意志」が関与できるかどうかがポイントであることは明らか。問三を参照。
問七 a.Q 次文に「…だけではなくて、社会的な現実を自己の観点から組織して、一つの現実的な力となるのである」とある。
問八 a.Q 前文に「法律や制度はキハンとして客観化されるだけではなくて、社会的な現実を自己の観点から組織して、一つの現実的な力となる」とあるのに着目する。
問二 まず、ア~オの選択肢の語句を頭に入れておく。A…直前までの内容をまとめている。「つまり」が解。「ようするに」などともいう。B…「法律や制度」は可変なものであると言おうとしているコンテクスト。直後の「既成のもの」と同趣。C…「したがって」とは、前に述べたことからの必然的な結果として以下のことが起こることを表す。それゆえ、だから、その結果。D…「法律や制度は人間によって作られた」のに、「人間を支配してくるようになる」というコンテクスト、「逆に」が適解となる。E…「そのうえ」「かつ」の意。「また」が解となる。
問三 ウが解。「法律や制度」を作った「私たちの共同の意志とはいったい何をめざすものであったかを確かめることが必要」という主張につづき、「制度が私たち人間にとってよそよそしいもの、敵対的なものとして現れてくる」こともあると警鐘を鳴らす構成ととらえられる。
問四 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。この問題でしっかりたしかめたい。
問五 前段の結論個所となる。
問六 「法律や制度」が、自分たちで作ったのに、人間に敵対的なものになることがあることに自覚的であれという主張となる。
問七 「法律や制度」が立法機関などで審議決定されることを言っているようだ。法学用語に「自然法」と「実定法」があり、それが筆者の念頭にあったと考えられる。アが解。
問八 「社会科学」とは、社会における人間行動を科学的,体系的に研究する経験科学の総称。自然科学に対する。社会学,政治学,経済学,法学,社会心理学,教育学,歴史学,文化人類学などが含まれる
問4⑥ニ ⑦ロ ⑨ハ
〈解説〉
問1a 語彙力は読解力と表現力の源(みなもと)です。文中のある語の意味が分からなくても、前後のコンテクストからおよその意味が推測できますが、少し難しい語彙が多く使われている文章になると文意が取れなくなります。知らない言葉・あいまいに理解している言葉に出会ったら調べる、大人(親を含めて)の話を聞いたり対話をする、コラム程度でもいいので、日常の仲間の会話とは離れた、文章のプロの書いたものを読む、語彙力強化のテキストに取り組んでみるなど、語彙力を自覚するようにしましょう。
b 漢字をないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルだよ。漢字の平常テストは地道にやること。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しながら進めてね。
問2 本文のキー・ワードが「集団・社会/間接化・間接的」であることはわかりましたか?本文にマークしてみましょう。これらから組み立てられた結論が最後尾の「法律といい制度というのは、このように集団内部での人間相互の関係を合理化し客観化したものにほかならない」となります。よって、エが解。
問3② 「内面化」とは、その社会の価値や規範(「ふるまい方や生き方」)を、自分の価値や規範として、受け入れる(「身に着ける」)ことをいう。「内在化」ともいう。内面化により、集団は円滑に集団目標を遂行できるようになり、個人は円滑に集団から受容されるようになる。安定した精神構造をもたらすメカニズムであり、これが働くことで人間関係における精神状態を形成することがある。内面化により、賠償金や刑罰などの手段で、規範を外部から個人に強制する必要はなくなる。違反行為は、個人が道徳により内面で裁くからである。また、ある価値と規範を受容した個人は、それを受容しない個人に嫌悪・憎悪などの感情を抱き、内面化を他者にも強制するようになる。現代文の重要語彙です。
③ 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。ここでは、直前の文に「その成員の多くなる」とあり、「その」はこの段のキーワード〈「集団」+の〉となる。解答例は、この段冒頭「集団が大きくなり複雑になり」を踏まえた。
b 漢字をないがしろにしないでね。確実に得点できるジャンルだよ。漢字の平常テストは地道にやること。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しながら進めてね。
問2 本文のキー・ワードが「集団・社会/間接化・間接的」であることはわかりましたか?本文にマークしてみましょう。これらから組み立てられた結論が最後尾の「法律といい制度というのは、このように集団内部での人間相互の関係を合理化し客観化したものにほかならない」となります。よって、エが解。
問3② 「内面化」とは、その社会の価値や規範(「ふるまい方や生き方」)を、自分の価値や規範として、受け入れる(「身に着ける」)ことをいう。「内在化」ともいう。内面化により、集団は円滑に集団目標を遂行できるようになり、個人は円滑に集団から受容されるようになる。安定した精神構造をもたらすメカニズムであり、これが働くことで人間関係における精神状態を形成することがある。内面化により、賠償金や刑罰などの手段で、規範を外部から個人に強制する必要はなくなる。違反行為は、個人が道徳により内面で裁くからである。また、ある価値と規範を受容した個人は、それを受容しない個人に嫌悪・憎悪などの感情を抱き、内面化を他者にも強制するようになる。現代文の重要語彙です。
③ 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。ここでは、直前の文に「その成員の多くなる」とあり、「その」はこの段のキーワード〈「集団」+の〉となる。解答例は、この段冒頭「集団が大きくなり複雑になり」を踏まえた。
