目に見える制度と見えない制度
中村雄二郎 2/2
exercise
目に見える制度と見えない制度2/2 exercise 解答例/解説
1
〈解答例〉
問1(ア)典型 (イ)規範 (ウ)交換 (エ)疎通 (オ)認識
問2 ウ
問4 エ
問5 しきたりが身についてぎこちなさがなくなる
問6(1)作法や儀式 ~ であろう。
(2)制度としての性格と仕組みとを立ち入って知っておくこと (二六字)
〈解説〉
問一 漢字、確実に得点できるジャンルです。漢字の平常テストは地道にやること。定期考査の勉強はまず漢字から始めよう。それもただ漢字を覚えるのではなく、前後のコンテクスト(文脈)・内容を把握しながら進めてね。高校を卒業したら漢字の書き取りなど誰もやってくれません。今のトレーニングが一生の漢字筋力となります。 問二 ア「河童の川流れ」とは、どんなに上手な人でも、たまには失敗することがある、という意味。
イ「渡りに舟」とは、 困っているときにちょうど助けになる人や状況に恵まれることを意味する
ウ「習い性となる」とは、習慣は、ついにはその人の生まれつきの性質のようになる
エ「二の舞を演ずる」とは、前の人と同じ失敗をくり返すことのたとえ。
オ「類は友を呼ぶ」とは、 似た物同士は自然と集まることを意味する。
ここでは、「私たち人間には習慣が生まれながらの性質のように、自然のようになって、制度と自然とがほとんど見分けがつかないようになることがある。…このように身につくということ」と類似する慣用句はウとなる。「身につく」は本文で二度繰り返されている。
問三 「意識的」と「無意識的」の二項対立。難しくないはず。
問四 問三と同様にとらえられる。「意識的に作られた」制度と「無意識的に作られた」制度の二項対立。「成文化された」制度と、成文化されていないが、「私たちが共同社会の中で営む生活を暗黙のうちに律している制度」の二項対立と考える。
問五 「習い性となる」「身につく」と同義となる。「具体的に例をあげてわかりやすく言い換えてある部分」、「二〇字で」に注意。
問六(1)「それ」は直前「しきたりが身についてぎこちなさがなくなる」(こと)。「いいこと」と肯定している理由は…難しくない。
(2) 「三〇字以内で」という指定は、26~30字と頭に入れて考える。この段で結局何を提起しようとしているのかをとらえる。
問二 語彙力は読解力と表現力の礎(いしずえ)となります。文中のある語の意味が分からなくても、前後のコンテクストからおよその意味が推測できますが、少し難しい語彙が多く使われている文章になると文意が取れなくなります。知らない言葉・あいまいに理解している言葉に出会ったら辞書をひく、また、大人(親を含めて)の話を聞いたり対話をする、コラム程度でもいいので、日常の仲間の会話とは離れた、文章のプロの書いたものを読む、語彙力強化のテキストに取り組んでみるなど、語彙力を自覚するようにしましょう。
問三A… 近代の「自由な意思による恋愛」こそ「人間の本性や自然」に基づいた男女の結びつきだと考えられているが、そうではないというコンテクストで使われている。問十も参照。
B… 「言い換えると」の意の「ア つまり」が解。
問四 近代の恋愛も、「制度」であり「文化」であるという文脈。直後に「文化人類学」「文化や時代」とあることに着目。
問五 同段2文目に「人間の本性や自然」とある。
問六 2段落2文目に着目できる。
問七 直後に「それらに代わるものとしてはたらくのは、私たち人間が集団として無意識のうちにある目的にかなった秩序や体系を形作る活動である」とある。字数制限に注意して抜き出す。
問八 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。
ここでは、直前の「むろん無意識的な制度の場合には、そのような立案も検討も合意もあり得ない」に着目。複数ある。
問九 a.Q4 「神話」「魔術」について述べられている。「神話」「魔術」は、日照りや落雷などの天変地異から解放されるための「一種の制度」ととらえられているようです。ウが解。
問十 a.Q2 【近代以前の見合い結婚】Vs.【近代以降の恋愛結婚】の二項対立と理解すれば読み取りやすい。【近代以降の恋愛結婚】によって、【人間本来の男女の結びつき】ができるようになったと考えるのは間違いであると主張されている。どちらも歴史や文化によって作られた【制度】の一種であるという点で共通したものだということです。
もっと深く知りたい人は【参考】を読んでみてください。