④ ある内容の別表現、別の観点からの表現、発展的にとらえた表現、まとめ的に短くした表現に注意。「自然物を人間化して自己の所有とする」とは、前文の「人間は社会の中で集団生活を営みながら、労働によって周囲に存在する自然の物体にはたらきかけ、さまざまなものを作り出してきた(こと)」の言い換えであり、直後に「自然物を人間化して自己の所有とする(こと)」と言い換えられている。さらに。次段冒頭に「人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれる」と言い換えられている。「ほぼ同意義となる漢字2字の熟語」に該当するのは「加工」と考える。
⑤ ④と同様前文の「人間は社会の中で集団生活をイトナみながら、労働によって周囲に存在する自然の物体にはたらきかけ、さまざまなものを作り出してきた。それは衣食住のヒツジュヒンからそれを超えたいろいろな技術的製作物や文化的な諸シセツにも及ぶ。」に着目します。「人間化して自己の所有とする」とは、「自然のまま」のものを、「衣食住のヒツジュヒンからそれを超えたいろいろな技術的製作物や文化的な諸シセツ」のような人間にとって役立つものに「加工」することを言っているととらえられる。「自然物へのはたらきかけによってさまざまなものを生み出し、人間にとって役立つものとして使うこと。」を例解とした。(マルクス主義的な独特な世界観です。)
⑧ 前前段の後半部・前段に述べられていること。前段冒頭の「人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれるとき、私たち人間相互の関係は直接的なコミュニケーションではなくなって間接的なものになり」に着目できる。「人間によって加工され、作り出され、所有されたさまざまなものを仲立ちにして社会生活が営まれるから。」を解答例とした。
問4⑥… 抽象的な主張についての具体例を述べようとする接続語。「たとえば」が解。
⑦… 前の事柄とは相反する内容を導く。「そうであるのに」。しかるに」とも言う。「ところが」が」が解。
⑨… 直前「…ためには、…なければならない。」という言い方を逆にして、「…ことによって、…できるようになるのである。」と言い換えている。「逆に言うならば」が解。
2
〈解答例〉
問一(ア) 実施 (イ) しんぎ (ウ) 交付 (エ) 規範 (オ) こうきん
問二 他との区別をはっきりさせて。
問三 意志のはたらき
問四①制度的現実 ⑤自然法則 ⑥私たちとは無関係にただ外部に存在している
問五 人間の意志のはたらきによって作り出されており、人間から独立した客観的な実在として一つの環境を形成するもの。
問六③エ ④イ
問七 エ
問八 一つの現実的な力
〈解説〉
問一 問二 《略》問三 「私たち人間の意志」「私たち」が繰り返し使われていることに気づく。本文のキーワード。〈制度〉や〈法〉は、自然の法則とは違い、不都合なら改変できるし、するべきと主張しようとしていることは気づくだろう。
問四 《指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。》のセオリー通り。
問五 同文の中の語句でまとめられる。
問六 「私たち意志」が関与できるかどうかがポイントであることは明らか。問三を参照。
問七 a.Q 次文に「…だけではなくて、社会的な現実を自己の観点から組織して、一つの現実的な力となるのである」とある。
問八 a.Q 前文に「法律や制度はキハンとして客観化されるだけではなくて、社会的な現実を自己の観点から組織して、一つの現実的な力となる」とあるのに着目する。
3
〈解答例〉
問一(ア)統御 (イ)既成 (ウ)規範 (エ)惰性 (オ)疎外
問二 A オ B ウ C イ D ア E エ
問三 ウ
問四 ① ウ ② イ ③ エ ④ ア ⑤ オ
問五 それらの法
問六 私たち人間を支配してくるようになる (17字)
問七 ア
問八 イ・エ
〈解説〉
問一 《略》問二 まず、ア~オの選択肢の語句を頭に入れておく。A…直前までの内容をまとめている。「つまり」が解。「ようするに」などともいう。B…「法律や制度」は可変なものであると言おうとしているコンテクスト。直後の「既成のもの」と同趣。C…「したがって」とは、前に述べたことからの必然的な結果として以下のことが起こることを表す。それゆえ、だから、その結果。D…「法律や制度は人間によって作られた」のに、「人間を支配してくるようになる」というコンテクスト、「逆に」が適解となる。E…「そのうえ」「かつ」の意。「また」が解となる。
問三 ウが解。「法律や制度」を作った「私たちの共同の意志とはいったい何をめざすものであったかを確かめることが必要」という主張につづき、「制度が私たち人間にとってよそよそしいもの、敵対的なものとして現れてくる」こともあると警鐘を鳴らす構成ととらえられる。
問四 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。この問題でしっかりたしかめたい。
問五 前段の結論個所となる。
問六 「法律や制度」が、自分たちで作ったのに、人間に敵対的なものになることがあることに自覚的であれという主張となる。
問七 「法律や制度」が立法機関などで審議決定されることを言っているようだ。法学用語に「自然法」と「実定法」があり、それが筆者の念頭にあったと考えられる。アが解。
問八 「社会科学」とは、社会における人間行動を科学的,体系的に研究する経験科学の総称。自然科学に対する。社会学,政治学,経済学,法学,社会心理学,教育学,歴史学,文化人類学などが含まれる
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