【参考】見合い結婚 婚姻前の面識のない男女が,縁談のため仲人などを介して顔合わせを行なうこと。江戸後期から起こった風習で,それまでは縁談の取り決めは家長の意志にまかされ,当人は関知しないというのが一般であった。第2次世界大戦後は新民法(→民法)の成立によって夫婦家族制の理念が普及するとともに若い男女の交際機会が増え,見合いによらない恋愛結婚が多くなっている。見合いの形式も,当初は男を主とするもので,女はその席に茶菓を運び挨拶をするだけ,つまり男に対する顔見せ的な要素の強いものであったが,しだいに見合いの席としてホテルやレストランなどが利用されるようになり,当人間の話し合いによる理解が重視されるようになった。近年では見合いも相互紹介的な色合いが濃く,その後の交際を通じて結婚の意思の決定を行なうことが多い。なお,今日では面識のない男女の縁談として,見合いのほか,結婚希望者を会員として登録し,データをもとにコンピュータを利用して結婚相手を紹介する結婚情報サービスがある。《ブルタニカ国際大百科辞典》
2
〈解答例〉
問一(ア) 意向 (イ)お (ウ)束縛 (エ)形態 (オ)いとな
問二a 解答例…従いながら。
b 解答例…意識されてはいないものの、思い出すことが可能であること。
cd CD
問三A エ B ア
問四 イ
問五 人間の意志のはたらきによって作り出されており、人間から独立した客観的な実在として一つの環境を形成するもの。
問六a合議 b立案 c検討 d合意
問七 人間が集団 ~ 形作る活動
問八 解答例… 意識的な制度における立案・検討・合意という作業
問九 ウ
問十 解答例…親が決めた家本位の男女の結びつきや、本人たちの意向を無視して推し進める結婚に対して、自由な意思による恋愛は、個人としての人間を解放するもの、人間の本来の男女関係の在り方であり人間の自然であると考えられている。しかし、両者とも「制度」が作り出したものであること(で共通していること)を説明しようとしている。
〈解説〉
問一 《略》問二 語彙力は読解力と表現力の礎(いしずえ)となります。文中のある語の意味が分からなくても、前後のコンテクストからおよその意味が推測できますが、少し難しい語彙が多く使われている文章になると文意が取れなくなります。知らない言葉・あいまいに理解している言葉に出会ったら辞書をひく、また、大人(親を含めて)の話を聞いたり対話をする、コラム程度でもいいので、日常の仲間の会話とは離れた、文章のプロの書いたものを読む、語彙力強化のテキストに取り組んでみるなど、語彙力を自覚するようにしましょう。
問三A… 近代の「自由な意思による恋愛」こそ「人間の本性や自然」に基づいた男女の結びつきだと考えられているが、そうではないというコンテクストで使われている。問十も参照。
B… 「言い換えると」の意の「ア つまり」が解。
問四 近代の恋愛も、「制度」であり「文化」であるという文脈。直後に「文化人類学」「文化や時代」とあることに着目。
問五 同段2文目に「人間の本性や自然」とある。
問六 2段落2文目に着目できる。
問七 直後に「それらに代わるものとしてはたらくのは、私たち人間が集団として無意識のうちにある目的にかなった秩序や体系を形作る活動である」とある。字数制限に注意して抜き出す。
問八 指示語の指示内容は、直前、その直前…とさかのぼり、「こと」などを補うなどして指示語に代入、文意が通るか確認。ただし、要約しなければならなかったり、指示内容が指示語の後にあることもあり、そのケースが出題されることも知っておく。
ここでは、直前の「むろん無意識的な制度の場合には、そのような立案も検討も合意もあり得ない」に着目。複数ある。
問九 a.Q4 「神話」「魔術」について述べられている。「神話」「魔術」は、日照りや落雷などの天変地異から解放されるための「一種の制度」ととらえられているようです。ウが解。
問十 a.Q2 【近代以前の見合い結婚】Vs.【近代以降の恋愛結婚】の二項対立と理解すれば読み取りやすい。【近代以降の恋愛結婚】によって、【人間本来の男女の結びつき】ができるようになったと考えるのは間違いであると主張されている。どちらも歴史や文化によって作られた【制度】の一種であるという点で共通したものだということです。
もっと深く知りたい人は【参考】を読んでみてください。
【参考】見合い結婚 婚姻前の面識のない男女が,縁談のため仲人などを介して顔合わせを行なうこと。江戸後期から起こった風習で,それまでは縁談の取り決めは家長の意志にまかされ,当人は関知しないというのが一般であった。第2次世界大戦後は新民法(→民法)の成立によって夫婦家族制の理念が普及するとともに若い男女の交際機会が増え,見合いによらない恋愛結婚が多くなっている。見合いの形式も,当初は男を主とするもので,女はその席に茶菓を運び挨拶をするだけ,つまり男に対する顔見せ的な要素の強いものであったが,しだいに見合いの席としてホテルやレストランなどが利用されるようになり,当人間の話し合いによる理解が重視されるようになった。近年では見合いも相互紹介的な色合いが濃く,その後の交際を通じて結婚の意思の決定を行なうことが多い。なお,今日では面識のない男女の縁談として,見合いのほか,結婚希望者を会員として登録し,データをもとにコンピュータを利用して結婚相手を紹介する結婚情報サービスがある。《ブルタニカ国際大百科辞典》
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